『発達障害』ではないけれど落ち着かない子ども達


『ブラックボックス化していたクラス』の記事で子ども達の『落ち着きのなさ』に困っていたM先生のクラス。その後に起きた子ども達の気になる行動について書き残したいと思います。

信頼関係を築き始めていたM先生

『コールアンドレスポンスが出来ない子ども達』の記事で書きましたが、M先生はクラスの子ども達の特徴を考慮しつつコミュニケーションを取るようにしていました。
その成果で、M先生と子ども達の信頼関係が築かれていくのがツヤ子にも感じられた頃のこと…。

寝かしつけはM先生!

午睡時に子ども達が入眠しやすいように、職員が手分けをして子どもの背中やお腹、胸などを『優しくとんとん』して寝かしつけます。
誰が『とんとん』するかは時によって変わるのですが、子ども達はとにかくM先生に『とんとん』されたがるようになりました。

執着する子ども達

『M先生、大人気だねぇ!』、とツヤ子。
『大人気というより、執着がすごいんです。この子達…。』と、M先生。(←かなりお疲れの様子)
確かに…。
子ども達は先生が好きなのは間違いないのですが、とにかくM先生に『自分を見てほしい』、という感じでした。

『僕も』『私も』な子ども達

例えば
『鼻水でた~』、とひとりの子が言うので、職員が鼻水を拭きます。
その様子を見た子ども達は次々に
『僕もでた~』
『私もでた~』と、言ってきます。
それが終わると
『おしっこー』
『僕も〜』
『私も〜』と、次々に訴えてきます。
『おしっこ』だったり、『かゆい〜』だったり、訴えは様々なのですが、とにかく1人が成功すると『自分も』となるようでした。

大人はグッタリ

布団に中々入らない子ども達に職員はグッタリです…。
できるだけ応援の職員を配置し、対応しましたが、寝かしつけにはかなりの時間がかかりました。
ここで時間をかけてしまうと、先生方の休憩時間が減ってしまいます。(←休憩時間が保証されてない!!)職員はまたグッタリです。

子どもの言葉と行動をそのまま受け取るのは用心しよう

さて、この子ども達のソワソワ感…。
何が原因なのでしょうか?

子どものワガママでしょうか?
それなら、何故ワガママになってしまうのでしょうか?

子ども達は大人が『イラッ』とするようなことをワザとやっているような…。

この大人は何をしたら怒るか?怒らないか?まるで試しているような…。

何かに触りたい子ども達

布団にようやく入った子ども達。

  • 指しゃぶりする子

  • 口いっぱいに掛けふとんのタオルを頬張る子

  • うつ伏せに寝て、腰を振ってる子

  • 横向きに丸まって寝て、股に手を突っ込んでいる子

  • 隣に寝ているお友だちを触りたがる子

もぞもぞしている子ども達を見ていると『何かを触りたくて仕方がない』そんな感じがしました。

大人に自分を見て欲しい!(←コミュニケーション不足?)

何かに触れていたい!(←アタッチメント不足?)

ツヤ子は子ども達の心が、何やら『不健康な状態』ということだけは感じました。

Tくんボヤく

さて、ツヤ子もお手伝い、ということで、Tくんの寝かしつけを担当しました。
Tくんは頭の回転が早く、運動神経がよく、活発な子でした。
『Tくん久しぶり〜』とツヤ子。

『え〜、やだ〜M先生がいい〜』とTくん。

『まあね〜、わかるよ〜、M先生優しいもんね〜。それじゃあさ、「M先生が早く来てくれますように」って一緒にお祈りしながら待とうね。』とツヤ子。

 Tくんは不満げでしたが、ツヤ子に『とんとん』することを許してくれました。

『Tくんが1歳児さんの頃、「ママがいい〜」って泣いてる時、こうやってよく寝たよね〜。
「ママが早くお迎えきてくれますように」って一緒にお祈りしたねぇ。
Tくんはまあ、たくさん泣いた、泣いた覚えてる?』とツヤ子。

Tくんが『えっ…?』という感じの表情をしたあと、1歳の赤ちゃんの頃に見られた穏やかな表情に変わるのがわかりました。

『M先生がいいの〜』と、Tくんのボヤきは続きましたが、ツヤ子の『とんとん』でそのままおやすみに…。

赤ちゃん返り?

赤ちゃんの顔に戻ったTくんを見て、
『Tくん、赤ちゃん返りじゃない?』
と、思ったツヤ子。

そう、Tくんは確か、今年度からお母さんが第二子出産後、育休が明けて仕事復帰していた。

乳児クラスの時からの発語の様子や、運動神経の発達が抜群によかった彼が『発達障害』とはまず考え難い…。

『M先生、Tくんは赤ちゃん返りじゃないかな?』と、ツヤ子。

『やっぱりそうですか…。どうも、家ではお母さんの言うこときかないらしく…。お母さんも相当参ってるんですよね…。』と、M先生。

甘えられる人(信頼できる人)を探してる?

子どもは自分の気持ちを言葉にすることはまだまだ難しいですよね。(大人だって難しいと思う)

『M先生がいいの〜』と子どもは言います。
けれど、心の声は
『私(僕)を見て〜』なのではないかとツヤ子は思うのです。
『鼻水でた~』も、
『私(僕)を見て〜、抱っこして〜』が心の声なのではないかと思うのです。

イライラソワソワのTくんが赤ちゃんの頃のような穏やかな顔に変わった時、そんな気がしました。

大人と子どものすれ違いに注意しないといけません

ソワソワの子ども達の行動を
『早くしなさい!』とか、
『いい加減にしなさい!』とかで、止めさせようとするのは要注意だとツヤ子は思うのです。

子どもの『心の声』を考えると、そんな大人の声かけは、子どもの心を寂しくさせてしまうだけだと思うのです。

手を繋いで歩かない親子

保育園の登降園時、手を繋いでいる親子が殆どいません。
子どもの安全面を考えると手を繋いで歩くことはとても大切です。
そして、心配なのはそれだけではなく、もしかしたら親子のすれ違いの始まりなのかも…。

『〇〇ちゃん待ちなさい!』と、
パパさんママさんが言っているのを尻目に、
全力ダッシュする子ども達…。
その子どもの心の声は何と言ってるのでしょう…?

問題は更に複雑だった

M先生のクラスは第二子出産後の育休明けの親御さんが5人いました。
どのお子さんも『赤ちゃん返り』と思われる行動がみられ、M先生への執着に繋がったようでした。

更に、このクラスの難しいところは、ツヤ子の見立てでは、発達障害のお子さんが3~4人いました。

これは他クラスに比べて多い感じです。

障害(←おそらく)があっても保育園生活を頑張れている子達ばかりでしたが、安全面を考えると常に配慮は必要です。

ツヤ子、愕然とする

『問題がない子』が少数派


さらに、『発達障害もどき』の症候が見られている子も多く、『問題がない子』の方が圧倒的に少数派になっていることに気が付きました。

  • 定型発達

  • 発達障害

  • 発達障害もどき

  • 赤ちゃん返り

  • その他

子ども達の様子を分類すると上記のようになりました。

その他?

そう、『その他』があることにツヤ子は気づきました。
『発達障害』でもない、
『発達障害もどき』でもない、
『赤ちゃん返り』でもないのに、

『落ち着きがなく』、
『ひどい癇癪』があり、
体の筋緊張が緩く、
場面の切り替えが苦手で、
こだわりが強い上、
場の空気が読めない子…。

その答えはまたの機会に…。

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