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2022年のJリーグでレッドカードが多すぎる件について<What‘s DOGSO?>
こんちゃ!
どうもJ1の順位表を見たときにまだ大分という文字がないことに違和感を覚えている懐古厨のいったーです。
ようやく先週のvs甲府でJリーグが開幕しましたねえ。
シーズン跨いでの連続後半ATゴールは震えます。近所の皆さんごめんなさい。
それでは本題いってみましょう。
今回は第3節京都サンガvsジュビロ磐田の試合で起こった出来事です。
そもそもGK“神”福元って誰?
今季のJリーグ始まったばっかりだし、
昇格組京都サンガのGKとか知らんって思ってるそこの君。
周りにJリーグオタ名乗れるチャンスですよ。
なぜ、筆者がGK上福元のことを知っているかっていうと
まあ大分在籍経験者だからなんですよ(知ってたw)。
ざっくりと在籍歴をご紹介。
市立船橋高校→順天堂大学
2011-2017 大分トリニータ(J3、J2)
2013 町田ゼルビア(JFL)
2018-2019 東京ヴェルディ(J2)
2020-2021 徳島ヴォルティス(J2、J1)
2022- 京都サンガ(J1)
大分トリニータではJ2ではGK武田洋平(現名古屋)J3降格時に主にGK修行(現今治)とJ2昇格時にはGK高木駿と正守護神の座を争いました。
東京ヴェルディではロティーナ監督に即戦力として迎え入れられ、J1昇格POを経験し、惜しくもJ1昇格を果たすことはできませんでした。
徳島ヴォルティスでは、リカルド・ロドリゲス監督、ダニエル・ポヤトス監督の両スペイン人から重宝されGKを含めた最後尾からボールを大事にする徳島スタイルの確立に貢献しました。
2022年から京都サンガに移籍し、徳島は降格しましたが個人残留を果たしました。J1昇格に貢献した生え抜きのGK若原とスタメン争いを制し、開幕から3試合連続で守護神を務めました。
足元の技術に長けており、ショートパスのみならずロングフィードも得意であることから攻撃的なチームに所属することが多く、監督が変わっても重宝されるGKです。めちゃくちゃ守備範囲広いです。めちゃくちゃ前に出ます。
足元の技術にスポットライトが当たりがちですが、神懸ったセービングを見せることからGK“神”福元とTwitterなどでは表記されます。
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言わずもがな、今季もセービング数堂々のJ1No.1(神セーブが多いのも事実ですが、守備機会が多いです)となっており、また派手なセービングが脚光を浴びています。
GK上福元退場は妥当な判断なのか。
結論から言うとYES。
退場に値すると考えます。
この問題のシーンではDOGSOと言われる4つの構成要件に該当するかどうかです。
まず、前提条件であるDOGSOとは???
Denying an Obvious Goal-Scoring Oppotunityの頭文字です。
日本語にすると、「決定的な得点機会の阻止」です。
その「決定的な得点機会の阻止」が成立する4要件とはなんでしょうか。
①プレーの方向
②反則地点とゴールへの距離
③守備側の競技者の位置と人数
④ボールをキープまたはコントロールできる可能性がある
の4つ全てが満たされる必要があります。判断が難しそうですよね~
その難しさとは、“各要件絶対的な指標(数値等)が明示されてないから”です。
それでは各要件を個別にみていきます。
その前に王者川崎のキャプテンCB谷口さんは
この世でいちばん怖いのはDOGSOだとコメントしています。
優勝をかけた大分戦では、DOGSO該当で退場&PK献上しちゃいましたもんね。※大分vs川崎(1-0)
絶対、そっちよりルヴァン杯決勝のチャナティップに与えたPKのほうだろ。ってのはナシです。
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①プレーの方向
この要件は、攻撃側のボールホルダーがプレーする方向についてです。
要は、ボールホルダーがゴールに向かってプレーしているかどうかです。
そのボールホルダーがボールをコントロールするときの向きという“ミクロ”的な判断ではなく、そのボールホルダーがアクションを起こそうとしている方向を“マクロ”的に捉える必要があります。
仮に、相手選手を抜くために、ゴールから外れる方向を向いた時であったとしても、そのプレーがゴール方向に向かうためという大局的な判断ができる場合は「ゴールへプレーしている」と判断できます。
②反則地点とゴールへの距離
必ずしもボックス内(PA内)である必要はありません。
具体的に○m~○mがDOGSOに該当する。ということはありませんが
概ねアタッキングサード※(ボックス近辺)とされる判例が多いです。
※アタッキングサードとは、ピッチを三分割した際に、自陣ゴールから数えてディフェンシブサード、ミドルサード、ファイナルサード、とそれぞれ呼称します。
③守備側の競技者の人数と位置
こちらもGKが最後の1人である必要がある。といった具体的な人数等は明記されていません。
守備者が複数枚残っている状態でDOGSOに該当したシーンを見たことはありません。
過去にあったら誰か教えてください。
これまた、審判のその瞬間の判断に委ねられている感が強めですね。
位置と人数は密接に関係しています。
通説から読み取れるのは以下のようになっています。
ボールホルダーが守備者と1on1にできる状態
かつ
他の守備者がカバーが間に合わないとき
GKがDOGSO対象になるときは、ほぼ守備側の最後の1人であることが多く、他の守備者のカバーが間に合わないという点から、この要件は満たされがちです。
④ボールをキープまたはコントロールできる可能性がある
これが多分1番難しい要件な気がします。(あくまでも個人的な意見です。)
だって、ボールコントロールが少し長くたって追いつく選手もいるし、コントロールに無理が効く選手がいるじゃん、っていいたくなりますよね。わかります。
一応、通説では“その選手がトラップから次のプレーにスムーズに移行できるか”です。
この要件があるなら、あの憎き憎きCL権が遠のく逆転負けになった20-21アーセナルvsウルブス(ダビ・ルイス退場)の件について忘れることはできません。
絶対にCFウィリアム・ジョゼはトラップが流れてます。PKですが、退場ではありません。なんならこの接触で倒れるならサッカーに向いていないです。
動画を確認してみてくだせえ。
みなさんご存知の通り、これで退場になるので、ある程度トラップが流れてしまった場合も攻撃プレーヤーのコントロール下にあると判断することができます。
長くなりましたが、ここでDOGSO概論は終わりにしましょう。
今回話題のプレーを事例として取り上げたDOGSO各論として扱っていきます。
①プレーの方向(各論)
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確かにCF杉本は外側にGK上福元をかわし、ゴールに直接的に向かっている状態ではありません。
しかしながら、ゴールを決めるためにGK上福元を抜いており、“マクロ”的にはゴールにベクトルが向いていると判断できるのは妥当です。
②反則地点とゴールへの距離(各論)
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ややゴールから離れているものの、アタッキングサードであり、無人であればゴールまでシュートを打てばゴールに届くと判断できる距離である。と判断できますね。
③守備側の競技者の位置と人数
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1番判断に迷ったかもしれません。
GKが最後の1人であることは間違えなく、CF杉本のコントロールでGKを抜くのは確実です。
問題はカバーに入ったDFをカバーできる位置にいると、判断するかどうかです。
“カバーできない”と判断することは間違いではないと考えます。
というのも、GKをかわせば、ゴールは無人の状態です。
抜いた際に少しコントロールが大きくなりシュートを打つまで時間を要した場合であっても、最終DFがシュートコースに入るよりも、先にシュートを打てる可能性が高いからです。
④ボールをキープまたはコントロールできる可能性がある
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映像で見る限り、CF杉本がGK上福元をかわした際のコントロールはそこまで長くなっておらず、許容範囲内であると言えます。
強いて言うなれば、GKを抜いた後ダイレクトでシュートを打つよりも、1コントロール入れてシュートを打つ方が確実性が高まるのは間違いありません。
結論
DOGSOの構成要件①~④を客観的に判断するに満たすと言えるため、
今回のGK上福元退場は妥当であると考えます。
最後に、、、(CF杉本はオフサイド?)
DOGSO4要件に該当するため退場するのは妥当であるという結論でとりあえず落ち着きましたが、1点忘れていませんか?
そもそもCF杉本の抜け出しはオフサイドじゃないか?
こちらが疑惑の画像。
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VARでちゃんと定規引いてオフサイドライン確認した?
コンマ送りにして確認した?
ちゃんと守備者の最後の体の一部から垂直に線引いた?
って聞きたくなりますよね。
“あれなければ、これなし”そこに因果関係はあると思うんやけどなあ。
20-21PL第31節マンユナイテッドvsスパーズの試合で何個プレー遡るん?っていうゴールの取り消しがあったから気になる方は見てみてくだせえ。
🗣 議論を呼ぶ #VAR#ポグバ の絶妙なアシストから #カバーニ がネットを揺らす!
— GOAL Japan (@GoalJP_Official) April 12, 2021
しかし、#マクトミネイ が #ソン・フンミン を振り切る際に、ファウルがあったとしてゴールは取り消しとなった。
🏴 #プレミアリーグ 第31節
🆚 トッテナム×マンチェスター・ユナイテッド
📺 見逃し配信は #DAZN で https://t.co/Wy06b2HKLg pic.twitter.com/x0x9lHbmO7
まあジャッジルームはブラックボックスですからね、
全てのことは憶測でしかないのですが。
今季のJリーグはここまで20試合で10枚のレッドカードが出ています。(2試合に1枚)
これは異常すぎます。
ジャッジの基準を試合ごとに変化させるのではなく、一貫した基準を設定してジャッジしてほしいです。VARの運用も同じことが言えます。審判の判断で得するチーム、損するチームがあっては、何か少し腑に落ちません。「あの試合は退場したのに、このファウルでは退場しないのか。」こう思う人は少なくありません。これまでは、ビデオ判定がなかったが故に不可解な判定には“この曖昧さ”こそがフットボール。となんとか納得していましたが、、、
今では、①VARを入れるかどうか②VARで一貫した判定があるかの二重構造になっていますね。暴論ですが、VARを導入した時点で早くAI審判が出てきて欲しいと思っています。
「ルールだから。」
これで終わらせないで、一貫したジャッジを見せてほしいです。
だってフットボールは時に理性をも超越する感情のスポーツですから。
少しの“曖昧さ”が最高のスパイスです。
曖昧さを消すのであれば、全ての可能性をジャッジして
潔白で、誰がみても論理的に説明できるジャッジをしてくれるまで
ロボットを介入させてみてはいかがでしょうか。(さっきの暴論)
明日は大分vs横浜FCのJ2大一番です。
J2は安心してVARもなく、“曖昧さ”を享受できます。
「みんなJ2においでよ。」
それではこのへんで、、、
ばいころまる~~~