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第17回「【地元大分トリニータ】の試合に行ってみた。vs柏レイソル<J1第27節>」
こんちゃ!どうもいったーです。
今回は、PLではなく、自国のJ1リーグを現地観戦した時のことを書きます。
僕は、現在都内大学生という身分ですが、出身は大分です。小学生時代の3年間を除いて、ずっと大分で過ごしてきました。
自然と大分トリニータの試合に足を運ぶことが日常になっており、上京してからも試合結果を確認したり、関東勢との試合を見に行ったり、昇格が決まったvs山形のゲームに遠征したり、と気に掛ける存在であり続けました。
加えて、大分トリニータ所属の#岩田智輝選手(以下智輝くん)は、1学年上で、少年団や高校でもお世話になり、身近なプロ選手としてもいつもプレーから勇気や元気をもらっています。ということから尊敬の念を込めて智輝くんと書きますw
前置きはそれくらいにして、三協フロンティア柏スタジアムでのゲームを話します!
「キックオフ」
<ホームチーム>柏レイソル
フォーメーション:3-4-2-1
監督:ネルシーニョ
<アウェイチーム>大分トリニータ
フォーメーション:3-4-2-1
監督:片野坂知宏
のらりくらりの大分
前半開始から持ち味である、GKを含めたビルドアップを遂行していきます。
攻撃時と守備時で可変システムを用いて能動的に試合を進めていきました。
GK+CB+LCB+CMFの4人でボールを運びます。その際RCBやLWBがSBのような立ち位置を取ります。大分の丁寧なビルドアップに対して、数的不利な柏の前3枚はなかなかハメきることはできずに、プレス開始1次ラインは相手陣地5mまたはボランチに入ったタイミングと意思統一して対応していました。柏CMFヒシャルジソンと大分CMF前田が常に1on1の状態で監視され、制限を受けました。
<大分のビルドアップ①>ひし形(GK,CB,LCB,CMF)を形成
<大分のビルドアップ②>CMFが降りて3CB化→サイドが高い位置に
柏も、狙ったゾーンや人にボールが入ると猛烈なプレスをかけにきていたために、なかなか大分も縦パスを勇気をもって刺せなかったように思えます。
大分はその際に無策にCMFに当てるのではなく、SB化したRCBやLWBからロングボールをサイドのスペースに躊躇なく蹴りこみ、陣形を動かしました。ラグビーのような考え方の陣地回復という点では、いい判断のように思えました。
特に、柏のサイドの選手が大分のLWBにプレスをかけたタイミングでCF伊佐がその空いたスペースに走り込み、起点となっていた場面が興味深かったです。
41分縦パスターンが狙ったシーンが訪れたように思えます。大分は自陣深くからビルドアップを開始した時点でCMFがフリーであったことを見逃さずに、縦パスを届けました。その際には、周囲から「フリー!ターン!」という声が響いたことからもスムーズにターンし次の攻撃のスイッチとなる距離を変えるパス(一人飛ばしたパス)を前線に届けました。そのままシュートまで持っていきたかったところですが、柏もしっかりと対応したことから作り直しとなってしまいました。
ミラーゲームで応戦した柏
実際に柏側もほぼミラーゲームでフォーメーションを組んできたために、ピッチの各所で1on1が出現しました。CMFヒシャルジソンはリーグ屈指のタックル成功率を誇り、球際に滅法強い選手です。彼を中心にセカンドボールを回収してから、攻撃への移行がスムーズでした。前半40分あたりでは前線は流動的でワンタッチで、中央を経由しながらパス交換するプレーの際には、ゴール近くまで進むことが出来ていました。
ビルドアップ時は、大分もCF伊佐のプレスを合図に両WGがハメに来た際に、GKからは無理につながずに、長いボールを蹴らされているように見えました。実際に、CF呉屋やSTクリスティアーノらは競り合いにも強く、難しいボールでもマイボールにできていました。
57分大分のビルドアップ
それぞれが1,2タッチでボールを動かし、かつ相手とのポジションを見極める、空いたスペースに飛び込む、という繰り返しを4人で行ったことで、はやく局面を動かし、空いたサイドに展開という理想的なボール運びでした。大分らしい展開だったと思います。
大分のターニングポイント60分WB田中達也、LCB三竿雄斗の投入。
大分はLCBに左利きの選手を投入したことによって、対角線の逆サイドへのボールを1発で届けることが出来るようになります。どうしても右利きの選手が蹴る軌道だと、左から右に届けるパスは受け手も受けにくく、出しても蹴りにくい状況になるからです。(下図)
加えて、パスの受け手はサイドでスピードを活かした1on1が得意のWB田中でした。
右サイドはRCB,CMF,RWB,RSTと変則的なひし形または三角形からの絡みが多く見受けられました。一方で、敵陣でボランチから1つのパスで逆サイドへ届けるボールを繰り出すことが出来れば、より攻撃のパターンも多くなったのではないかと思います。この交代からポジションチェンジが流動的になります。
大分<OMF町田とCMF小林の投入>
75分大分が狙った形を作れました。LCB三竿が左利きという特徴を存分に使った、「角度をつけるパス」が有効でした。グラウンダーであればCF伊佐もコントロールしやすかったでしょうが、うまく収めて、次の展開には運べませんでした。
試合を通して、柏レイソルはバイタルエリアのスペースがぽっかりと空き、セカンドボールへの対応が後手に回ってしました。前半もLWB高澤が競った後にLWB星がこぼれ球をボレーシュートというシーンもまさにそうです。
同点ゴールのシーンの要因
①OMF町田也真人が柏5-4のブロックのゾーンの切れ目(LSMクリスティアーノとLCMヒシャルジソンの間)でボールを受けた際に、迂闊に縦パスを当てなかったこと。(次の受けてのCMF小林がフリー)
②CMF小林がワンタッチで縦パスを当て、小林がその後PAに飛び込んだこと。高澤の智輝くんへのパスもワンタッチだったこと。
③智輝くんが何度もあの位置からクロスを見せていたこと。
あの「角度が付いた」ポジションでは3本以上、智輝くんはクロスを選択していました。智輝くんの目線の方向、大分の選手がPA内に多くランニングしたことで、柏DFライン、GKキム・スンギュもクロスと予想したはずです。
そこで相手の裏をかいた智輝くんはライナー性のシュートを選択しました。コースも完璧でGKは予想外のプレーで動けませんでした。
何よりも、チームとして角度をついた場所でCBが起点となる状況を作り出すこと。その際にクロスやシュートというプレーの選択肢を持たせることを一貫して継続してきたからこそ生まれたプレーであると思います。
「結果」
柏レイソルvs大分トリニータ(1-1)
得点者:’47呉屋大翔(柏)、’84岩田智輝(大分)
〇CF呉屋大翔のプレー
CFオルンガに変わってスタートから起用されたCF呉屋はヘディングで先制点を挙げる働きや、身体を張ってタメをうまくつくっており、厄介でした。しかしながら、残念だったのは、少しの接触でピッチに寝転がるプレーが多かったように思えます。西村主審は経験豊富であまり笛を吹かない傾向にあり、「立ちましょう」と流していました。また、誰とは言いませんが、自分が汚いファールをしてカードを提示される際は無視をしてポジションに戻る一方で、相手のグレーなタックルやハンドに対し、何度も大声で異議を唱える選手もいました。主審に向けて表情や言葉で何度もアピールすることは、少年少女のお手本となるはずのJリーガー像とは異なるのでは?と不快に思いました。
久しぶりに大分トリニータの試合を現地観戦して、なおかつ小さい頃からお世話になっていた憧れの先輩が劇的な同点ゴールを決める試合見ることができ、めちゃめちゃテンションが上がりました。(周囲にいらっしゃった柏サポの方々すみません。チケット争奪戦で負けて大分側で観戦できませんでしたw)
サッカー的な話をすると、大分は特徴が出ていた試合だったと思います。
シュートに至るまでのパスの本数の多さ、トランジション回数の少なさ。狙い通りの展開だったはずです。ローテンポの試合に持ち込み、あらかじめデザインされたプレーで攻略する。昨年話題になった「疑似カウンター」が研究され、封じ込まれた状況で、次のステップに進むことが出来ているのではないでしょうか。
地元クラブという愛着もありますが、加えて片野坂監督が標榜するサッカーはJリーグや世界でも珍しいやり方で、シンプルに興味深いです。
来週16日も湘南vs大分(@平塚BMWスタジアム)であるので、都内から遠距離ですが、今季現地観戦ラストマッチを見届けたいと思います。
アーセナルのマッチレビューをメインに進めていきますが、今後は、ピックアップマッチでは大分トリニータの試合も取り上げていこうと考えています。
これをきっかけに大分サポが増えることを願っています。よろしくお願いします。
それではこのへんで、、、
ばいころまる~