のんすもーく

考えていることを文字に残すことは自分が生きた証になる。ぼくは残したい。

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最近の記事

父さんと母さん

今から15年前の話。僕は30歳、父さんと母さんは60歳とまだまだ元気で父さんの定年により少し時間ができたので僕の住んでいる県まで遊びにきてくれた。ちなみに、僕が住んでいる県は親元からかなりの遠方だ。 ぼくは九州で、両親は北の雪深い小さな町。会えるのは年に1度あれば良いほうで、電話で話す機会も月に1~2度程度。こうした遠距離は親元を離れた18歳から計算すると四半世紀も続いている。 父さんと母さんは九州まで車できてくれたのだ。走行距離は考えるのも嫌になるほどのキロ数だが父さんは運

    • ひとつの会社勤め

      昨今は昔ながらの終身雇用より転職による自己成長が善とされる風潮だが、40代以降の転職の厳しさだけは以前と変わらず理想と現実には高い壁がある。 所謂おじさんたちの転職受け入れが活発になれば労使双方が本当の意味で実力社会を築けることとなるであろう。それは欧米型に倣いグローバルな雇用形態に追いつくことなり、いずれ日本で働く外国人にも受け入れやすい環境になるだろう。 一方で、まだまだ日本ではひとつの会社に最後まで勤め上げる人は多くいる。それが不幸なことかと言えばそんなことはないはず

      • 父さんと母さん あとがき

        両親が年々老いていく姿を見ると、どんな形であれ喜んでほしい、と思う。しかしながら現実は厳しさを増してくる。このしゃぶしゃぶ事件?から10年以上経った今も変わらず安心させられていない。それどころか社会情勢の変化と加齢による衰えと甘さから希望が年々薄れていく。もう両親は諦めているだろう。 少し前にTVでオレオレ詐欺撲滅のCMが流れていたのだが、その内容がとても心に響いた。いや響くというよりは心が痛かった。その内容はこうだ。 田舎の母親がオレオレ詐欺にかかり損をしたことを遠距離に住

        • 親と子 その2

          前回の話では、もし若い頃でなく40代の今ならきっといい父親になるはずだ!と言っていたが、果たしてそうなのか?と疑問が出てきた。 だって同じ自分ではないか! そんなに都合よく性格を変えられるものでもないし、おそらく逃げの思考に陥っているのだと思う。きっと今から子育てしたとしても最初はいいかもしれないが時間とともに同じ繰り返しになるだろう。まあ、多少は経験から違うかもだが。 それにしても若い頃の未熟な父親はそれはそれで魅力もある。時の運命は変えられない。過去に悔いる暇があれ

          父さんと母さん 4話

          恥ずかしかった。焦っていた。でも、弱いところを見せたくない、という悪魔が勝った。僕は母さんに当然のごとく、お会計よろしくという合図を送った。母さんも予想外だったのだろう、ここカード使えますか?と女将に聞いて、使えると分かるとクレジットカードで精算を済ませた。父さんは後ろの方で黙ってそれを見ていた。一応ご馳走様とお礼は言ったものの少し申し訳なさそうになっていた表情が母さんには見透かされていたのか、逆に「こんな美味しいところ考えて連れてきてくれてありがとうね」とお礼を言われた。

          父さんと母さん 4話

          父さんと母さん 3話

          メインのしゃぶしゃぶがくる前に前菜、飲み物で歓談した。やはり自宅とはちがうお店の雰囲気も相成り3人とも興奮気味に会話も進んだ。とてもいい時間だった。女将がしゃぶしゃぶをもってきて料理の説明もしてくれると、父さんも母さんも「へぇ〜」と感心しながら田舎っぷりを都会でもない場所で発揮させていた。 普段のポン酢で食べるしゃぶしゃぶとは違い、やさしい出汁でいただくことや黄金色の汁に母さんは感嘆していた。その姿を見ていた僕はどこか誇らしげに「だろ?」とニヤニヤしていたのを今更ながらアホだ

          父さんと母さん 3話

          父さんと母さん 2話

          お店の近くまで来ると、なぜだか急に小便をしたくなり両親を外で待たせてコンビニのトイレを借りに行った。トイレのドアを開けようとしたとき同年代位の女性が出てきて入れ替わる形になった。そのときその女性はぼくを見て笑顔で誘っているようにも見えた。美人でいい匂いのする水商売されている方とすぐ分かった。お酒が入っているのか妙に妖艶でこのまま声をかければ成功する雰囲気だったが、この日は両親と一緒だ。ぼくはすぐに諦めたがもったいない気がしたのと同時に神様を恨んだ。どうして別の日にこうしたチャ

          父さんと母さん 2話

          父さんと母さん

          ぼくの父さんと母さんも70歳になり、いよいよ高齢という年代に入ってきた。おかげさまで元気に過ごしてくれているが住んでいる県はかなりの遠方だ。 ぼくは九州の最南端。親は北の雪深い小さな町。会えるのは年に1度あれば良いほうで、電話で話す機会も月に1~2度程度。こうした遠距離は親元を離れた18歳から計算すると四半世紀も続いている。 これまでは元気でいてくれているが、時に写真で見る父さんと母さんの姿は高齢化している。こんなに白髪あったかな?このまま遠距離でいいのかな…と。 今から1

          父さんと母さん

          親と子

          自分が親になると子を思う気持ちが分かるというけれど正直なところ若くして親になると本当の意味では理解できていないのかもしれない。 20代前半で親になったときは自分優先で相手の事を考える能力がたりていなかった。今、40代も半ばになってみると分かる。 もし、今子どもがいたら自分のことは後回しにして家族を優先したい、気持ちになる。いや、なっている。でも、それをするには離婚してから再婚して子を作らなければならない。それは不可能だし現実的でない。あきらめよう。 あー今ならめちゃいい