読書日記237【人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした】
大木亜希子さんの作品。やたらと長いタイトルとちょっとやらしさが目につくタイトルで面白そうなのに読まなかった本の一つだった(すいません……)
援助交際?ともとれるタイトルを自分自身でつけたwebライター的な人目を引き付ける部分と小説家のようなうまい文章が書ける著者の精いっぱいのタイトルだったんだと読み終わった後に妙に納得をしてしまった。
元アイドルという肩書きにしてはすごく文章がうまい。それは色々な著名人が認めていてBISHのセントチヒロチッチとか色々なアーティストがべた褒めをしているし、この本を刊行したあとに講談社からの依頼で『シナプス』という本を刊行されていることでもわかる。
普通に面白いのと、ある意味ノンフィクション作品でもあってリアル感もある。人生について書かれた指南書的なところもある。一気読みは久しぶりだったのも相まって、読み終わった後に高揚感があった。
ストーリー
アイドルであった著者がアイドルを引退して会社勤めをしている時から話は始まる。(SDN48というアイドルグループの2期生としてアイドルを経験し、その前は子役としてテレビにも出演をしていたらしい。2012年3月31日をもってメンバー全員が卒業し解散となってそこから、博報堂系列のコラムサイト「しらべぇ」編集部に営業・編集として勤務とwikiに記載されている。)
そこに勤務して3年が経った頃に勤務で外に出ている時に東西線を乗り換え茅場町駅に向かう途中で足が前にうごかなくなるという経験をする。そこで心療内科を教えてもらい検診をうける。
パニック障害の一種ではないかとの診断され、その症状が続いてしまい結局、会社勤めをやめなければいけないという現実が著者を襲う。そして生活に困窮する著者を助けるために姉が知人である笹本(通称ササポン)という56歳のおじさんとのルームシェアを勧める。
最初は嫌がる著者だが、貯金を使い果たした彼女に選択の余地はなく、都内にある一軒家の一室をシェアしてもらい住み始める。そこから著者の「無理のない自分探し」が始まっていく……
映画化
11月3日(金)に主演・深川麻衣さん、共演・井浦新さんで全国公開されたみたいです。ちょっと観てみたい気がします。
漫画化
『つんドル』というタイトルで漫画化もされている。(全3巻)
映画化記念で1巻が無料で読めるので読んだのですが、とても面白かったです。なんか絵が原作としっかり合っている感じがしました。
感想……
小説として読むのか?ノンフィクションとして読むのか?というので感想が少し変わってくる。自分探しの旅なのか?それとも出会いの旅なのか?それを捉えさせない文章の上手さが際立つ作品です。漫画も最後まで読んでみようと思います。