読書日記38
流(りゅう)
東山彰良の作品で青春ミステリー小説というか、ちょっこっと霊感みたいなものが入っているというか…不思議な小説なんだけど、読むとすごく面白い。台北に生まれて日本で育った作者なのでか、台湾で主人公の祖父が何者かに殺害されるところからは話が始まる。ミステリー要素満載なんだけど、主人公がどう育ってそして結婚をしてみたいな人生ストーリーが主に書いてある。ちょっと霊感が強い不思議感もなんか意味深で話の前半でどんどん話に引き込まれていく。ただ主人公がみんな台湾名なのでちょっと内容に入るまでが大変かもしれない。
直木賞受賞作で又吉の「火花」と一緒に取ったと記憶している。最初の事件(祖父の)からは青春譚というかその時に主人公が17歳になっていて台湾での生活が書かれている。私小説という意味合いもあるけど、台湾の歴史や文化も織り交ぜているために研鑽できる内容となっている。
そこからは過去の話にフィードバックしていく。幼少期を台湾でどう生活をしそしてどういう文化をもってどう考えるかを書いてある。その内容が見えるように書いてあるので小説の長さをあまり感じない。日中戦争や国共内戦の話までさかのぼっていく。日本が終戦をむかえた時に統治下にあった台湾はどうなったのか?そういった歴史認識までしっかりと書かれている。
台湾の反社会組織とのトラブルや初恋などが書かれてそこから受験を失敗する。そして陸軍士官学校に入学し軍隊の訓練をしそこからまた失恋してとすごく人間臭い内容になっている。村上龍の「69」のような反骨精神と女性にただモテたいという不純さが両雄するというか、なんかわかる感じがすごくする。
除隊後に貿易の仕事をして語学能力の高さを知り、日本語を覚えてしまう。時代は日本のバブル時代で日本も華やかな時代でもあり主人公も遅れた青春を(恋)満喫するところもある。そこまでいってから冒頭でも事件の真相があらわれ怒涛のクライマックスへと話が向かっていく。手塚治虫の「アルドフに告ぐ」という漫画も壮絶なクライマックスだったけど、この作品もすごくてしかもちょっと忘れるくらい最初だったので(ちゃんと臭わせてはいるけど)記憶がよみがえるときには「どうだったけ?」と最初を読んでしまった。
文の書き方もすごいし日本人的な表現もしかっり書かれていて、すごいなというのが先にきてしまう。他の作品も読もうとは思っているんだけどという感じでここまできてしまった。
実は僕は台湾の女性に恋をしたことがあった。その人が日本語がべらべらで尚且つ頭のいい人であったために憧れだけで終わるという哀しい結末をむかえるのだけどw。そして台湾は1回だけ行ったことある。南国だし西洋人が意外に多いし日本人もいっぱいいた。語学が英語と中国語を習うらしく、すごく英語がうまいし(普通に喋れる人多い)日本語を喋る人もネイティブみたいに喋る人が多くてびっくりした。ただ他の場所に行ったことがないので、他の国がどうなのかは比べられない。
日本も昔に比べると英語を喋れる人が増えた。昔のバブルの時代は物価の高さが世界一といわれるくらいで外国からの旅行客があまりいなかった。ビジネスとかは普通だったかもだけど、僕が中学生の時に転校して田舎に住んでいた時に一般人のアメリカ男性が陶芸を学ぶために個人的に町に住むことになった時に地元テレビでニュースになり、なぜか中学校で講演らしきことをすることになった。しかしそのアメリカ人が英語しか喋れないので「こんにちは」と「よろしくおねがいします」だけの日本語以外は英語で講演をはじめて(あたりまえか)内容がちんぷんかんぷんという不思議な講演会を経験したことがある。
その時に英語の先生の一人は欠席で一人は逃げていた。まあ喋れなかっただろうし、ネイティブが喋る英語を理解もできなかったとは思う。教頭がめずらしいというので企画したらしいけど、その若いアメリカ男性もいきなり中学校の体育館で喋らされるとは思っていなかっただろうと思う。それくらいの語学力で世界を知ろうと思っても流石に無理なのはその時の僕にもすごくよくわかった。
ノーベル文学賞をとったカズオ・イシグロのように5歳とかからでも、すごく海外での語学学習は大変だったのだろうか?普通に英語で文学を書くわけだからそれは当たり前なのか?とか色々考える。翻訳をしたり英語を喋れるバイリンガルのような人はアイデンティティをどこら辺に置くのかみたいなことを考える。考えたからなんだとも思うけど…
今日はテト(猫)をお風呂に入れてノミの薬をつけた。お風呂には慣れてしまって普通に入ってくれる。タオルとドライヤーで乾かして窓をあけて風をいれたら気持ち良かったのかそのまま寝てしまった。この頃寝るとなぜさせてくれるのでテトをなぜながら僕も風を浴びていた。その時になぜかテトがオナラをした。猫のオナラってあまり聞いたことなかったのでお腹がなったかと思ったらすごく臭いにおいが充満した( ;∀;)読書感想じゃない話が多いなと思い始めた。