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読書日記69

「星の王子さま」

 サン=テグジュペリの作品で長く愛されている作品で第二次世界大戦中の作品でもある。新訳といわれた作品を読んだ。主人公である僕が子供の頃に画家になりたかったのだけれど、大人たちに言われて飛行士になる。飛行機の事故でサハラ砂漠に不時着し、故障の機体をなおしているところに「星の王子さま」がでてくる。

 生きるか死ぬかの瀬戸際にいる中で明け方に「星の王子さま」があらわれたので主人公はビックリする。サンドイッチマンのコントかな?と思えるなかで主人公に星の王子さまは「ヒツジ描いてくれない?」と頼む。本当にコントみたいになってゆく。

 作品の入り口がほんとにコントのような入りなのに、何故か読んでいくと前のめりになっていく。大人と子供、常識と非常識、真面目と不真面目のように話では成功者とそうでないものとの話が続いていく。現代を象徴するような話が続いていく。人の社会に対する悩みはかわらないのだなと思う。

 絵のヒツジに与える餌がバオバブの木だったり(あの変な木です)花を食べるかで主人公のイライラで文句を言われてしまったり(当たり前だと思うけどw)そこらへんの駆け引きがすごく面白い。

 星の王子さまは小惑星のB612に住んでいる。小さな小さな星らしい。不思議な力で色々な星への旅をしている。その中で王様といわれる人と話をする。星を全部、服従させるというドラゴンボールの界王みたいな人で星の王子さまは戸惑う。王様は「権威とは出来ぬことを行使するものではない理性的に行使されなければならない」と言う。権威をもった人も大変だなと思う。すったもんだがあり星の王子さまはこの星を後にする。

 次はうぬぼれやが住む星その次は酔っ払いと次々に新しい星へいく星の王子さま。その後もビジネスマンや小さな星や大きな星などを回っていく人間のエゴや仕事に対する忙しさや怠け者の言い訳を星の王子様は聞いていく。その黄昏感がたまらない。星の王子さまは漂う偶像となっていく。

 7番目の星が地球となる。地球には色々な人がいる。そして人がいない場所もある。草木が生えたり動物しかいない場所もある。砂漠もそうでそこで星の王子さまは1年間とう長いあいだ地球で旅をしている。そこで主人公に会う。そして星の王子さまは地球を去っていく。

 主人公の僕はサハラ砂漠から自分の世界に帰れる。人々はその生還者に喜ぶが主人公は星の王子さまとあったことは人には喋らなかった。喋っても理解できないだろうと思ったからなんだけど、星の王子さまはまた地球を旅するかもしれないと語っている。

 なんてことはない物語なのに何故か心に響く。リチャード・バックの「イリュージョン」とかも凄く似ている感じがする。翻訳は村上龍ですごくサバサバとハードボイルドに書かれているので凄くおもしろい。

 絶版になってるのか中古本しかないけど、村上龍の文章がとてもあっている感じがする。西部劇で出てきそうな風景を飛行機で旅する2人の旅人の話はすごく面白い。リチャード・バックは「カモメのジョナサン」で有名な作家なんだけどサン=テグジュペリのように飛行士なのも面白い。

 英語版「The Little Prince」で週末に読んで見ようと思います。

 

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