ためらひ傷【短歌】
ほんの数日前まで、庭の南天はいっぱいの小花をつけていました。
空へと上るように咲く白い花はこぼれやすく、蜜を求めてやってきた熊蜂が触れるだけでぽろぽろと落ちてしまいます。
今日は朝から細かな雨。すっかりすべての花をこぼしてしまった南天を眺めていると、久々に口をついて歌が生まれました。
「南天の花こぼれ切り細かなるためらひ傷のやうな朝雨」
ここしばらく気持ちに余裕がなく、俳句も短歌もお休みしていたのですが、自然に生まれた日本語のリズムがとても心地よく、改めて自分が短詩形に惹かれていることに気付きました。
作るのではなく、生まれてくる言葉。
立ち止まって休んでいたからこそ、その言葉の大切さを見つけられた気がします。
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