短歌

【短歌】和歌の一形式で五・七・五・七・七の五句体の歌体のこと

時々Twitterで、#tanka と検索してふぉろわーや知らない人達が作った短歌を眺める時間を作るようにしている。人の感性に触れられるのがなによりも面白く、魅力的だ。三十一文字という制約がある分、余計なものを極限まで削ぎ落とし厳選された言葉の羅列は美しく輝くのだ。
わたしもたまにだけれど、短歌を作っている。気が向いた時、表現したいものと出会った時、何かを感じた時。
今回はこれまで作った短歌を載せていこうと思う。Twitterでツイートしたものもあれば誰かの上の句を元に作ったもの、国語の授業にこっそりノートの隅に書いたものまでさまざまだ。注釈等は記載しないので、色々想像して楽しんでもらえると嬉しい。(☆はわたしが特に気に入っている句)


2021年
『複雑に 色を重ねた 空見上げ 鼻腔を掠める 夏の残り香』☆

『おまじない かつての幼女が となえるも 意味を成さない 単語の羅列』☆

『黒光りするコーヒーに白注ぎ 今日は1人と思い出す朝』

『青い花 知らず知らずに 踏み潰し 花びら流すも 元には戻らぬ』

『右頬に 触れる冷涼 見えぬ詩(うた) そして貴方を 風と名づける』☆

『艶やかに 黒光りする 床を見て 帰ってきたと 息を吐く』

『冷ややかな 陶器となった あの人を 記憶から消す 非情さに泣く』☆

『名前のない プレイリストを 再生し イヤホン耳に わたしの空へ』

『どうせなら 一度くらいは 見たかった ネオンで彩られた、夜景ってやつを』

『柔らかな 宇宙を泳ぐ 君と僕 溶けた身体は 満ち足りていて』

『鈍い赤 銀の光は 消え去って 塗れたこの手 もう帰れない』

『身体中 温度がどんどん入ってく そのまま目を閉じ 気がつくと』

『誰彼時(たそがれじ) はねず色した 青空を ああ矛盾だね 二人で笑う』☆

『みずいろを 可愛いねって 笑うから 嫌いだなんて 言えなくなった』☆

『宝石が こぼれ落ちてる そう言って 唇濡らし 赤が這う』

『細い指 ダイヤのリング 煌めいて 光沢なんて 消えてしまえよ』

『粉々に なってしまった ラムネ瓶 ガラス玉が言う 「こんなはずじゃ」と』☆

『曇り空 吹き付ける風 完璧だ これでわたしも 魔法使いに』

『青い星 ピンクのハート かつてのわたしは どこだろう』

『ヒーローは 自分の正義を 貫いた なのにどうして?罵りの雨』

『いつまでも 君を待つよと 言ったのに 灰が虚しく 風に流れて』

『はじめから 夢に溺れていただけで 幸せな過去 あれもニセモノ?笑』

『風船で ふわふわ飛んであの空に 濁った私を溶かしてほしい』

『泣かないでいたくて 必死に 狂ってた だけどごめんね 疲れちゃったの』☆

『「嘘だけど」って言って笑えば良かったな なぜか呼吸がうまくできない』

『二回目の恋路後悔すれ違い 逃しちゃったよ 泣くタイミング』

『クリスマス 冬を手に乗せ こう言うの 「マシュマロ入りのココアはいかが?」』

『来年も傍にいてねと大みそか 明日は来ないと伝えられずに』

2022年
『あけましておめでとうツイそこそこに 今年も変わらず愛を叫ぶよ』

『破壊的 ズルすぎるその その笑顔 胸の鼓動が加速していく』

『どこでもドアなんていらない夜だった 見えないものが繋がりを呼ぶから』

『わたしより綺麗な言葉使うから 浄化できない濁りに笑われ』

『第一話、二話、三話って区切りたい。ドラマにできたら良かったのにね。』

『艶やかなピンクで人を魅了した 死を予感する可憐なバラよ』☆

『お客さま、こちらをどうぞ。え?傘です。風邪なんかひいてほしくないから。』☆

『そしてまた 魔法使いになれぬまま 時間と若さを浪費していく』☆

『クッキーを半分こする感覚で 愛を共有できたらいい』

『まんまるのビー玉から沸く憎しみを 名のない星に変えてやりたい』☆

『ひとりきり卒業証書を胸に抱く 無邪気に降るは三月の雪』

『グロすぎて夏の欠片を吐きながら 君の一部を焼却場へ』

『綿密な計画を経てできあがる 完璧な君、粉々にしたい。』☆

『街を救う魔法少女の悲しみは 一体誰が浄化するんだ』☆

『排水溝 流れていった レモネード 炭酸だけが 静かに弾ける』

『大嫌い 優しさなんてもう捨てる ごめんねはもう言わないからね』

『「好きでした」一秒前から過去だから。最後のまたね もう書けなくて』

『0840と送りかけるが思い出す 今はスマホの時代だったと』☆

『父親が忘れていったMDを コインロッカーに置き去りに』

『バス停でカバンにつけたぬいぐるみ 安堵感と生を巡らせ』

『向日葵を管理倉庫で監禁中 太陽の下の貴方が憎くて』

『ほんとうは 低画質のまま過ぎてった 夢の記憶が蝕む「私」』☆

『こころには 熟れたいちごを転がして あたしの笑顔をさらに可愛く』


『四月にはきっと忘れてしまうから 震える指で証を残す』

『約束のいつもの一言もういいよ。何年待っても来ないんだから。』

『さよならは肺を圧迫し続けて 酸素が徐々に停滞していく』☆

『『今までを初期化しますか?はい/いいえ』簡単ですよ やってみますか?』

『奇跡的 今日もバレずに終えました ニンゲンのフリも楽じゃないの』

『もう一度 なんて無理だよ さようなら。完結したら「次回」はないから。』

『やめられないテスト前夜のTwitter 後悔片手にカフェイン摂取』

『残り香が漂う未明の25時 ソファーの隣はずっとからっぽ』

『星のない未だ明けない夜だって 青に触れれば希望になるの』☆

『知ってるかい?ニンゲンだって元々は羽根も輪っかも愛も持ってた』

『信じてた 君とわたしは運命だって こじれた糸はもう戻らない』

『「ねれないよー」「あそんじゃおうよ」「ボクはねたい!」時間が止まってしまえばいいのに。』

『前向きで何があっても諦めないそんな貴女になりたかった。』

『また明日 たった五文字の言葉でも暖を取るには十分だから。』☆

『生きてれば半分こできたはずだった 食べたかったなあのソーダ味』

『忘れない あの日の涙と言葉たち パワーアップして帰ってきてね。』

『真っ直ぐで透き通った瞳をした君に 撃ち抜かれてもう半年経つよ』

『「愛してる」「一緒にいような」「世界一!」ぬるい気持ちなら捨ててくれ。』

『さっきまで左の耳で揺れていたピアスはもうない 君もいない』

『『ハナミズキ』歌っていたら君の手がぎゅっと絡んだ 6月のこと。』

『次の空 どんな青かな 考える 鮮やかに染まれ、わたしの未来。』

『ただ声をあげられなかった僕達を 哀れまないで 嘆かないで』

『透明な磨りガラス越しの青空は 息苦しさを助長するだけ』

『あなたにはずっと笑っていてほしい。せめて届いて祈りだけでも』

『あなただけ それ以外はもうどうでもいい針山だって裸足で歩ける』

『水色の音と景色の中だけで生きてたかった 12の夏よ。』

『「しゃーないなぁ」いたずらに笑う君はいま 違う誰かと愛を誓う』☆

『次々と溢れる虚しさ卑屈さを 下書きの中に押し込んでいく』

『夢でだけ微笑みくれる君だけど冷たい顔しか思い出せない』

『山盛りのサラダ見る度思い出す 記念日だったね7月6日』

『本当は願いだらけの笹だった 諦めが揺れる七月の風』

『「うみっていいなあ」たいようがいいました。なみがゆらりとほほえみました。』☆

『浮かんでは霧散していく世迷言 吐き出したいのに何も書けない』

『「違う違う こんなはずじゃ」と嘆く僕。注がれるのは嘲りの視線 』

『散歩って言い訳をして買うアイス あたしはイチゴ、あなたはバニラ』

『真夜中のサービスエリアの観覧車 今日だけは好きかも、高いとこ』

『じゃあ次は悪魔になってニンゲンをあちらこちらへ惑わそうかな』

『真夜中の「会いたい」だけが生きる糧幸せになんかなれっこないや』

『始まりは背の順で座るパイプ椅子 誰より近くて誰より遠い』

『一度だけ飛び出しかけた「ねえなんで?」息の仕方を思い出せない』

『冬までにこの部屋綺麗にしなくっちゃ君の痕跡全部消すため』

『変わらないままのあなたでいてほしいそう願うことも呪いでしょうか』

『「変わらないあなたが好き」と言う君と、今日の日もまた会える幸せ。』

『「あなたならこうするだろうな」だったのが気づけば「こうするはずなのに」へと』☆

『もしいつか あの日のように会えたなら 今度は同じ傘に入りたい』

『蒼く硬い宝石砕いた先にある、何も持たない透明な空。』

『十代は プラスティックでできた星 けれど決して偽物じゃない。』

『また会える時が来るなら一つだけ。幸せだったよ、ありがとう。』

『恋人を、隔てる紫煙は消えぬまま 霞んだ君の面影探す。』☆


2023年
・heavenって「天国」って意味だっけ 僕には地獄に聞こえたけれど☆

・「誰でもいい。誰か愛して」叫ぶ君 ほんとは『誰か』じゃイヤなくせに。

・「満たされた君には到底わからない」ほんとにそうならよかったのにね。


2024年
・モモ買って、ふたりで食べよう
夏至の夜 あたしのハートも半分キミへ


〔おまけ〕
残り14文字が思い浮かばず川柳・俳句となった者達です。よければ続きを考えてみてください。

『薄明かり 子猫を抱いて 雨となる』

『早朝に 肌に染み込む 秋風よ』

『コーヒーに 雪色一滴 君の味』

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