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第111回 所沢古本まつり 特集「旅・紀行」に行ってみた(田山花袋の古書などを購入)

古書と旅が好きな私、たまたまX(旧Twitter)で『所沢古本まつり』を知りました。
9月7日(土)の15時以降から予定が空いていた為、足を運んでみることに。

会場は埼玉県。所沢駅の東口を出るとすぐ目の前にある「くすのきホール」。
建物の外には数台のワゴンが並び、格安の本が売られていました。
建物の中に入ると、一階にも同様にワゴンが。
特設会場は八階とのことだったので、エレベーターで八階に向かいました。

八階に到着して驚いたのは、会場の広さ。
公式サイトの「屋内で開催される古本市としては最大級を誇る品揃え」という文章は伊達じゃない!
電車が大幅に遅延した為、私が会場に到着したのは17時30分。クローズは20時。
2時間半しか見られないことに若干の悲しみを覚えつつ、会場に足を踏み入れました。

入口すぐ傍の特設コーナーを見てみると、田山花袋の古書が十冊以上置かれているのを発見。
私は最近、隙間時間に田山花袋の『東京の三十年』を読んでいるのです。
この本がかなり面白く、田山花袋の他の作品、特に紀行文を読んでみたいという気持ちが高まっていました。
これは買うしかないと思い、ボロボロではない『温泉めぐり』『湖のほとり』を買い物カゴの中へ。
ちなみに、家に帰って袋を開けて奥付を見てみたところ、二冊とも大正時代の本でした。
大正時代の本が1000円程度で買える……これが古本まつりの良さですね。

その後、一般台で目に入ったのが『武田太郎写真集 折口信夫紀行』。
「そういえば1年くらい前に折口信夫の小説読んだな」と懐かしさを感じながら何気なく手に取りました。
奥付を見てみると、どうやら50年前に発行された本のよう。
そして『限定百冊のうち第百冊』の文字が。
『限定百冊のうち第百冊』!?
生きていて『限定百冊のうち第百冊』というキリが良すぎるめでたい数字を見ることが今後あるだろうか!?
いや、ないに違いない!
これは運命だ!
私は写真集を買い物カゴに入れました。
買う予定がなかった本との偶然の出会いがある……これぞ古本まつりの醍醐味ですね。

文庫コーナーは会場を囲むように壁際に設置されていました。
都内の大型ブックオフの文庫コーナーと同じくらいか、それ以上の冊数があるように感じられました。
本当はもっとじっくり見たかったのですが、閉場の時間が迫ってきたこともあり、岩波文庫だけを目で拾うことに。
すると、気になっていた本たち、里見弴「桐畑」、正岡子規「松蘿玉液」、菊池寛「無名作家の日記 他九編」が置かれていることに気がつきました。
天(本の上の部分)に若干の日焼けが見られるものの、かなりの美品です。
こちらも買い物カゴの中へ。

会計は店ごとではなく、全てまとめて出入り口付近のレジで行われていました。
レジは複数台ある為、長時間待つことはなさそうです。

初めて行った『所沢古本まつり』、個人的にここがいいなと思ったポイントを最後に書き残しておきます。

●完全屋内なので暑さや天候の影響がない。
●棚と棚の間の通路の幅がかなり広い為、後ろを通る他の客を気にせずじっくり棚を眺めることができる。
●本の冊数がとにかく多い。
●クレジットカード使用可能。
●5000円以上購入の場合は送料500円で配送可能。

満遍なく全ての棚を見たい方は、半日スケジュールを空けておくことをおススメします。
とても満足度が高い古本まつりでした。

【筆者に関する告知】

詩真presents怪談イベントvol.4「本怪」を開催します。

■イベント概要
第一部では、出演者が一人ずつ「本に関する不思議な実話怪談」を語っていく。
「怖い話」ではなく「不思議な話」にスポットを当てるので、怖い話が苦手な方にも楽しんでいただきたい。
休憩を挟み、第ニ部はトークコーナー。
主催の詩真が司会となり、怪談作家の3名に「怪談を書くこと」に関する質問をしていく。
何を意識し、どう書き上げていくのか……執筆活動の裏側に迫る。
また「本」にちなみ、古書好きの詩真が所有する古書の中から8冊を選び会場内に展示する。
展示予定の古書は、俳誌『ホトヽギス』(明治35年)、里見弴『安城家の兄弟』(昭和6年)など。

■出演者:詩真/雨森れに/卯ちり/松本エムザ(詩真以外はプロの怪談作家です)

■開催日:2024年10月5日(土)
■開場:12時/開演:12時30分/終演予定:14時30分
■チケット代:2300円(当日現金払い)

■会場:Gallery&Space White Room
■住所:東京都新宿区西早稲田2丁目12-15 西早稲田ビル B3F

■予約:こちらのフォームから→https://x.gd/4X8yh
または詩真のXのDMにお名前と人数を記載の上、送信

以上です。興味がございましたらぜひ!

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