マッサージチェアを捨てる。
一昨日、マッサージチェアを捨てた。一昨年亡くなった母が使っていたものだ。母が使っていたものと書いたが実際使っているところを見たことはなかった。
たぶん買った当時しばらくほんの数回座ったぐらいじゃないかな。本当のところはわからない。でも母があれに座っているところを見たことは一度もなかった。
買ったのはいつ頃か。たぶん30年以上前だろうか。記憶にない。推測だ。とてもいまどきのものではない。でかい。それに重い。母の部屋から廊下に運び出すだけでひと苦労した。妻と二人がかりで引きずるようにして運び出した。
長い間廊下の隅に置いたままだったが一昨日思い立って捨てた。背もたれを取り外したら乗用車に積み込める程度の大きさになった。さっそく市営のごみ処理場へ粗大ゴミとして持ち込んだ。
廊下の隅とはいえそこに置いてあった大きなマッサージチェアがなくなってすっきりした。廊下の磨りガラスの引き戸にうっすら映っていた影もなくなり明るくなった。
でも本当は僕が見たことがなかっただけでひとり朝に昼に夜によくあれに座っていたのかも知れない。
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まるネコ堂 文章筋トレに参加して、60分で書いた。たくさんは書けなかったけどいっぱいは書けた。書いた後で他の参加者からこの文章を読んだ感想を聞かせてもらった。感想を聞いているうちにそうおもった。たくさんは書けなかったけどいっぱいは書けた。 585文字
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