ラッキープール。
今年もそろそろお盆が来る。
海にクラゲが湧き出す季節でもある。
最後に海に遊びに行ったのはもう十年以上前で水着も持っていない。
子どもの頃は夏休みになれば週に二度は泳ぎに行っていたものだが大人になると潮で濡れた体がベタベタするとかポッコリ出たお腹がみっともないとかいろいろな理由をつけて海から遠ざかるようになった。
海もそうだがプールもずいぶんご無沙汰である。
若い頃は水に触れる事が好きだったのでプールの監視員のアルバイトをしたこともある。
仕事内容はオープン一時間前に出勤してプールの掃除やロッカーの忘れ物を管理したりする。
朝一番のプールは落ち葉や虫がプカプカと浮いており案外汚れているものだなと思った。
次はプールに塩素をたっぷり撒く。
今はどうか知らないが二十年前はそうしていた。
仕上げにプールサイドに打ち水をして涼気を呼んだらオープンである。
私が勤めていたプールには滑り台付きの子ども用と競技用のものと流れるプールがあった。
その三か所をアルバイトで分散して監視するのである。
気温は朝から三十度を軽く超えて監視台は熱で炙られてお尻をつけると火傷しそうになった。
アルバイトは私のような若い人とシルバー人材センターから派遣されてきたベテランの人がいた。
私は年配の人と話すのが好きなので折り合いよくやっていた。
若いアルバイトの中には年寄りと話すのは嫌と言う人もいて少しだけ現場の空気がギスギスしたものである。
子ども用プールの監視員は迷子係も兼ねており小さい子を何人も保護したものだ。
管理棟に迷子を連れて行ってマイクでアナウンスしてしばらく待っていると保護者の方がやってくる。
大抵はママーと言いながら子どもが駆け寄っていくことが多く、感謝されることがよくあった。
たまに不機嫌な態度でやってきてろくにお礼も言わずに子どもの手を引いていなくなる保護者の人もいたが、そういう人は概ね若いお父さんだった。
監視員はローテーションで監視の位置を変わるので忙しくプールを移動した。
市営プールのもう一つの問題は刺青である。
Tシャツを着て泳いでいる人は要注意である。
公序良俗に反するという理由で公共のプールではNGだった。
とはいえ怪しい人を見つけてあなた刺青していますねと聞くのはいかにも勇気が必要である。
結局年の功で人当たりのいいお爺ちゃん先輩に頼むのがベターだった。
そんな感じで一日はあっという間に過ぎていった。
プールのアルバイトの余禄として魅力的だったのは閉園後に自由に泳いで良いという事だった。
ここぞとばかりに人のいないプールで思いっきり泳いだものである。
一緒にアルバイトをしていた女の子と追いかけっこをして遊んだのもいい思い出だ。
ちなみにその子とはちょっとした関係になったのだがそれはひと夏の出来事という事で。
あれは今思い出してもドラマチックな夏だった。
そんな事を懐かしく振り返りながら昨日の夕飯のお話を。
昨日は台風が来ていたのですぐにできる晩ご飯。
残り物の鶏わさをアレンジ。
フライパンでみりんを煮切って砂糖と醤油を加える。
そこに鶏わさを入れて照りが出るまでさっと煮詰める。
とろみがついたら鶏の照り焼きの出来上がり。
ジャガイモをレンジでチンして皮を剥いてグニグニと粗く潰す。
そこに薄くスライスして塩で揉んだキュウリとハム、キムチを加えてマヨネーズと塩コショウで味を付けたらキムチポテサラの出来上がり。
もう一品は中途半端に一人前残っていた冷凍チャーハンを温めた。
これで昨日の晩御飯は完成。
お酒は台風対策で休肝日。
いただきますをしてポテトサラダから食べる。
アムッと口に運ぶとキムチの辛みとマヨネーズの酸味のバランスがいい。
ジャガイモのぽってりした味わいもこれぞポテサラと言うベーシックな味。
ちょっと変わり種だけど美味しいねと言いながら妻がパクパク食べていた。
次に鶏の照り焼きを食べる。
照り焼きの甘辛い味が淡白なささ身をしっかりと包んでパンチのある味わいになっていた。
これには米だなと思ってチャーハンに乗せて食べると素敵な味になった。
少なめの晩御飯だったのであっと言う間に完食。
ササッと片付けて家の外回りの最終チェックをしておやすみなさい。
昨夜は緊張してあまり眠れなかったので今日は早寝したい。
明日から少し長いお休み。
何をしようかとワクワクしている。
飲みにもいきたいし、花火も見に行きたい。
お祭りも行きたいし、買い物もしたい。
ううん、夏休みはやっぱり短い。