五年に一度のおつとめ
運転免許の更新で最寄りの警察署に足を運んだ。
普段全く行くことのない場所かつ悪い事なんて何にもしていないのに妙に緊張する不思議な所である。
ちょうど私と同じタイミングで更新に来ている妙齢の女性がいて手続きの順番待ちになった。
椅子に座ってぼんやりと自分の番が回ってくるのを待っていると、担当の警察官が女性に対して事務的に手続きをテキパキと進めていた。
する事も無いので聞くともなしにぼんやりとしていると女性はどうやら今回は交通違反をしたらしく長年無事故無違反だったゴールド免許の記録が途絶えてしまったことをしきりに悔やんでいた。
そこから自分の交通違反がどうしても納得できないと話を始めたのだが、相手は百戦錬磨の警察官である。
ああ、そうですかぁ。
うん、まあ違反は違反なんですよねぇ。
気をつけて運転されてくださいね。
と流れるようなコンボでおばちゃ…、もとい女性の愚痴を華麗に受け流していた。
女性は不満タラタラながらも手続きが終わって私の番になった。
私は長い間ゴールド免許なので特に咎められる事も無くスムーズに事務処理が進んだ。
一番気になっていた視力検査もどうにか問題なくクリアして後は免許の更新料と事務費用を支払う段階になった。
その時に交通協会に加入するように促された。
金額は一年間で五百円でゴールド免許ならば次回更新までの五年間で二千五百円ご協力をお願いしますと張り付いたような笑顔で頼まれたが、いやぁそれは厳しいっすわ~と曖昧なお断りをするとスッと笑顔が消えてそうですかと態度が露骨に変わった。
免許の更新費用が二千五百円なので交通協会に加入したら五千円もかかってしまう。
若い頃はなんとなく払えという圧力に負けて支払っていたが、協会に入った見返りは免許証ケースとエコバッグと協賛店のクーポンという言ってはあれだがショボいものなので今はムニャムニャとごまかして断ることにしている。
更新料を支払っても新しい免許はその場では貰えず、三週間後の優良運転者講習の後になるのでまた警察署に行かなければならない。
これが日にちと時間が厳しく決まっているので、忘れないようにしたい。
それにしても地味に思うのは運転免許の更新料って一体何に使われているのだろうという事である。
新しく免許を更新するのに地味にお金を払っているが運転免許保持者の人数から考えたら莫大な金額になると思う。
この辺りを深堀りすると何だか面倒くさい事になりそうなのであえて調べようとは思わないが。
何となく世間の闇っぽい部分に触れそうになって慌てて方向転換をしている。
車に乗らない日はほぼ無いので免許の更新は運転者の義務である。
来月の講習でうたた寝しないように前の日はしっかりと早寝しておくとしよう。
そんな事を考えながら昨日の晩御飯のお話しを。
昨日はブリの切り身が安かったのでこれをメインに。
塩を振ってしばらく放置。
その間に副菜を拵える。
きゅうりを乱切りにしてごま油、ごま、鶏がらスープの素で和えたら無限きゅうりの完成。
これはネットで見たレシピだがあっという間に出来た。
それから油揚げを細かく刻んでフライパンで乾煎りにする。
こんがりと焼けたら麺つゆで味をつけた溶き卵を流しいれて巻いていく。
これで油揚げ入りの卵焼きの完成。
もう一品は沖縄産のモズクを洗って適当な大きさに切り分けてポン酢で和えた。
ではメインのぶりを仕上げていく。
キッチンペーパーで表面の水分をふき取って両面に小麦粉をはたく。
フライパンに油を薄く敷いて火を点けてぶりを並べる。
中火で芯までしっかり火を通す。
こんがりと焼けたら、醤油、酒、みりん、砂糖、黒酢を合わせた調味料を回しいれて軽く煮詰める。
トロッとなったらブリの黒酢炒めの完成。
ようし、今日はお魚デーだと思いつつ妻を呼ぶ。
いただきますをして食べ始める。
昨日は休肝日。
まずは無限きゅうりを食べてみる。
ゴマのプチっとした食感とごま油のコク、鶏がらスープの旨味が合わさってなかなかイケル。
食べている最中にキュウリの水分が出てくるので少し濃い目に味付けをするのがポイントだなと思った。
次にモズク酢をいただく。
シャキシャキのショリショリした食感が心地いい。
海藻臭さはほとんど無くてしっかりとした太い繊維のモズクで食べ応えがあった。
ではメインのぶりを食べよう。
箸を入れるとふんわりとした身がホロッと取れる。
口にアムッと含むと黒酢の風味がガツンときて甘じょっぱい味わい。
とてもご飯に合う味付けでお米が進む。
妻もこれ良いねと言ってパクパク食べていた。
おっと卵焼きを食べるのを忘れていた。
油揚げをカリッカリに焼いたので卵焼きに香ばしさが加わっておりなかなか好ましい味だった。
そういえば汁物を作り忘れたなと思ったが全体的にヘルシーで満足度の高い晩御飯だった。
腹八分目でご馳走様をして片づけをして九時半には就寝。
夜中に何度か目が覚めたが前日の早寝のおかげであんまり眠たくない一日だった。
それにしても警察署って独特の空気感がありますよね。
これからも免許の更新くらいの淡いお付き合いで行きたいものである。
パトカーが自分の車の後ろに来ると謎の緊張感が生まれるのは否定できませんが、やましい事なんてありゃしませんよ。
これからも後ろに手が回らないように清廉潔白で生きていきたい所存であります。
敬礼っ!