来年は喜寿。
今日は父の誕生日。
一昨日が姪っ子の誕生日だったので祝い事が続いてめでたい事である。
私の一族はとにかく夏産まれが多い。
7・8・9月の間に五人もいる。
なのでこの時期は誕生日ラッシュだ。
みんなの誕生日が終わっていって最後に控えているのが父の誕生日である。
九月一日は新学期のスタートにあたるので友達からはあまり祝ってもらえなかったといつも言っている。
私が子どもの頃は父は星一徹を地で行くような頑固熱血親父だったので正直恐ろしくて苦手だった。
冗談を言うこともなく家に帰ってくるとお酒を黙々と飲みながらテレビのプロ野球中継を熱心に観ていた姿をよく覚えている。
そんな時にかまってもらおうとじゃれつくと本気で面倒くさそうな顔をして母さんの所へ行けと言われたものである。
テストの成績が少しでも落ちると正座をさせられて何で今回の結果が悪かったかわかるか?と問い詰められた。
そういわれても苦手な個所がテストに出たら苦戦するのは当然だと思う。
しかしそんな事を言うと言い訳は良いから対策を考えろと言われる始末。
途方に暮れているとそのうちに大きなため息をついて、お前のそういうところが駄目なんだと愛想が尽きた声で言われるのが何よりもこたえた。
父を失望させないようにとテスト前は必死になって勉強したものである。
その結果百点を取って喜んでいると油断するとすぐにまた成績が下がるぞと釘を刺されてしょぼんとなるのであった。
そんな手厳しい父だったが子どもの教育には公平で兄にも弟にも同じように接していた。
なので私たち子どもは同盟を組んで父の圧政に耐え忍んだものである。
同じ境遇の仲間がいると案外耐えられるもので弟が父に絞られてメソメソしている時でも優しく慰める余裕があった。
小学生の頃はそんな父が超絶苦手だったが中学生になると後は自分の考えで生きていけと急に放任主義になったので羽を伸ばし放題だった。
その余韻は高校時代になっても続き、本当に遊ぶことしか考えていない勉強放棄の三年間を過ごした。
あまりにも成績が悪いので親の呼び出しもあったのだが、いつも来るのは母で父は勉強しろとは一言も言わなかった。
それでいて兄弟三人とも人の道を踏み外すこともなくそれなりに大人になったので父の教育も間違っていなかったのだろうと思う。
手厳しい父とも大人になって同じ目線で物事を考えられるようになるとなるほどと思う事も多々あり、分かり合える日が来た。
今の父はだいぶ聞き分けのいい好々爺になった。
本人はまだまだ若いつもりだがあまり身体も丈夫ではないので労わっていきたいと思う。
それはそれとして昨日の晩御飯の話をちょっとだけしたい。
まずは鶏の手羽中を半分に切る。
醤油、酒、みりん、ニンニク、ショウガのたれに漬け込む。
漬けている間に副菜づくり。
レンコンの皮を剥いて水に晒す。
それを摺り下ろして片栗粉を合わせて混ぜる。
下味にめんつゆと塩を一つまみ。
丸く成形してフライパンで焼いていく。
両面がこんがりしたら醤油、みりん、酒、水を入れて煮詰めていく。
とろみがでたらレンコン餅の完成。
野菜が欲しかったのでキュウリスティックを作った。
これはマヨネーズに海苔の佃煮を混ぜたソースにつけて食べる。
鶏の手羽中に味が染みたらトースターで中まで火が通るようにしっかり焼いてメインの出来上がり。
よし、出来た出来たと言いながら妻を呼ぶ。
昨日は休肝日にした。
いただきますをしてまずはキュウリから。
海苔つくマヨネーズをたっぷりつけてパクリ。
これがなかなかイケてる味である。
今年もキュウリをたくさん食べたなぁと思いながらモグモグ。
お次はレンコン餅。
ハムッと噛むとムチッとした歯ごたえでまるでお餅である。
柔らかくてそれでいてレンコンのシャキシャキした食感も残っておりとても楽しい。
妻の大好物なのでモリモリと食べていた。
ではメインの手羽中を食べる。
甘辛い醤油味が染みており香ばしくていくらでもいける。
ご飯にもお酒にも合う味である。
トースターで作るので火を使わないから暑い時に重宝する。
骨の周りのお肉は何でこう味が濃いのだろうと思いながら食べた。
十本用意したがペロリだった。
お酒を飲まないのでいつもより早めにご馳走様。
片づけをしてお風呂に入っておやすみなさい。
さて、そろそろ父を訪ねて実家に行こうかな。
今年の贈り物は大好きな芋焼酎。
喜んでくれたらいいな。
おとうさん、いつもありがとう。
これからもおげんきで。
あいしています。