冬には湯気と演歌が良く似合う。
私は毎日のご飯を作るときに必ず何か音楽をかける。
タブレットを台所に持ち込んでサブスクで契約しているアプリを使っていろいろな曲を聴く。
一番よく流すのはロックだ。
もともとロック小僧だったのでその当時の歌を耳にすると自然とテンションが上がる。
サブスクは邦楽も洋楽も網羅しているので便利なことこの上ない。
ノリのいい音楽に身をゆだねて包丁をふるうのが毎日の定番である。
ところが最近は昭和の歌謡曲や演歌をかけることが増えた。
自分が生まれる前に流行っていた演歌を聞くと何とも言えず歌詞が心に染みる。
そして一番思うのは往年の歌手の方は皆さん歌がめちゃめちゃうまいという事である。
カラオケの定番のような曲でもプロが歌うと全然違う。
その惚れ惚れする歌声に夢中になっている。
最近の歌手の方がいまいちというわけではないがグループで歌っている若い子の歌詞はいまいち頭に入ってこない。
これは私の聴く耳が衰えてきているせいかもしれない。
普段から懐メロに走っているので自然と若者ソングに疎くなっていく。
最近のバンドもある程度チェックしているがアイドルとなるとてんで駄目である。
まぁこれから先に衝撃的な出会いがあるかもしれないので食わず嫌いは良くないなとは思っている。
たまたま今日は音楽の特番をやっていたが放送時間が長時間なのでなかなか観る気になれない。
そういうところだよなぁと思いつつ晩御飯の支度に取り掛かる。
今日はお昼ご飯が遅かったのであまりお腹が減っていない。
なので簡単にうどんをメインにする。
乾麺のうどんを指定の時間茹でていく。
その間に醤油、酒、みりん、カツオと昆布の合わせ出汁、麺つゆを適量混ぜ合わせて沸騰させてつゆを作る。
つゆが沸騰したらそこに丸天を加えてしばらく煮込んでいく。
もう一品副菜は鶏のもも肉のさっぱり煮。
もも肉を一口大に切り分けて油を敷いたフライパンで炒めていく。
八割がた火が通ったらそこにこれでもかと大根おろしをドサッと乗せてポン酢をたっぷり回しかける。
中火でしっかり火を通したら仕上げにネギを散らして出来上がり。
ちょうどそのタイミングでうどんが茹で上がるのでザルにあけてお湯を切ったらどんぶりに投入して丸天とつゆをなみなみと注ぐ。
あればとろろ昆布を加えるとなおよろしい。
さぁて時短晩御飯の完成だ。
居間に運んでからいただきますをする。
今日のお酒は芋焼酎のお湯割り。
厚手の湯飲みに焼酎4対お湯6の割合で注ぐ。
ではではとズビッと焼酎を飲む。
アチチとなりながらフウフウ冷ましながら飲むのもお湯割りの楽しみの一つである。
ふむ、温まるなぁと思いながら鶏肉をつまむ。
たっぷりの大根おろしとポン酢だけの味付けだが鶏の旨味が出ておりなかなかに奥深い味である。
何より大根は消化を助けるジアスターゼを豊富に含んでいるので食べていて食欲が増す気がする。
これは箸が停まらないなぁとニヨニヨしながらモリモリと食べた。
おっといけない、うどんが冷めてしまうと思ってどんぶりに目を移す。
まずはだしをチュッとすする。
丸天からいい味が出ていて控えめに言ってかなり美味しい。
次はうどんを手繰ってスルスルと飲み込む。
乾麺なので茹でてもコシがしっかりと残っている。
ずるるとすすってつゆをごくり。
うんうんこのままでも十分行けると思いながら調味料庫に七味唐辛子があることを思い出した。
なのでいそいそと台所から七味を持ってきてパラパラと振りかけた。
どれどれと思ってつゆを飲むと味にキリッと芯が通った。
これは正解かなと思いながらハフハフとうどんに集中した。
途中でお酒のお代わりをしつつもいつもよりは早めに食べ終えた。
温かいものは温かいうちにというのは鉄則だなぁと思いながらこたつに潜り込んでウトウトした。
それから鼻歌で演歌を口ずさみながら片づけをした。
今日のお酒はだんだん濃くなっていく芋焼酎のお湯割りを四杯…うそです、五杯でした。
さぁて明日は何を食べようかな。
本日もごちそうさまでした。