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せっせっせーのよいよいよい
昨日から気温がじわっと暖かくなってきて今日は随分と過ごしやすい陽気だった。
朝、何気なくテレビをつけていると公立高校の受験まであと一週間ですとアナウンサーさんが言っておりそうか、もう三月になるものなと思いつつ家を出た。
それからあれこれと用事を済ませてちょうどお昼時間に休憩で道の駅に立ち寄れたので野菜を狙ったのだが、出遅れたのかもうあんまりめぼしいものは残っておらず高級なイチゴや形の悪いキャベツなどしか残っていなかった。
まあ形は悪くてもキャベツはキャベツなので一玉298円のそれを買い求めた。
他の物は全般的に手が出しにくいお値段だったのでスルー。
まだ少し時間があったのでイートインコーナーでソフトクリームを食べていると隣に座っていた幼稚園児くらいの女の子二人組がいきなりアルプス一万尺を始めた。
アーループースーいちまんじゃーく、こやりのうーえで♪でお馴染みのこの曲を久しぶりに聞いてとても懐かしい気持ちになった。
女の子たちは段々楽しくなってきたのかキャイキャイとはしゃぎながら例の踊りを踊っていた。
少々騒がしいかな~と思っていたら隣にいたお母さんらしき人がほら、うーるーさぁいっ!と言ってたしなめていたが効果はあまり無いようだった。
その光景を最後まで見届けることなくソフトクリームを食べ終わったので車に乗り込んだ。
エンジンをかけてハンドルを握って車を走らせている時の脳内BGMは当然アルプス一万尺である。
…思えば私が小学生の頃にもこの遊びは女の子の間で大流行しており、いかに早く歌って踊ることが出来るかがステータスだった時代があった。
手練れのペアともなると落語の寿限無ばりの早口言葉で歌を唱えて目にも止まらない速さで踊ってそのスピードを競っていた。
私も何度かチャレンジしたことがあるのだが生来の鈍くささをここでも如何なく発揮して、あの振り付けを覚えることがどうしてもできなかった。
教えてくれる女の子も最初のうちは丁寧にここはこう、それからこうよ、簡単でしょ?と聞いてくるのだが実際に音に合わせるとまるでリズムと振り付けが合わない。
そのあまりのぎこちない壊れたC3-POのような動きに呆れられてしまい最終的には仲間外れにされてしまうという苦い体験をしたものである。
その当時の私は多分にフェミニンな性格を持ち合わせていたので女の子の遊びにも大変興味があった。
幼いころはおままごとで犬や赤ちゃん役を仰せつかったり、少し大きくなるとゴム段遊びにも混ぜてもらっていた。
しかしそこでも欠落した運動神経から補欠や戦力外通告を受けて空しく平ゴムを掴んでおく誰でも出来るポジションに追いやられるのであった。
思えばあの頃から運動はからっきしであった。
そんなことを思いだしながら運転していたら、アルプス一万尺の二番の歌詞がどうしても思い出せずにモヤモヤした今日の午後であった。
まあ、そんなこともあるよなと思いながら昨日の晩御飯の事はバッチリ覚えている。
昨日のメインは煮魚。
赤魚が特売だったのでこれを煮つける。
軽く塩と酒を振って臭みを抜いておく。
その間に副菜づくりを。
半額のサニーレタスをヘタを落として良く洗って豪快に手で千切る。
それから新玉ねぎをスライサーでスライス。
サラダボウルにサニーレタスを敷いてその上に新玉ねぎそれからローストポークの切り落としを乗せる。
乗せ終えたらドレッシングをかけて春っぽいサラダの出来上がり。
もう一品はお豆腐。
木綿豆腐をレンジでチンして水切り。
キッチンペーパーでしっかりと水気を取ったら、ボウルに豆腐を入れてそこに地元の名産しそワカメをたっぷり入れて軽く崩しながら混ぜる。
仕上げに真ん中に卵黄を落としたらしそワカメ豆腐の出来上がり。
糠漬けはカブ。
汁物はカブの葉の味噌汁。
では煮魚を作っていく。
赤魚の塩を酒を洗い流して熱湯をかける。
これで臭みは随分と抑えられる。
フライパンに醤油、酒、みりん、砂糖、水を入れて沸騰させる。
沸いたら赤魚を入れてそこに輪切りのしょうがを二欠け程投入。
火加減は強めの中火。
少し煮たらアルミホイルで作った落し蓋をして十分くらい放置。
焦げないように時折フライパンを確認しつつ洗い物などの片づけをしておく。
煮魚のいい香りがしてきたら完成。
よし、こんなものでしょう。
妻を呼んで頂きます。
昨日は休肝日。
まずは糠漬けからカブはショキショキして甘みがあって糠漬けにしてもイケる。
次にサラダをよく混ぜて食べる。
新玉ねぎのショリショリした食感とほんの少しピリッとする刺激がたまらない。
新玉ねぎが市場に出回り始めると春が近いことを知る。
妻に今日から新玉ねぎだよ~と言うと大好きだから嬉しいわと喜んでいた。
次にしそワカメ豆腐を頂く。
卵黄を崩して全体にまぶしてから味が足りなければ醤油を追加。
これを焼き海苔にはさんで食べるとご飯にもお酒にも合う素敵な一品になる。
しそワカメの風味と海苔の相性は抜群である。
ご飯と豆腐だけだと食べづらいがこうしてアレンジをすると途端におかず感が増す。
パクリとご飯を食べてからメインの赤魚の煮つけに箸をつける。
赤魚は小骨の少ない肴なので非常に食べやすい。
昨日は少し丁寧に下拵えをしたので臭みもなく、ほっこりと身離れのいい部分をニンマリしつつ頬張った。
ご飯のお供に煮魚はやはり優秀である。
昨日の献立は和食寄りで腹七分目でご馳走様。
後片付けを簡単にしてお休みなさい。
今日は夢の中でアルプス一万尺に苦しめられそうで戦々恐々としている。
そうそう、歌詞の「こやりのう~え」でを「こやぎのう~え」でと空耳アワーをしていた小学生は日本中にめっちゃいたはず。
あなたはどうでしたか?