文化の香りする借りぐらし
最近図書館を利用するようになった。
以前はよくお世話になっていたのだが電子書籍で本を読むようになってからはご無沙汰だった。
私の住んでいる町は平成の市町村合併で図書館が五件ほどある。
と言っても場所はそれぞれ点在しており山間部や遠い所にある図書館に足を運んだことは一度もない。
駅前にカフェを併設した大きな図書館が数年前に出来たが広すぎて蔵書が探しづらく人も多いので落ち着いて本を探すことが出来ない。
以前家の近所にあった図書館は独立した建物で中に入るとかび臭い本の香りがしていかにも昔ながらの図書館という感じがしたものである。
それが七年くらい前に市の総合文化センターのような建物内に吸収されて規模もずいぶん小さくなってしまった。
当然蔵書もかなり少なくなっており利用者も激減した。
私も何か面白い本がないかな~と思って図書館に行く楽しみを失ったので足が遠のいていた。
それが再び図書館に通うようになったのはパソコンを買い替えたからである。
買い替えた中古のノートパソコンには今どき珍しくDVDドライブがついているのでCDを取り込むことが出来る。
この新しくなった図書館の一角では古いCDを取り扱っているコーナーがあり、そこには落語のCDが充実している。
私は古今亭志ん生が好きなので常に音源を探している。
熱狂的なファンの多い伝説の落語家さんなので中古市場でもCDは決して安くはない。
それが図書館だと全集とまではいかないがかなり大量に揃っているのを思い出したのでこれを利用しない手はないと思って図書館通いを再開したところである。
落語は集中して聴くのもいいが私は運転中のBGMにしている。
短い噺でもニ十分くらいはあるので聴いているうちにあっという間に目的地についてしまう。
パソコンを新調してついてきた思わぬ懐かしの機能のおかげで図書館通いが復活した。
ちょっと面倒なのは規則で一度に五枚までしか借りられないので何度も足を運ばなければならないところだ。
他にはこれまでに借りてきた人の取り扱いが雑だったのか時折音飛びがする事があることである。
こればっかりはどうしようもないので諦めて無料で志ん生が聴ける事のありがたさの方が勝っている。
本の方はかなり蔵書の数を絞ったのか読みたい本がほとんどない。
唯一池波正太郎全集というサスペンスドラマで凶器に使われるような分厚さの本がずらりと並んでいるが、あまりにボリュームがあるのでレンタル期間の二週間ではとてもじゃない読み切れそうにないので二の足を踏んでいる。
年末年始のお休みにお試しで全集の第一巻を借りてみようかなと思っている。
なんだかんだで志ん生のCDはまだまだ借りたいものがあるしじっくり探したらほかにも読みたい本が見つかるかもしれない。
図書館通いは新しい趣味として定着しそうで読書の秋としてはベタでそれでいて文化的で大変素晴らしいと思っている。
そんな私の昨日の晩御飯がこちら。
昨日は冷蔵庫の整理デー。
冷凍庫に鶏のから揚げがあったのでこれをメインに。
しめじの石突を落としてばらしておく。
唐揚げをレンジで解凍してトースターでこんがりと焼く。
フライパンに刻んだニンニクとしめじを入れて油を敷いて炒める。
軽く塩コショウをしてそこに唐揚げを投入。
味付けは賞味期限ギリギリで発掘したイカの塩辛。
フライパンに塩辛を入れるとイカがクルクルと丸まっていく。
柚子入りの塩辛だったがやや甘めだったので醤油で味を調える。
イカに火が通って全体に馴染んだら鶏肉の塩辛炒めの完成。
副菜はおぼろ豆腐をレンジでチンしてポン酢をかけて上から刻んだネギをたっぷり散らして一品出来上がり。
もう一品はのどぐろの平天をトースターで焼いた。
糠漬けは人参。
この四品で晩御飯。
妻を呼んでいただきます。
まずは糠漬けチェック、三日間漬けたので人参の芯まで味が馴染んでおり上出来。
人参は味が染みにくいのでこの時期だと二日以上漬けた方がいいのだなと勉強になった。
次はおぼろ豆腐をスプーンですくって食べる。
豆乳も一緒に入っているのでクリーミーで豆の味が濃い。
ポン酢の爽やかな味と薬味のネギもぴったりと寄り添っておりいい仕事をしていた。
それから合間にのどぐろの平天をかじる。
ちょっとあぶり過ぎたのでカリカリになっていたが逆にそれがいいアクセントになっていた。
練り物は煮ることも多いが焼いてもいいおかずになる。
ではメインのひらめき料理、唐揚げの塩辛炒めを食す。
見た目は中華料理のようで違和感はない。
唐揚げとイカを一緒に口に運ぶとジューシーな唐揚げの脂とプリプリのイカの食感の対比が面白い。
味付けはほとんどイカの塩辛のみだが旨味が十分でこういう料理があってもいいよなと思った。
最初はこれはなぁに?と躊躇っていた妻もいざ食べてみると案外イケルと言ってモグリモグと食べてくれたので成功の部類に入るだろう。
唐揚げとイカの塩辛をそれぞれ単品で食べてもよかったのだが、塩辛スパゲティから着想を得て試してみて面白いものが出来上がったので愉快だった。
綺麗に食べきってご馳走様。
図書館は独特のしぃんとした空気感があって良いですね。
ちょっとした読書スペースもあるので図書館通いにハマりそう。
まずは古今亭志ん生のCDをコンプリートだ。
まだまだ借りるべきCDが沢山あるので嬉しいなぁ。
出囃子の一丁入りを聴くだけでワクワクが止まらない。
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