201011.Webはリアルの接客体験には勝てないと思った話
趣味のキャンプ・アウトドアの秋冬の装備を買うため、モンベル恵比寿店を訪れた。
トレッキングシューズとか、レインウェアとか、日帰り登山用のバックパックとかを買うのが目的だ(もともとソロキャンプが好きで装備を集めていたが、登山はほぼ未経験。キャンプと登山は少し勝手が違うので良いものを買いに行った)。
そこでたまたま声をかけさせてもらった店員さんの接客が、とても心地よくて、Webでオンラインショップを眺めているだけでは得られなかった体験だったので書いておく。
自分が登山靴を買うまでの流れ
登山の経験はほとんどなかったので、どんな靴を選べば良いのかわからなかった。
そこで店員さんに話しかけたところ、「どんな山に行こうと考えてますか?」「登山靴を履いた経験はありますか?」という簡単なヒアリングをしてくれた。
今回は日帰りの軽登山用の靴を探していたのでその旨を伝えると、まずはその場で足のサイズを計測してもらった。
そして取り扱っている2つのブランドについて特徴と値段の違いをもたらしている理由(素材など)を解説した上で、合いそうなものを提案してもらう。
更に、靴の履き方と履き心地の確認の仕方(靴の中で足がずれてこないか?)を教えてもらい、最終的に4種類くらいを試し、一番フィットするものを選ぶことができた。
その後、自分はこの店員さんをかなり信用し、他の装備についても案内してもらってそこそこの金額を買い込んだ。
一方で良いものを選ぶことができた、という実感もあり、総じて満足度の高い買い物ができた。
顧客意図をリアルタイムで汲み取った提案
これらはすべてリアルタイムでこちらの反応やニーズを見ながら細かく提案を調整してくれた結果だと思う。
ポイントはざっくりこういう感じ。
・大まかなニーズと、顧客の知識レベルを把握する(ヒアリング)
・顧客の状態を正しく把握する(足のサイズ計測)
・懸案事項を先に伝える(値段の大小の差異と、その影響)
・商品を選ぶ際の判断基準を伝える(意思決定のサポート)
(おそらく)膨大な商品知識、これまでの接客経験を背景に、ヒアリングとサイズ計測に基づいた提案をする。
そして、最終的な購買の意思決定に影響する要因を先回りして伝える。
この接客はWebには不可能だなと思った。
実店舗に行って初めて体験可能なユーザー体験。事前にオンラインショップを眺めてはいたが、ネットで済ませていたらここまでの満足度の高い買い物はできなかったと思う。
Web上でのデジタルマーケティングに関わる人間として、改めて、Webにできること・できないことを考えることの重要性を認識したので書いておく。