哲学するってどういう感じなんですかぁ?

哲学するというのはどういう感じなのだろうか。今日はいい感じに疲れているのでこの調子のまま考えていこう。

議題を一応何個か挙げておこう。隈なく書くわけでも深く書くわけでもないがとりあえず手がかりにするために。

・哲学するコツってありますか?
・理想的な哲学のスタイルはありますか?

多すぎてもなんなのでこの二つに絞っておこう。ちなみにここからはそれぞれの質問に答える形で書くことにする。砕けた言い方で。後輩のTに言う感じにしよう。いや、Nに言う感じにしよう。とりあえず。

哲学するコツなぁ、(にっこりと微笑む)、それはあれやな、自分の違和感を守り抜くことやな。うん、他人の哲学に同化したり反骨精神に擬態したり、そういうことをしすぎないことやな。ここで重要なんは「守り抜く」っていうギュッと力が入った感じのことを「しすぎない」ようにしながら遂行することやな。やっぱり、うん。遂行っていうとなんかもうミッションがあるみたいやけど、これは、なんか、具体的な内容のないミッションで、だからこそコツなんよな、うん。

喋りすぎてしまった。これじゃお節介がすぎる。Tに話す感じにしてみようか。ちなみに上でTではなくNにしたのは「哲学するコツってありますか?」っていう質問をTよりNのほうがしそうだったからである。

なんや、珍しいな、そんな質問。うーん、自分の感性を信じることやな。自分の世界観をうんと肯定することやな。いつもしてるみたいにジャーゴンをせこいものとして告発することやな。あれか、ジャーゴンがもうジャーゴンか。(そうじゃろう?という感じで微笑む)

うーん、Tは私の感覚からするともうすでに哲学的である。まあ、Tの哲学と私の哲学にはかなりの違いがあると思うが、それを抜きにすると正直コツは掴んでいると思うのでそれを肯定すればいいと思うのである。その一助となればいいと私は思うのである。Tの場合は。そう思うとNの場合は配慮が少し足りなかったかもしれない。Nは私に似ていて考えがぐるぐるしちゃうタイプだと思うのでもっと私がしていることをベースにしたアドバイスのほうがいいかもしれない。まあ、上のでもええんやけれど。

私とNのあいだにある違いはおそらく誠実さである。真面目さである。真剣さに大きな違いはないと私は思うが世間の人はそうは思わないと思う。そういう違いがある。Nはかなり思想的である。だから厳密に言うと哲学ではない。そこではむしろ哲学は利用される、というか、されるのがいいと思う。それほどNは人として完成していて、その完成を理想と取り違えないことだけがNの課題だと私は思う。まあ、Nはそんなふうには思っていないと思うが。だから、ちゃんと答えるのだとしたら次のようになる。

なんで哲学なんかしたいん?自分はもうある程度哲学し終えてると思うからそれを大事にすればいいと思うで。俺は。

でも、これだとなんだか、はぐらかしているみたいになる。はぐらかそうと思っているわけではないのだが……

さて、「哲学するコツ」なんてものはない。というか、私は「コツ」を「Xしない」のXをできるかぎり形式的にすることだと思っている節がある。し、それでいいと思っている。「他人の哲学に同化しない」とか「反骨精神に擬態しない」とか、「ジャーゴンを使わない」とか「哲学なんかしない」とか、そういうのでいいと思っている。別にそれらは禁止事項ではない。なぜなら、禁止できるほどこれらのことは明確ではないから。だから、但し書きくらいの気持ちでこれらのメッセージは受け取られるべきなのである。これは私がここで決めた制限である。ここでのメッセージが受け取られやすくなるための制限である。

さて、「理想的な哲学のスタイルはありますか?」については質問してくれそうな友人がいないので簡単に答えよう。書面で回答するかのように。

ありません。哲学というのは偶然性を利用して、固有性に利用されて、それで生まれるものです。理想が仮に向かうべき目的のようなものなのだとしたら偶然性も固有性も必要のないものです。むしろ邪魔なものでさえあるでしょう。仮に質問が「素敵だと思う哲学のスタイルはありますか?」なのだとしたら「たくさんあります。例えば、」といくつも例を挙げることができるでしょう。その質問とあなたがしている質問が異なること、それが重要なことなのです。

なんというか、鼻につきますね。特に「理想が仮に向かうべき目的のようなものなのだとしたら」が最初に出てこないのが鼻につきますね。ただ、そのことを鼻につかないと考えることもできて、その場合は先に答えが出てしまって焦って「理想が仮に向かうべき目的のようなものなのだとしたら」を付け足している感じがして好感が持てますね。僕だけでしょうか。

こんな文章で「哲学するというのはどういう感じなのだろうか。」という問いに答えられた、応えられたとは思わないが、何もせずに誤魔化したとも思わない。しかし、何をしたのかがわからない。それは今後展開されることである。では。

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