『ライオン・キング -ムファサ-』を観て
どうしてもタカに感情移入してしまう。
ずっと野良扱いされてきて自分は何者でもないと思っていた(一方、タカには王というのがある)ムファサに対して、
サラビが「Tell me it's you」
「あなただと言って」
「私を助けてくれたのはあなたなんでしょ?」
「彼(タカ)はあなたを助ける運命だったの」
と、自分自身を大切にしてほしいと願う故にこのことをムファサに伝えるが、それを聞いてしまったタカのことを考えると辛かった。
父の教育方針でメスと関わりなく生きてきたから、
初恋の子に話しかける方法すらわからない、箱入りお坊ちゃん。その初恋の人にとって
「自分は物語の脇役だった」
(「タカの役割は王じゃない」と言われているも同然)ということを突きつけられ、その前から、自分の好意を知っていた兄弟と初恋の人が、だんだんとふたりだけの世界に入っていくのを感じずにはいられなかったタカは、どんな気持ちだったのだろう。
そりゃ「俺お前を助けてやったのに!」
となるのも理解出来てしまうし、
「俺があの時助けてやらなかったら、お前はもう死んでいたも同然なのに!!!」
「お前を野良扱いする奴からいつも!お前を守ってやったのに!」と
「兄弟だったのに...!」
「なんで秘密にしてたんだよ...!」
が会い混じって、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって、
感情の整理がつかないまま、雪の中を荒れ狂うように走り続けたシーンは泣いてしまった。
それが"怒り"だと自分のなかに落とし込んだ瞬間、
彼のなかの何かが壊れ、
(まだ壊れきってなかったかも)
そして、その勢いに任せて、はぐれもの達に悪の提案をしに行ってしまった。
そこで少し時間をおいたら、
また何か変わっていたのかなとも思う。
心優しいタカのことを見てくれている存在は、
きっといて、その人との出会いが、その先にあったかもしれないと思ってしまう。
まあ、まずは、父の教育方針が悪い‼️
でも、それでも、
ムファサはかっこいいんだ!!!!!
象の群れからサラビを守る時の
「 I got you. (僕がついてる) 」も、
横になったラフィキを起こしてあげるシーンの
「 I got you. 」も、本当にかっこよかった。
タカから見ても、私達から見ても、
ムファサはかっこよくて、勇敢で、
どこまでも"王"だ。
悪く言えることがない。
それも辛かっただろうと思う。