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ピアノを弾きながら想起されること

残念ながら、ピアノを弾きながら、過去の嫌なことを思い出してしまうということもある。曲の美しさへの憧れと自身の技量の差による葛藤はしばしば内省をもたらすが、その内向きの思考から、時に過去の苦い記憶もまた演繹されるのである。

そのようなときは、どうすればよいのか。
弾くのを止めて、肩の力を抜くべきだろう。苦い記憶が無意識に思い出されるように、肩の力も無意識に入ってしまっている。数年前にお世話になっていた新卒の若い講師の方から、この肩の力についてはしばしば注意を受けたものであった。

しかし、かつてと比べてそのような苦い記憶を想起する頻度は、減っているかもしれない。ピアノが上達したわけではなく、弾いている曲に今はより強い興味を抱いているためであろうか。
練習にあたっては、美しい曲を苦い記憶で汚したくはないものだ。過去の記憶が想起されたら、肩の力を抜くことを思い出したい。

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