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古代木造建築に学ぶ組織マネジメント


法隆寺の棟梁である西岡常一氏は印象的な言葉を多く残している。

私なりに要約すると
・飛鳥時代、法隆寺の創建時に使われたヒノキは、木が育ってきた環境が配慮され配置された。つまり南側で育った木は法隆寺の南側に、一方、北側で育った木は法隆寺の北側に配置されていた

・鎌倉時代前後の法隆寺改修時に、その木の特性を無視した配置、改修工事が行われた。その弊害は昭和の改修工事で現れ、木の反りが合わなかったり、一部痛みが進行するなどの状況が散見された

・鎌倉時代前後の改修では、建物の維持とは構造上関係がない、華美な装飾や加工も施され、構造上の本質は関係がない作業がなされた

・棟梁の役割とは、木の育った環境や個性を理解し、適材適所を忠実に実行し、1000年先を見すえた改修に導くことである

といった内容であった。

法隆寺という古代建築を通じて思うことは、これはまさしく「組織と人」とそこにかかわる「リーダー」の在り方そのものではないか?ということであった。

・そのメンバーの育ってきた環境や背景をリーダーは理解しているのか?

・真の適材適所とはどういう状態か?メンバー同士の反りがあっていないという事象を安易に見過ごしていないのか?

・経営者の傲慢や自己満足により、個人の個性を無視した持続性のない人材配置になっていないか?さらには、成長というバズワードに甘え、相手の特性や個性を自分に都合よく強引に変えようとしていないのか?

・より長期の視点で人と組織の持続可能性という視点で考えられているのか?

 たった200年程度で培われた資本主義的な戦略、戦術、組織、兵站という戦争という競争をベースにした考え方が、企業には当たり前のように刷り込まれている。
 果たしてそれが持続可能なのか?心を病む人間が増加する現代社会においては、おのずと答えが出ているように思う。今後少子高齢化により労働人口が減る中で、だめなら取り換える、という効率性重視の発想では、企業組織はなりたたなくなる。木や土など自然観から見た知恵を、企業へ取り入れる時代に差し掛かっているように思う。

自然から知恵を得た持続可能な企業経営スタイルへ興味はありませんか?新しい在り方の探求に興味がある方は、ぜひお気軽にお声がけください。


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