『Nigra Historio de buffalomckee』ライナーノーツ

『Nigra Historio de buffalomckee』

 LINER NOTES

 出席者

 buffalomckee(バッファローマッキー、NEU NEUレーベル)

 虹釜太郎(ニジカマタロウ、360°records、scavenger、無機むき音楽研究所)

もうひとつのベスト盤

 THE HISTORY OF BUFFALOMCKEE

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 虹釜太郎(以下、虹):こんにちは。無機むき音響研究所の虹釜太郎です。buffalomckee『Nigra Historio de buffalomckee』編です。『HISTORY OF BUFFALOMCKEE』が白盤ならこちらは黒盤。「黒歴史編」ですw

というわけではありませんけど、BOXでなくこうして「ベスト盤」をつくるのがおもしろいですね。

今回は、buffalomckeeという音楽家のベスト盤をつくろうということで2枚のベスト盤をつくりました。

 『HISTORY OF BUFFALOMCKEE』

 『Nigra Historio de buffalomckee』

 という2枚なんですが、これは実際には「ベスト盤」ではないですね。なのでここからはベスト盤という言い方でなく、ヒストリー盤ということにしますか。そうするとベテランからなんのヒストリーがあるのかおまえに!と言われそうですが、もともとbuffalomckeeという音楽家の紹介では、「謎音楽家」とか「浪速のひとりLAFMS」とか「浪速のキャロライナー」とか言ってたら、LAFMS原理主義者やキャロライナー原理主義者も、ん???ってなったりw

 とりあえず自己紹介みたいのは、『HISTORY OF BUFFALOMCKEE』(以下、HISTORY盤)のライナーノーツでということで。ライナーノーツなんてファック!って人は結構です。でもいちいちそーいうことに意識的な人ほど言語にとらわれててオンガクハオンガクコトバジャナイゼエ!と言っておきながら平気でほかのところでは「言語」で人を傷つけたり、「言語」である音楽を差別したりしています。ほんとにそーいうならイルカ語でもしゃべっててほしい。とそれはともかく、こちらの『Nigra Historio de buffalomckee』(以下、Nigra盤)では、脱線気味にいきましょう。とりあえずベスト盤・・・・・じゃなかった2枚の「ヒストリー盤」を聴いてみてどうでした?

 Buffalomckee(以下、B)  :こんにちは。バッファローマッキーです。本CDをお聞き下さりありがとうございます。

 2枚のヒストリー盤は、やはり自分にも不思議に聞こえて、あらためてどんな音を発していたのか気づかされました。自分にはヒストリーといえるほどの長さがないですが、一応ジミヘンなんかよりも長生きしていますから、ジミヘンのベストが出るならBuffalomckeeベストが出てもいいのではないかと思いますw

 浪速のLAFMSという呼称にイライラしている方もいるようですが・・音でイライラしたようならば仕方ないな、と思います。ところがこれを聞いてみれば、意外に納得する方もいるんじゃないでしょうか。なんていうとまた余計に怒らせてしまいそうですがw

 虹:ジミヘン? 最近よくジミヘン聴いてます。最近特に好きで聴いてるのが『Live at the Scene Club NYC March 1968』!!  特に3曲めが最高です!!!

ってジミヘンはいいんですけどそれはともかく、buffalomckeeの衝撃の10枚組BOXは、、浪速のLAFMSとか浪速のキャロライナーレインボーととりあえずは言うしかないような音だったけれど、たしかにいろんな意味で不定形だったりグレーだったりしますよね。そこが魅力だと思うんですが(!)、人によってはそこにいらついたり、だいたい美術の世界でも「不定形」ってだけでキーーーッッッとヒス起こす人もいますから。「不定形」とか「アンフォルメル」ってだけでキーーーッッッとなる人たちが・・・・・・・・

 そういうわけで、buffalomckeeの現時点でのディスコグラフィーをみていきたいんですが、それの解説は、もうひとつのベスト盤『HISTORY OF BUFFALOMCKEE』のライナーノーツで!ということで、このNigra Historio盤では、いきなり個々の曲についてからスタートということで。

 このNigra盤はどっちかというとbuffalomckeeの脱力音楽的側面というかコミックなサイドというか、ジョーカーというかキャバレーノイズというか、そんな「楽しい」音を集めたサイドなんですが、まず1曲め。たった30秒ちょい。

これは10分20秒ある曲から30秒ちょっとだけ。buffalomckeeの音楽・・・というかつくる音は、けっこうエフェクターミュージックな部分が大きいと思います。あとけっこう前からみんなラップトップ離れが進行してるけど、buffalomckeeは以前よりローファイな音のつくり方ですよね。

 B:ジミヘンは手元に「Electric Ladyland」と1stしか残ってないです。そういや名古屋にElectric Ladylandというライブハウスがありました。V系の人がライブやってました。『Live at the Scene Club NYC March 1968』聴きたいです!

 不定形な集団を組織したいって憧れてたときがあったんですが、そういうバンドを組めていないからひとりでこうやって不定形にやってるのかもしれないですね。人間いろんなものをアウトプットしてしまうけど綺麗なものも汚いものも出てくるし・・・。作家性とか一貫性が大事だって言う人がいますが、自分はそんなの幻想かもしれないと思ってます。

 Nigra盤は動きがある盤ですね。コロコロコミック育ちな部分が出ています。

 一曲目はエフェクターでしばいた音に更にエフェクターをかけたやつです。一度MIDIは勉強したんですけどイライラして、まだあんまり音を作ったことがないときだったので一回諦めました。DAWのコントローラーとか、ipadなんかが登場してこの数年間ではるかに操作しやすくなっているようですけど、個別の独立した機材のほうがツマミ一つとっても圧倒的に操作しやすいし、なにより機材の中の回路が動いてる感じが好きです。ローファイが好きなのは何故かわからなくて、キラキラした電子音なんかを使って曲ができたらなって思ったりするんですが、自然にローファイになりますね。

 虹:『Electric Ladyland』も最高だけど『Live at the Scene ClubNYC March 1968』まじでイイんで今度盤送ります! っておまえらバンドやりはじめの高校生かと。

 ちなみに三大Electric Ladyland盤てのがあって

 ひとつめが『Electric Ladyland』2つめが『Electric Larryland』3つめが『Electric Lazyland』

でもこの話長くなるんでやめましょうw

 一度MIDI勉強してイライラした人の多くが優秀なノイズミュージシャンになったりイリーガルアートってると思うんですが、、では具体的に。あんまり機材名とかはいいんですけれど、こういう音つくるときにメインで使ってるエフェクターってありますか?

複数使い分けてる感じでしょうか。いままでPCのだけでやる人が多いけど、数年前からだいぶPCから生に戻る人が増えてますよね。buffalomckeeの音楽ってエフェクターミュージックの要素も大きいと思うんですけど、エフェクターミュージックと美術・・・っていうのはこのライナーの最後の方で・・・・たとえば2014年あたまにでたbuffalomckee BOX2のSutebachi Kensakusei Shogaiのトラック6とかの曲ってなんのエフェクター?

それと同じくBOX2の銅鐸マンダラ盤(これ鏡?)のトラック7もボヨ~ンボヨ~っていい感じですがこのエフェクトは?

 エフェクターでしばいた音に更にエフェクターをかけってbuffalomckeeのエフェクト使いはけっこうしつこいww

 B: なんですか三大Electric Ladylandってw

 バンドやろーぜとか、ギター買ってすぐの頃に読みましたよ。PATI PATIとか。機材は中古をよく買ってるので、使ってると壊れることがよくあるのでまた違うのを手に入れて使います。だめだなと思って売ったりします。メインで使ってるエフェクターは特にいまないですが、数年前にアナログのミキサーを手に入れてそれで音がかなり変わりました。

 Buffalomckeeはその辺で簡単に手に入る安い機材でやるっていうのもあったんですが、それを手に入れてコンセプトが崩壊したまま続けています。

 で2014年の新作(!) BOX2の Sutebachi Kensakusei Shogai トラック6ですが、これはZOOMの1208という変態ラック型エフェクターとベリンガーのベース用の歪みを使ったはずです。BOX2のカッスい印刷のは銅鑼のようですが鏡なんです。謎の鏡だそうで。この"ボヨ~ンボヨ~"っていってるのは口琴を自分で演奏しています。仕事で出張した先のまわりに何もなくて、ホテルに缶詰状態の作家だと錯覚したりしながらみえざる何かに抵抗しました。大阪という土地柄、エフェクターも使いもしつこくなっているのかもしれないですね・・もちろん人によるでしょうけど。

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