我が子が発達障害/障害児育児のプロになろうと思ったお話
我が家の子供は2人とも発達障害児です。
今は神経発達症と言われていますが、まだまだ浸透されていないのであえて発達障害児と明記しています。
長男は軽度知的障/ASD/ADHD
長女は境界知能/ASD/ADHD/場面緘黙
診断名は同じでも2人の特性の現れ方は全く別物です。
2人を育てている過程で、
【発達障害児育児のプロになろう】
そう考えるようになったお話をしていきたいと思います。
発達障害児育児のプロ
現在の職種と取得した資格
現在は
児童発達支援センターにて勤務しています。
保有資格
・調剤薬局事務
・日本食育インストラクター
・食品衛生責任者
・子ども発達障がい支援アドバイザー
・児童指導員
・介護職員初任者研修
・実務者研修
上記の資格は全て我が子が障害児と判明した後に取得しました。
・偏食があった我が子に寄り添うための食関係の勉強
・基礎の基礎を学ぶための民間資格ですが発達障害支援
・補助から勤務して実務を積んで児童指導員
・成人後の就労支援や生活介助の基礎が学べる介護初任者研修
・モニタリングや計画書の作成の基礎を学べる実務者研修
我が子と暮らしていて疑問に思ったこと・知りたいと思ったこと
私自身の視点・視野を広げるために取得しました。
療育のプロ≠障害児育児のプロ
保育士や学校の先生に対して
「あの先生は育児したことないのになにがわかるの?」
といった意見を聞くことがあります。
それに対して、
「学校で学んできたのだからそれは通用しない。」
産んで育てていなくてもプロはプロだ。
といった意見も・・・。
それは療育分野でも同じです。
「障害児を育ててないのになにがわかるんだ」
という意見もあります。
答えの出ない論争だと思うのですが・・・。
私は障害児を2人育てていて、発達支援もさせていただいています。
しかし私は肢体不自由児育児や難病指定の児の育児も中度・重度の知的障害児育児もしたことはありません。
ですが職場では発達支援のプロとして責任をもって携わらせていただいています。
その2つの立場から見た私、一個人の意見としては
・そもそもの視点・土俵が異なる
・支援目標の達成には両者の理解と協力が必要
・支援者に求められているのは児に対する事柄だけではなく、保護者に対しての理解・共感・ケアも含まれる
と考えています。
それに対し、
保護者の立場からみて支援者に求める事は
我が子に対しての対応法を学ぶ・知識を培うための先生と認識する
といったところでしょうか。
発達特性は治るものではありません。
・社会に参加する経験を積む
・その社会にどう適応していくか
・本人の負担がどうしたら軽減されていくか
・いかに二次障がいを防ぐか
これらを支援者と保護者がタッグを組んで共闘して支援していくことがベストなのではないでしょうか?
一例として
子がパニックや癇癪で荒れてしまった時の対応方法について療育者と保護者との溝ができやすい理由をお伝えします。
生活場面で酷いパニックや癇癪が起きる場所は公共の場や他者の視線を浴びる所で起きる事が多いです。
周りには、あの子は発達障害児だから〜…と思う人はいません。
なにあのうるさい我が儘な子・・と思われてしまい、実際他人から酷い言葉を投げかけられることもあります。
それとは反対に療育者が対応するケースは、
いつもの建物内
おおまかなルーティンは決まっている
周りは特性理解者しかいない
この状況下でのパニックや癇癪の対応です。
前者と後者ではどちらの方が心的負担が大きいと思いますか?
圧倒的に前者です。
その保護者の心的負担を考えたうえで療育者は
「パニックや癇癪には反応しないで見守って」
と伝えているのでしょうか?
黙って見守っていると他所からは、何もしない親認定されてしまうのです。
その大きな違いを根本的に療育者や支援者の中に落とし込むことが必要だと思います。
そこの部分への配慮・気持ちがかけてると、保護者の方と療育者との間に溝が深まっていくのかと思います。
「なにがわかるんだ」
と保護者が感じないようにするためには、日ごろからのお互いの信頼関係の構築が一番大切です。
ただ正直な話をしますと、
発達障害児育児を経験していない人は、やはり育児の辛さの理解を100%にすることは不可能です。
私はどちらも経験したからこそ…よりそう感じるようになりました。
だからこそ
療育のプロ≠発達障害児育児のプロ
と考えています。
私が目指す発達障害児育児のプロ
それでは、私が目指した発達障害児育児のプロとは何か??
それは、
【我が子たちに最適なかかわり方ができるお母さんになること】
でした。
・我が子の特性の一番の理解者になる
・感情の理解、気持ちの言語化や表出を増やす
・困ったときに助けてと言える工夫
・何よりも安心できる存在になること
これらが一番大切にしたいことでした。
そうして1つずつ考えていくうちにたどり着くのは
発達障害児全員の育児のプロにはなれない
というところでした。
療育のプロ・育児のプロ
別物です。
私はやはり、
【我が子達の発達障害児育児のプロになる】
という前提条件があって、更に
療育のプロである。
と自己分析しました。
プロを目指したきっかけ
長男の育児は修行と忍耐
一人目の長男の育児はつらい経験ばかりでした。
以前の記事でお話しましたが、障害だと認めたくなかった期間もありました。
居なくなる
異食
器物破損
他害
自傷
これぞ社会不適合!と言われていました。
(今思えばずいぶん酷い事言われましたね)
スーパーでおばさまからしつけがなっていないと怒鳴られたこともありました。
ショッピングモールでおじさまに数十分怒鳴られたこともありました。
私が怒鳴られていても子は興味のある方に行きたくて必死で大癇癪です。
パニックから暴れて舌と唇を噛んで口から大流血して泣き叫んでる我が子をとっつかまえて帰宅したことも。
ママがいい!ママじゃないと!みたいな後追いに悩んだこともありません。
迷子になっても泣きません。
運動会も逃亡
発表会も逃亡
何度手を出しそうになったことか・・・。
何度道連れにと考えたことか・・・。
辛い事だらけでした。
長女の育児も修行と忍耐
長女は2人目という事もあり、長男の障害から知識があったことで早期発見早期療育につながることが出来ました。
1歳すぎたあたりからこの子も??と思うことがありました。
長女の特性の出方は、長男とは大きく異なります。
・私から離れない
・家族以外とは話さない
・あいさつすらしない
・家のトイレしかいけない
・固まって動かないまま涙だけ流す
慣れている場だとわがまま発揮して女王様みたいになる。
長男とはまったく違いますよね。
しかし、他人から「挨拶ぐらいしなさいよ」と怒られることは日常茶飯事でした。
大人に対して怖い・緊張するという気持ちが強かったのです。
長女に関しては、静かで大人しいので周りの大人が困らない分、周りへの理解も得られにくかったのです。
また、本人が困っていても何のアクションもしないので気付かれない。
帰宅後に言語化出来ずに泣く。
そんな日々でした。
悟りを開く
この特性種別が正反対の我が子たちを育てていて
『つらい・やめたい・逃げたい・誰も助けてくれない』
そう思うことが多くありました。
しかし、発達障害について学ぶうちにだんだんと私の心境は変化していきました。
それは、
「誰も助けてくれない・療育に通ってもよくならない」
から
「私が変わればいい・私も療育すればいい」
と思うようになりました。
児童相談所に相談に行ったことも市役所に相談に行ったことも、警察に保護のお願いをしに行ったこともある私ですが、
緊急を要する案件(生死にかかわる案件)でないとやはり施設やショートステイ利用も難しいのが現実なのかなと思います。
「助けて!限界!」を何度も超えていくうちに、
「もういい!私がなんとかするしかない!」と悟りを開いた状態です。
私はその気持ちから、ここまでくることができました。
ただ少数派であることは理解しています。
まだまだ修行中の身
今後の課題
仕事で特性のお子さんと関わるときは冷静な判断ができますし、取り乱すことは無いのですが、対象が我が子となるとまだまだ実力不足・経験不足です。
出来る限り顔に出さないように努めるのですが、やはり我が子となると難しいのです。
そして、我が子の年齢があがるにつれて対処方法も変化していきます。
発達年齢が上がれば上がるほど問題も複雑化していきます。
学童期の支援の知識が私にはまだまだ足りていません。
今後は学童期・さらには成人期の支援を学ぶことはが今後の私自身の課題になっています。
今後の目標
今は幼児期のお子様の療育に携わらせていただいていますが、今後は放課後デイサービスなどを通して学童期のお子様と関わる機会を作っていきたいと思います。
最後に
「障害児育児のプロになろうと思ったお話」はいかがでしたでしょうか?
我が子達が発達障害児だったからこそ、この道を歩んでいる私ですが、前を向いていけるようになるまでは数年かかりました。
現時点で、我が子達の成人期の姿を想像することが全くできません。
今後も成長と共にたくさんの壁にぶつかりますが、自分なりに子供たちと歩んでいきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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