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香港に戻ったかと思うぐらい月餅を見かける街、メルボルン。

メルボルン、急に暑い・・・というか日差しが強い。寒い寒いと数日前まで朝からお風呂に浸かっていた私だが、今日の暑さには驚いた。ご近所物語のナイスバディ子のメンタル並みに高低差が半端ない。

ふと近所を歩くと、近くの教会にある木にたくさんのピンクの花が咲いていた。桃の花か桜の花なのかは謎だが風情を感じるとはこの事であろう。

南半球での生活5年目の私が、「春が来た」と感じるタイミング第一位は家の中にこばえが入ってきた瞬間だ。例え10階以上に住んでいようと、都会の真ん中に住んでいようと必ずやってくる奴ら。耳元で「ヴーっ」なんて音が鳴り、黒ずくめの奴らが宙を飛んでいる姿をみて「あー、冬も終わりかな」なんて感じる。

メルボルン生活、初の冬の終わり。

黒ずくめの奴らは、やっぱり訪れてきた。

「オークランド(NZ)もメルボルンも一緒か」なんて思った矢先に運命の巡り合わせがあった。彼と一緒に駅の横のアジアンスーパーに寄った際に、冷凍食品エリアに目をやると、なんと冰皮月餅(冷たい月餅)が!!月餅をご存知のみなさんは、知っているかもしれないがオーソドックスな月餅は冷たいものではない。

そもそも月餅とは・・・と、聞かれると正直説明がめんどい。あの味をどう文章に書こうかと、調べてみて一番ピンときたのがこの説明だったので引用させてもらう。

蓮の実を使った餡に、塩漬けのアヒルの卵の黄身が入っています。あんにはごま油やラードが練り込まれることが多く、日本のお饅頭にはないずっしりした食べ応えが特徴です。

「月餅」の歴史を知ろう!食べ方やおすすめ通販商品も @macaroni by migicco < https://macaro-ni.jp/50153 >

要するに、お饅頭の皮の部分をもうちょっと薄くして、それにもうちょっと油っぽさを増量して、中身に餡をたっぷり詰め込み、真ん中に塩漬けの黄身を入れたものだ。

こんなのだよ、月餅。

そもそも私には香港育ちにも関わらず、塩漬けの黄身を食べる機会が少なかったため、子供の時に月餅を食べた際には「いらない」と一口食べて辞めてしまった。好きな味じゃなかったのだ。しかも子供の頃は無意識にヘルシー志向だったため、甘いものにすらあまり手をつけなかった。今とは正反対である。

香港はこの時期になると、あちこちで月餅が販売されていた。実家では、親は食べていたが、私と弟は手をつけなかった。しかし、両親がスタバの月餅ハーゲンダッツの月餅をもらった時は、ちゃっかり食べていた。紅茶味やコーヒー味の月餅、それにアイスクリームの月餅は子供の私たちの舌にピッタリだったのだ。

英語の慣用句で「Uncultured swine」という言葉がある。ニュアンス的には「世間知らず」「教養がない」という意味になるが、直訳すると「教養のない豚」になる。香港で育ったにも関わらず、スタバとハーゲンダッツの月餅しか食べてこなかった、正に私の事である。

飛べない豚はただの豚のように、教養のない豚もただの豚だ。

ニュージーランドでもこの時期になると、アジアンスーパーに月餅が並んでいた。レジ近くに積み重なっていたカンカンの山を横目に見ながら買わずにに過ごしていた数年間。・・・だって好きじゃなかったから。

だが、冷たい月餅は別である。この冷たい月餅はいわゆる「生月餅」という説明をしたら日本人なら「あ〜」と理解してもらえるかもしれない。味や食感的に、生もみじ饅頭が近い。そうです。皮がお餅なんです。冷えた月餅の全部がそうっていう訳じゃないらしいが、私が好きなのは皮がお餅みたいなやつです。

普通の紅葉饅頭は食べないが、生もみじ饅頭は食べる。和菓子はあまり食べないが、生八橋や梅ヶ枝餅みたいなのは食べる。・・・あ、私の食の好みはどうでもいい話なんですけど 笑

そんな訳で、冰皮月餅を見て感動した。ニュージーランドで、冰皮月餅は見かけたことがなかったからだ(*私の行動範囲が狭かったのもある)。早速マンゴー味の冰皮月餅を購入。まあ正直いうと、パッケージが可愛かったから購入したのもある。

友達が作ってくれたやつのが美味しかった。

美味。

味も雪見だいふくのマンゴー版を、もうちょっとどっしりした味にしたものだ。大雑把な説明で申し訳ないが、食レポではないので許してほしい。

この月餅を購入してからというものの、街中に月餅があちこちで販売されている事に気づき始めた。

オークランドでは見かけなかった光景である。メルボルン、やっぱりアジアの文化が根付いている・・・!香港生活20年以上の間、なんとも思っていなかった月餅が、ここにきて急速に気になるアイテムになるとは!

そんな私を狙ってか、私がfacebookで属している広東語のスヌーピーファンクラブというグループでこんな物が紹介されていた。(下記は公式SNSの引用)

スヌーピーの月餅!

しかも、これを買うとミニトートバッグが付いてくる!可愛い!日本に比べて、南半球でのスヌーピーグッズは貴重だ。しかも月餅の中身もカスタード!月餅というか、ほぼ大判焼きではないか!(*違います)

早速買いに行ってきた。彼に「アーニャ、これほしい」ぐらいの無茶振りで「スヌーピーのほしい」と言ってパン屋へ強引に連れて行った。

値段を見てびっくり。

スヌーピーの月餅セット:58.80ドル(5800円ぐらい)。

ちょっと高いので「え’’っ」と躊躇したが、彼は「香港でも月餅ってこれぐらいじゃない?」と言ってあまり驚かなかった。果たしてこの情報が事実かどうかはわからないが、買ってもらえるのであれば変に口を挟まない方がいい。

色の配色もいかにもスヌーピーで良き。

そうやってゲットできた限定品!どうやらラス2だったようだ。スヌーピーの人気は計り知れない。初日で売り切れにならなかっただけありがたいが、販売から3日でほぼ売り切れなのもすごい。

早速開けてみた。

かわいい♡

意外と小さめである。「やっぱりコスパ悪かったか」なんて考えが一瞬頭をよぎったが、可愛い上に、トートバッグとカンカンがあるのを忘れてはいけない。

いざ、試食!

大判焼きとか勝手に思いこんでいただけに、味に驚いた。これは、飲茶に出てくるカスタードまんの味だ。カスタードまんのふわふわの皮の部分がどっしりした月餅のお饅頭の皮になったら、この味になる!いや、やっぱり月餅なので、ヘビーな味。美味しいが、一つを彼と半分こにして満足だ。

小さめなんて言って悪かった。製品開発側の人の判断を疑って申し訳ない。ちょうどいい大きさでした。

味の感想

スヌーピーの月餅は美味しかったが、やっぱりこのヘビーさは胃がもたれてしまいそう。そもそもひとりでバクバク食べるもんじゃないのに、食べようとしているのが問題なのかもしれない。

中秋節は1ヶ月先。メルボルンにあるチョコレートショップ KOKO BLACKでも月餅を販売するそうなので、私の月餅食べ比べはまだまだ続きそうだ。


けど、私はやっぱり冰皮月餅派かな


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