映画マニアを名乗りた〜い!(12) 全然知らない×知らないもん

まえがき ─ 遭遇

ちゃっす。ずっちゃんっす。
今回は全く知らない映画を見てみようという回です。
映画まだ全然詳しくないのでもしかしたら普通に知られてる奴もあるかもね。許してね。どうぞ。

プロミシング・ヤング・ウーマン

とある事情で医大を中退しカフェで働きながら夜ごとバーで手を出す男に制裁を加える女は大学の同期の男と再会し

あらすじむっず〜。
超フェミニズム映画でした。これは近年のネットにおける揶揄的な意味でのそれではなく、正しいフェミニズムの映画。
導入は「オトコを逆に手玉に取ってみせる強いオンナ」系のつまんねえ話に見せかけて、兎に角めちゃくちゃ苦しくて悲しくてやるせない話でした。
最後のオチが若干チープではあったものの、それくらいの救いがあってくれて良かったと思えるほどには見てて辛かった。
ホモソーシャル的社会の暴力性とは絶対に全員が向き合っていかなければいけないと思います。
胃が痛くなる映画。

必殺!恐竜神父

両親を爆殺された神父が恐竜になれる力を手に入れて悪人を成敗する (黒幕はチャイニーズニンジャ)

一転してクソバカZ級映画です。
開始1分で車が爆発するんですけど、「VFX:Car on fire」というテロップで済まされて一切爆炎とかは映りません。そういう映画です。もう最っっ高ですね。これこれ〜!!!!
ダサくて分かりにくいカメラワーク、ショボくてうるさい音響、トンチキすぎる設定とストーリー、いたずらなスプラッタ、そこらへんの公園みたいなロケ地、ヘロヘロの殺陣、ペラッペラの会話。
やおら挟まる本筋に全く繋がらない脇役の回想、終始ステゴロで戦うしただの女子大生にボコされるニンジャ、一向に全身出てこないしいざ出てきたらドンキホーテで売ってるコスプレレベルの恐竜、伏線も無いし恐竜とも神父ともニンジャとも関係ないけど現れる先祖の剣(使い捨て)。
っていう有り様の割にキャストは全力で良い芝居。
多分敢えてやってるタイプの映画なんだけど、その狙いが滑ってなくてカッチリハマってるのが良かった。
完璧なZ級。ワクワクでウキウキの70分でした。大好きです。

人数の町

借金取りに追われる主人公は謎の男に連れられ奇妙な町へ

いわゆるディストピアものですが、「いずれこんな未来が来るかもね」ではなく「実は今こんなことになってるかもね」っていう造りなのが怖い。
「人数」というキーワードで現代社会に切り込む設定はとても好きです。
自然な芝居だけどやたらと濃いキャラも説明しすぎない全体的な構成や演出も良い。
ただ誰の情緒も理解があまり出来なくてモヤ〜ンとした感覚が少し残りました。
もうちょっと長尺で見たかったかも。説得力というか。環境に戸惑い、受け入れ、誰かと出会って変化が訪れ、っていう感情の流れに説得力があればもっと良かったかなと思います。
全体的には結構好きな映画。

ゴーストランドの惨劇

家に押し入った暴漢を母が滅多刺しにした惨劇から16年後、久しぶりに帰ってみたけど

クソつまんなさそうなタイトルなのに面白かったな。まーた変な邦題付けやがってと思ったら原題そのままでした。
ホラー映画はなるべく綺麗な人がなるべく酷い目に遭うほど良いとされていますが(俺の中で)、まさにって感じで楽しかったです。
ギミックとスリルと絶望のバランスが良くて、最後までウキウキで見れました。
ビックリ効果音と悲鳴がちょっと過剰だったのは嫌だったかも。
あとオチの付け方がな〜。こういう監禁ホラーってちょっとくらいは刑事とかが嗅ぎ付けて突き止めるまでの過程が欲しいんだけど、いきなり突入してきたから何かモヤッとしました。しかもだいぶ長いこと監禁されてたっぽいのにね。
まあ若干ベタな感じではありつつも、見やすくてかなり面白かったです。でも描写はエグいっちゃエグいので人は選ぶのか?

さがす

「指名手配の連続殺人犯を見付けた」と言って翌朝姿を消した父

コメディのイメージが強い俳優をメインに据えてシリアスなサスペンスやトラジディをやるというのはありがちな手法なんだと思いますが、やっぱり良いものですね。
佐藤二朗、ちゃんと真面目に芝居すればめちゃくちゃ良い俳優さん。
もう一人の主人公である娘役の伊東蒼さんも初めて拝見しましたが、すっごく上手な人でした。表情筋がよく動くのは良い役者だと思います。
ストーリーも時系列や視点が移り変わるもののちゃんと解りやすいし裏切りや謎の回収も丁寧にやってくれて、綺麗に作られているなという感想。
殺人犯のバックグラウンド(どうしてそういう思想になったのかなど)とか心情描写があるとなお良かったかな〜。でも描きたいのはそこじゃないから敢えてオミットしたというのもあるかも。
全体としては死についての自己決定権という難しいテーマに挑みつつも問題提起で終わらずにストーリーテリングも魅力的に仕上げていて、非常にグッドな映画だと思いました。

ガンズ・アキンボ

殺し合いを中継する闇サイトにクソコメしまくってたら自分も参加させられちゃったよ

ダニエル・ラドクリフ主演だけど魔法は一ミリも出ません。みたいなことを彼は永遠に書かれていそうな気がする。
それはさておきガンアクションバカ映画です。
何かそんなに面白くないなと思いつつ見れちゃったな。えぢからという奴でしょうか。めちゃくちゃ見やすい映画でした。
デスゲームを中継されてるってそこそこよくある設定だと思うけど、視聴者が一番クソだよねみたいな部分をあんま掘り下げることなくシンプルなコメディありのアクション映画で終わったのは新鮮だったかも。
でもどうしてもこの手の映画って主人公の被弾少なすぎて笑っちゃうんだよな。今作に関しては怪我も爆速で無かったことになるから尚更。まあそこをツッコむのは野暮ってもんなんでしょうね。
良く出来た映画だったとは思います。

よく考えたら毎回大体知らない映画を見ているのであんまこの括り意味無かったかもな。まあいいや。
次回は逆にめちゃくちゃ有名だけど見たことない映画を見てみようかと思っています。
あざした草薙。

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