イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭2024
チェコのイフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭の短編ドキュメンタリーで、特に面白かったものをメモ。
https://www.ji-hlava.com/
<実験ドキュメンタリー部門「Fascination」>
Sruthil Mathew"Dinosaur's Egg"(インド)
監督の祖父母が80年前に去った、インドの山奥への精神の旅を、鮮烈なビジュアル・イメージとサウンドで表現する。インドの遺跡の写真が多数使われている。
Masuma Makhamadalieva"Soulslayer"(ウズベキスタン、キルギスタン)
ウズベキスタンの伝統文化をテーマに、ウズベキスタンの記録映画や写真など、さまざまな資料から引き出された物語が、喚起的なサウンド・デザインの中で展開する。
Malaz Usta"space_invaders.exe"(オランダ、シリア)
様々な時代や情報源からのイメージを重ねた独創的なファウンド・フッテージ・コラージュによって、誤った情報や、異質な要素、動き、解剖学、ジェスチャーの存在に支配される可能性のある未来をパロディ化している。
Tin Dirdamal, Runway AI"Saigon, Kosovo"(コソボ、ベトナム、アメリカ)
独創的な語り口と時間的距離を通して、ベトナム語を話すコソボ人女性とベトナムにいたアメリカ兵をつなぐ。
<短編コンペティション「Short Joy」>
May Myat Noe Aye"Ruby Hunters"(ミャンマー)
過酷な労働、不安定な収入、借金まみれの家族。これらは、ミャンマーの廃鉱で宝石を探す人々が直面している状況だ。採掘が禁止された後も、地元の人々は何千もの宝石を見つけようと躍起になっている。「いくら掘っても見つからないこともある。でも、いい宝石が1つあれば、お金持ちになれる。」
Izabela Zubrycka"You River"(ポーランド)
このモノクロ印象派エッセイの主人公は川であり、カメラはその視点に立つ。時に穏やかに、時に荒々しく風景の中を流れ、動物や人々の生活に影響を与える。ある人にとってはインスピレーションの源であり、民間儀式の一部でもある。
Shadab Farooq"Only if the Baby Cries..."(インド)
ヒマラヤ山脈のふもとにある聴覚障害者の村ダドカイは、専門家を当惑させてきた。なぜここで障害者ばかりが生まれるのか、その理由は定かではない。しかし地元の人々は、新生児が音を聞き分け、音を出せるかどうかを確かめるために太鼓を叩き、口笛を吹く。雄大な風景のなかにあるコミュニティを、感覚を駆使して観察したこの肖像画は、私たちを取り巻く世界とつながるために言葉は必要なのかという疑問を投げかける。