とろ玉角煮丼
ズルめし美女。それは高カロリー、高脂質、高糖質……そんなの美味いに決まってる、通称”ズルめし”を、ひたすらかわいい女の子に食べてもらうことで、あらゆる背徳感をお届けする「男の欲望が詰まったグルメメディア」である。
ここはまさに禁断のサンクチュアリ。いや恍惚のギルティー。はたまた微笑みのパラダイス……。足を踏み入れたら最後、あなたはあらゆる欲をくすぐる料理と女によだれが止まらなくなるだろう。
プロのカメラマンとフードスタイリスト、ライターが本気を出してつくる当メディア、前回までに3回は餅特集をお届けした。
今回からの3回は「豚料理特集」をお届け! 第一回は「角煮丼」をご紹介する。
今回のズルめしガール
今回からはコントラバス・ピアノ奏者であり作編曲も手掛けている「Yu-Ka」さんにズルめしを召しあがっていただく。プロのコントラバス・ピアノ奏者として、あの「題名のない音楽会」に出演するほどの腕前を持ちながら、その美貌を生かしてモデルとしても活躍しているYu-Kaさん。まさに才色兼備とはこのこと。
ちょっと一度、Youtube動画を見てほしい。椎名林檎の「丸の内サディスティック」カバーなんか、男女問わず惚れ惚れとしてしまう。いやまったく前世でどんな徳を積んだら、こんなに素敵な人が出来上がるのか。歴代、お坊さんなのか。そんなYu-Kaさんに、煩悩が詰まったズルめしをたっぷり食べさせるのが、もう楽しみでたまらない……!
ちょっと一回、角煮をゆ~っくり噛んでみて。
「豚の角煮」。それはシンプルでありながら奥が深い料理である。「豚をタレに付け込んで野菜などと一緒に煮る」と言ってしまえば、めちゃ簡単そうに聞こえるが、いやいやそんなに単純ではない。店によってタレが違えば、炊き方も違う。
もともとは中国から長崎に伝来した料理であり、向こうでの呼び名は「東坡煮(トンポーロウ)」だ。江戸時代の長崎はマジで貴重だった。数少ない、海外交流ができる町だったので「卓袱料理」と言われる中国やオランダ、ポルトガルなどの文化を取り入れたメシがたくさん生まれている。それから約200年、今だに日本人の心をつかんで離さない角煮は、いやはや、罪な料理だ。
甘辛いあの味わいもさることながら、不思議な食感に魅力が詰まっているといってもいい。「え~柔らかいだけでしょ」と言いたくなる方もいるかもしれん。ちょっと次食べるとき、肉を縦に持ってゆ~っくり噛んでほしい。一口のあいだに3段階くらい、歯触りが変わる。
まず表面の皮の部分。ここはもちっと歯が入っていく感じだ。もちっとスタート。これがまず珍しい。そしてすぐ裏の脂肪の部分はトロトロしており「噛む」という感覚がまるでない。そしていよいよ肉に到達する。ここは少し歯ごたえがあり、歯が当たるとほぼ同時にホロホロと繊維がほどけていく。噛みきった後に咀嚼をすると、3層が口のなかで交わり、鼻からあの食欲をそそる風味が抜けていくのである。
気づいたら満面の笑みでムホホホホと声が漏れる。そういえば、しかめっ面で角煮を食べている人なんて見たことがない。あの厚さの肉をほおばるという行為が多幸感を生むのだろう。そのためには「焼き」ではなく「炊き」しかない。そんなみんな大好き「豚の角煮」を我々ズルめしクルーはごはんの上に盛り付けた。
見よ、このまばゆい輝きを! 既に角煮のみで脂質爆弾なのに、糖質を足してやった。黒ウーロン茶のCM起用待ったなしメニューだ。もちろん我々は黒ウーロン茶すら出さない。美味しいものは、脂肪と糖の吸収あってこそ美味しい。第一、かわいそうではないか。サントリーは吸収されなかった脂肪と糖の気持ちを考えたことがあるのか! 奴らはいったいどこにいくんだ! 素通りで排泄コースなのか! むごすぎるだろ! なのでズルめし美女の方針としては今後も脂肪と糖はそのまま持ち帰っていただく。
そんなハイカロリー丼ぶりを、いざYu-Kaさんのもとへ!
「やったー! 角煮大好きなんですよ!」
「『豚料理特集』って聞いた時、角煮来い!って思ってました」
「玉子いいですね~! ぷるぷるしてて美味しそう!」
喜んでいただけて何よりである。角煮はやはり正義。それが丼になれば、日本人はもうイチコロだ。現場にはあの甘辛い香りが漂っており、見ているこっちまでおなかが空いてくる。
「じゃあいただきまーす! あ、玉子割っちゃってもいいですか?」
「(カメラマン小堀氏)あ、もう割っちゃう感じ?」
「はい! 最初に割りたい派なんです!」
なるほど。確かに半熟卵を割るタイミングは人それぞれだ。しかし以外と最初に割るという方は少ないのではないか。なんだかプレゼントをもらった瞬間に開ける子どものようで、Yu-Kaさんの無邪気さを感じる。
そしてひと口!
「うん。柔らかくて美味しい~!」
「玉子が絡んでいいですね。タレもすごくおいしい」
パクパク食べてくれるYu-Kaさん。本当に食べっぷりがいい。食道のおばちゃんから好かれるタイプである。
「これ、かきこんじゃってますけど、大丈夫ですかね。なんか食いしん坊な感じに(笑)」
はい、もう完全に食いしん坊な感じに映ってます。だが、それがいい。そのペースで食べ続け、いよいよ「あれやばい、結構おなか一杯になってきました(笑)」と言った時点で終了! Yu-Kaさん、あと二品残ってますけど、果たしてすべて食べきれるのか!
次回予告
今回は糖質も脂質も豊富なギルティ―メニュー「角煮丼」をお送りした。既に満腹感を感じ始めているYu-Kaさんには少々酷だが、次回はハイカロリー病みつきメニューとして若い女子に大うけの「チーズハットグ」をお届けする。残りの二品にどう立ち向かうのか。こうご期待。そしてコントラバス演奏動画をぜひチェックしてくれ!
■とろ玉角煮丼
《材料》
豚バラブロック 600g
生姜(皮付きスライス) 2枚
長ネギ(青い部分) 1本分
サラダ油 大さじ1/2
茹で汁 600ml
酒 A 150ml
砂糖 A 75g
しょう油 A 150ml
生姜(皮付きスライス) A 3枚
豚角煮 適量
とろろ(市販品) 適量
温泉卵 1個
かいわれ大根 適量
ご飯 適量
わさび 適量
《作り方》
1、 フライパンにサラダ油を入れ熱し、豚肉の全体に焼き色がつくまで焼く。
2、 鍋に1の豚肉、ネギ、生姜、かぶるぐらいの水(分量外)を入れ、強火で熱し、沸騰したら弱火にし1時間下茹でする。
3、 豚肉を取り出し、食べやすい大きさに切る。
4、 鍋に3の豚肉、ネギと生姜を除いた茹で汁、Aの調味料類を入れ中火で熱し、沸いたら弱火にし落し蓋をして30分煮る。
5、 丼にごはんを盛り、4の角煮、とろろ、温泉卵、かいわれ大根、わさびをのせる。
■クルーの紹介
photo:小堀 将生(https://bicture.jp)
style:田口 竜基(http://fooddragon.net)
write:緒方 優樹(https://giraffecompany1016.wixsite.com/mysite)
model:Yu-Ka
Official(https://www.yu-kabass.com)
Youtube(Yu-Ka [優香]Contrabass)https://www.youtube.com/channel/UCyfkTgAoiUvlv2NYZjtLkUw
Instagram(contrabass.ka)https://www.instagram.com/contrabass.ka/
Twitter(Yu-Ka/Contrabass)https://twitter.com/contrabass_ka_