転職活動体験記
背景の説明
自己紹介
転職活動を振り返る前に、簡単に自己紹介をさせてもらいます。
性別:男
年齢:32歳
学歴:MARCH卒。グロービスでMBA修了。
経歴:外資系食品メーカーで法人営業3年。外資系市場調査会社で法人営業を5年。
語学:英語・中国語ビジネスレベル。
高校時代にアメリカへ1年間交換留学、大学時代に中国に1年間留学をしています。
なぜ転職をしようと思ったのか?
職場要因
職場要因については、端的に言うと「刺激の無さ」でした。
現職では入社以来、新規営業チームに所属し、調査サービスの提案を担当しました。
入社当初は、幅広い業界(メーカー・商社・小売りなど)に関わることでき、飽きっぽい私でも新鮮味を持ち続けて職務にあたることができていました。
そのため、私の営業成績も良い年もあれば、悪い年もありましたが、オフィス1位の成績を達成する年があるなど、総合的に見れば順調な部類に属していたと思います。
ただし、外資系企業で、ジョブ型雇用を採用しており、ジョブローテーションもないので、社歴が長くなるにつれて、刺激がなくなり、マンネリ化してきたことも否めませんでした。
そんな状況でしたので、環境を変えたいという思いもあり、2022年の長女出産を機に、6ヶ月間の育児休暇を取得しました。
法律上は権利が認められているものの、男性で育休を6ヶ月も取らせてもらえるのは、この職場の良いところであり、今でも感謝をしています。
会社には少し申し訳ない気持ちがあったものの、育休終盤には転職も念頭に置いて、情報収集などを始めていました。
育休復帰後も、やはり自身の気持ちは晴れず、より本格的に転職を検討を始めました。
個人要因
個人要因は、2022年に修了したMBAを活かしたいということが大きかったです。
もう少し具体的に書きますと、MBAのコース内で「クリティカルシンキング」「定量分析に基づいた意思決定」などを学び、こうしたスキルがより活かせる職場・職種に挑戦してみたいと感じました。
現職の営業業務でも、MBAで得た数値管理やフレームワークなどは大いに役立ったと感じています。
しかし、営業活動量が重視されることは否めず、もう少し戦略的思考が求められるような環境に身を置きたいという気持ちが徐々に大きくなっていったと記憶しています。
もう1つの個人要因としては、職場での人間関係に関するものです。
営業成績を重視し過ぎたあまり、私が周囲の人間に対する配慮を欠いていたと反省しています。
現職は外資系企業で、成果主義が強い組織文化でした。
毎月自身の売上に乗じたコミッションが支給され、組織内での評価も売上実績に紐づいていました。
上記のMBAで、各分野の有用なフレームワークを勉強するにつれて、この知識を現職で応用してみたいと思うようになりました。
しかし、実績のない人間が、そういった変革プロセスを起こすのは難しいと悟りました。
売上至上主義に近いこの組織では、まず高い営業成績を叩き出し、組織内で発言権を得ることが先決だと考えたのです。
今思えば、その辺りから周囲と協力しようという気持ちが薄くなってしまったように思います。
調整に労力がかかる他部署と連携するよりは、自部署・自身で完結するソリューションに重点を置いて、営業活動をすることが多くなりました。
営業成績・コミッションはどんどんと上がっていきましたが、周囲との関係に隙間風が吹いていくようになりました。
転職活動
まとめ
面接回数は、カジュアル面談やリクルーターとの面談も含めて、19回でした。
転職活動期間は、10月中旬から12月中旬で、約2ヶ月間です。
受けた企業は、調査会社が6社、事業会社1社、総合コンサルが3社といったところです。
最終的に、調査会社2社から内定を頂きまして、その1つの法人営業として転職することを決めました。
プロセス
約2ヶ月の転職活動期間ですが、明確な目標に突き進むといったものではありませんでした。
転職は、相手が存在するため、自分でコントロールできない要素も多いものです。
そのため、活動を進めながら、目標をその都度調整していきました。
その変遷を、3つのフェーズに分けて、まとめてみたいと思います。
来るものは拒まず期
「現職とはちょっと毛色の違うことがしたい」や「ワークライフバランスは、崩したくない」などと、ぼんやりとした方向性はあったものの、あまり明確な方針はなく、まずは受けられそうなところは受けてみようというスタンスで始めました。
といっても、お門違いな企業を受けるのも効率が悪いかと思い、ビズリーチやLinkedInでお声掛け頂いた企業の面談を積極的に受けていきました。
近年の人手不足の状況もあってか、結構多くの企業から面談のリクエストを頂くことができました。
この時期は、カジュアル面談→1次面接 or Webテストとタスクが多く、現職業務との兼ね合いが結構大変でした。
企業によっては、Webテスト(SPIや玉手箱など)を求められるところも多く、就活生に戻ったような気分を味わいました。
カジュアル面談や1次面接で、いろんな業界・お話を聞かせて頂き、単純に個人的な興味としてもいい経験だったなと思います。
この時期は、落選するケースも少なく、「俺って市場価値高いのかも!」と、自信過剰になっていたかもしれません…
コンサル憧れ期
「来るものは拒まず期」では、調査会社・事業会社などと幅広く受けていたのですが、友人との会話をきっかけに、「コンサル憧れ期」が訪れます。
この友人は、大学の同級生で、ビジネススクールでたまたま再会し、キャリアについて話すようになりました。
彼は、総合商社でバリバリ働いていたのですが、最近有名なコンサルファームに転職したとのことでした。
私は、コンサルは労働時間が最も長い業界の1つという認識があり、少し敬遠していました。
しかし、MBAで学んだ知識やフレームワークが活かせる業界なのではと思い、いろいろと調べるようになりました。
すると、業界全体として以前のような長時間労働は緩和されてきていて、プロジェクトの合間に長めの休暇を取ることも一般的であることを知りました。
また、コンサル業界は、コロナ禍でフルリモートに移行しており、プライベートとの調整もつけやすいという声もありました。
そして、コンサル業界は現在拡大成長期にあり、経験が少ない人材も積極的に採用をしているようでした。
このような状況であったら、私でも挑戦できるかもしれないと思い、コンサル業界に精通しているというリクルーター何名かとお話をさせて頂きました。
そして、紹介頂いた外資系総合コンサルファームや、ダメ元で戦略コンサルファームにも、応募をしました。
迷走期
転職活動開始当初は、お声掛け頂く企業も結構あり、書類面接・1次面接も突破できるところが多く、自信を強めていました。
しかし、2次面接以降でお祈りメールを頂くことが増えていきました。
原因としては、「転職の軸が定まっていなかったこと」「未経験職種に挑戦したこと」などと、考えています。
私は、自己紹介でも書いた通り、大学卒業から法人営業一筋でやってきたのですが、「いつまで営業戦士としてやっていけるのだろうか…」「年下の上司ができたらやっていけるだろうか…」のような理由で、漠然として不安を抱えていました。
こんな思いもあり、現職の近い業界で、別職種(リサーチャー、管理職、コンサルタントなど)にキャリアチェンジをしたいなと考えていました。
しかし、お声がけ頂く企業は、私の法人営業として経験に興味を持って頂くことが多かったです。
未経験職種にも応募したこともあってから、初期の段階では10社以上あった選択肢が、見る見るうちに数社へとなってしまいました。
この段階では、「結局、法人営業しかオプションは無いのか…」や「MBAも取ったのに、あまり需要はないのか…」と、自信喪失気味になっていきました。
そこから、さらにネガティブスパイラルにハマっていきます。
「そもそも自分は、何をしたいのだろうか…」や「周りの人間は、やりたいことが明確で、自分とは違う…」と、完全に自分を見失ってしまっていました。
転職活動に力を入れていたため、現職の業務にも身が入らず、そんな自分の姿勢に嫌気が差す状況になりました。
そんな中でも、市場調査会社の1社が熱心に誘ってくれまして、サービス内容も革新的で興味を持つようになりました。
職種は現職と近い法人営業なのですが、会社の規模が小さいこともあり、「法人営業+α」で挑戦できる余地もあるのでは?という希望的観測もありつつ、そちらでお世話になることに決めました。
内定受諾から1ヶ月以上経った今でも、今回の転職が適切だったのか確信は持てていません。
当初は、職種変更が転職の軸であったのにも関わらず、同業の同職種という転職でどれだけ成長できるかは不安の残るところです。
しかし、決断した以上は精一杯その企業に貢献できるようにやろうという気持ちが湧いてきました。
現職では、人間関係を中心に反省するところが多いのですが、そういった失敗を活かして次の環境では働こうと思っています。
気付き・学び
転職活動を通して、気づいたこと・学んだことをまとめておきます。
今回の転職活動前に知っておけばよかったと感じたことなので、お読み頂いている方でご参考に頂けるところもあるかと思います。
転職活動は「プロジェクトマネジメント」なのだなと感じました。
行動を起こしてみることは大切ですが、無闇矢鱈に動いていると、無駄な労力が発生したり、良い機会も逃してしまうと気付きました。
情報収集、計画、選考プロセス、意思決定の大きく4つのフェーズに分けてまとめてみます。
情報収集
転職活動に関する情報は、巷に溢れていて、ともすると情報の渦に飲み込まれてしまいそうになります。
私が実際に利用して有用だったサービスを列記していきます。
Webサービス系ですと、Openwork、転職会議、LinkedIn、YouTube、Google検索、日経、バフェット・コードなどをよく使っていました。
Openwork
もう広く知られていますが、Openworkは様々な企業の現社員やOB/OGの口コミがまとめられています。
かなり赤裸々に書かれた内容も多く、企業の内情について知ることができます。
人事担当者の言うことを鵜呑みにせず、労働環境や待遇といった実情を知るにはとても良いサービスです。
年収レンジも、年齢別・職種別に見ることができるので、選考を受ける前に期待できる待遇を推測することもできます。
転職会議
転職会議も、Openworkと近いサービスで、社員の口コミを見ることができます。
Openworkと違う点は、Webテストや面接の内容についても書かれている点です。
「聞かれた質問」「面接官の印象」「選考回数」などについて、書かれている企業もあります。
選考前に、想定質問やWebテストの構成を知ることができれば、より良い準備ができます。
LinkedInは、企業の採用担当者やリクルーターと繋がるチャネルとしての役割もあります。
それに加えて、その企業の社員の大まかなバックグラウンドを知ることができます。
企業を選ぶ上で、「同僚とうまくやっていけるか?」はとても重要な要素ですよね。
LinkedInで企業名を検索すると、所属社員や元社員のプロフィールを見ることができます。
下記Webページにある通り、足跡を残さずに、プロフィールを見ることができるようです。
あなたのLinkedInを閲覧した人の確認方法と履歴を残さない方法とは
未来の同僚の学歴・社歴・LinkedIn上のアクティビティを見させて頂くことで、なんとなくの雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか?
また、退職者の社歴を見て、「極端に在籍期間が短くないか?」「ステップアップ出来ているのか?」などと、参考にできる情報が多くあります。
YouTube
YouTubeでは、主に「転職活動のノウハウ」、「業界情報」、「企業情報」を収集することができます。
【転職】サラタメのホワイト転職は、分かりやすい内容で、コンパクトにまとめられているので、スキマ時間にぴったりです。
下記2本の動画を見ておけば、大きなミスはしないかと思います。
業界情報
各業界に特化したチャンネルもあります。
私は、コンサルに憧れていた時期があったのですが、コンサル業界のイメージがいまいち掴めず、YouTubeを中心に、情報収集をしていました。
特に良いと思ったチャンネルをご紹介します。
コンサル転職・就職チャンネルは、リブ・コンサルティングという日系コンサルファームの自社メディアのようですが、自社のアピールに限らず、コンサル業界やコンサルタントの働き方について多くの動画を上げています。
トプシュー / キャリアの図書館 (転職 | 就活)は、大手有名企業出身者が立ち上げたチャンネルのようです。
コンサル業界経験者などのインタビュー動画が多くあるのですが、聞き手のファシリテーション能力も素晴らしく、知りたいことがコンパクトにまとめられています。
みながわ.R ちゃんねるは、外資系総合コンサル現職者の方が、仕事やプライベートについて、ポップな形で動画にまとめています。
コンサルというと、論理でズバズバ切る、どこか寄せ付けない雰囲気といった印象があったのですが、「みながわさん」は親しみやすい方です。
選考プロセスなどもストーリー形式で動画にされていて、参考にできるところも多いと思います。
コンサルキャリア chは、人材コンサル会社のチャンネルです。
おそらく、大手コンサルファームとは仕事上のつながりがあるようで、客観的な比較や企業文化の違いなどについて、豊富な知識と経験をお持ちのようです。
ハイクラス転職のリメディは、M&A・戦略コンサル・ベンチャー業界に強みを持つエージェントである
リメディ株式会社が運営しています。
コンサル業界というと、ケース面接が特徴的かと思います。
そのケース面接の模擬面接と、実際の評価を元面接官の方がされていて、とても参考にさせてもらいました。
企業情報
【公式】ワンキャリアライブは、就活サイトONE CAREERの公式YouTubeチャンネルです。
コンサル業界に限らず、大手企業の現職社員のインタビュー動画が上げられています。
業界知識はない前提でお話をされているので、業界初心者の方でも見やすい内容が多いです。
企業との接点
企業との接点としては、王道なところで、ビズリーチ・LinkedIn・Eightを使っていました。
忙しい方でしたら、ビズリーチとLinkedInだけで問題ないと思います。
Eightからも、何件かお声掛け頂きましたが、ミスマッチが多い印象でした。
計画
当たり前なのですが、選考プロセスの計画は、とても重要であったと気付かされました。
というのも、中途採用は、内定通知から返答期限までが長くて1~2週間ほどしか猶予が与えられないためです。
複数の企業を受けて、最終的にオファーを貰った中から比較検討をしたいところですが、選考スピードにも差があるので、なかなかスケジュール調整が難しかったです。
大前提として、情報収集で希望企業をリストアップし、志望度が低い企業から受けていくのが良いかと思います。
Webテストや面接は、ある程度経験が必要です。
私も回数をこなすうちに、転職理由や志望動機がスムーズに話せるようになりました。
また、志望度の低い企業で不合格となっても、精神的なダメージは小さいですよね。
選考スピードが早い企業は面談の日程調整を遅めにして、志望度が高く・選考スピードが遅めの企業は早めの日程調整をすることで、決断時になるべく多くの選択肢を残すことができます。
選考プロセス
上記プロセスを経て、ようやく選考プロセスにはいります。
履歴書
履歴書は、自己流で書くのではく、既にある成功パターンを参考にした方が、通過率は上がります。
私は、下記動画を参考にしました。
また、リクルーターを通して、応募する場合は添削をお願いすると良いでしょう。
特に、コンサル業界は、資料作成能力が評価されるそうなので、見やすく・分かりやすい履歴書作成が必要だそうです。
Webテスト
Webテストは、SPIと玉手箱を受験しました。
SPI
下記2つのアプリがオススメです。
SPI言語 【Study Pro】
SPI非言語 【Study Pro】
スマホやタブレットのアプリとして利用でき、スキマ時間に練習ができます。
解説も分かりやすく、課金する価値があると思います。
玉手箱
下記のアプリを利用しました。
こちらもシンプルなUIで、間違った問題が記録されるので、復習もしやすいです。
2つのテストについて、言えるのはある程度経験が必要ということです。
いくらアプリや参考書で練習をしても、本番の雰囲気・問いていくスピードは、慣れが重要です。
そのため、言い方は悪いですが、志望度が低い企業で経験を積むことが大切だと感じました。
経歴や実績があっても、Webテストで失敗してしまうと、面接でさえも辿り着けません。
うまく計画を立てて、志望度が高い企業の時には、準備万端にしておきましょう。
まとめ
転職活動という大きな決断をした後ということで、思いが強くなり、長文となってしまいました。
最近は以前と比べても転職がより一般的になってきているとはいえ、人生で数回ほどだと思います。
数年経つと、転職市場の状況や転職活動のベストプラクティスは変わってくるものです。
私も、久しぶりの転職活動であったため、行き当たりばったりになってしまったところが多々ありました。
転職を検討されている方や、現在転職中の方の参考になりましたら、嬉しいです。
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