【休職日記】突然休職した社員のその後#40
自立。
自立ってなんぞや？
じ‐りつ【自立】
［名］(スル)１ 他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に—する」
２ 支えるものがなく、そのものだけで立っていること。「—式のパネル」
私の両親はこの「自立」の魔法にかかっています。
親として、子を自立させることに責任を感じているようです。
模範的です。偉大です。
両親は、私が自立するのをずっと応援してきました。
だからキャリアブレイク中の今も、これからどーするの的な話を両親とすると、必ず確認が入ります。
「でも、ズッコは経済的自立に向かって、前向きに考えているんだよね。」と。
ごめん、パパ、ママ。なんかすごくむかつくんです。この確認。
いや、そりゃあそうですよね。間違ってはないです。
親として子を自立させるのは目標ですし、広く捉えてみれば、日本の経済的にも、子を自立させねばGDPあがんないよね。わかるよ。社会発展しないよね。
文部科学省も教育の目的についてこう述べているよね。
第1条（教育の目的） 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
親目線で言えば、子に経済的に自立してもらわないと、親に依存されて、いつまでも親が子を支えなきゃいけなくなっちゃうよね。それって親にとっては負担だよね。社会問題だよね。わかってる。親の未来暗くなるし、私も自分らしく生活を作って生きていけなくなるよね。
でも、私の今の気持ちガン無視ってか、全く聞いてなくないですか？
「でも、ズッコは経済的自立に向かって、前向きに考えているんだよね。」この言葉の中には、親にとって理想通りの子どもになってほしい願望や期待が込められています。とーぜんだ、とツッコミが入るのも想像できます。
でも、これ落ち込んでる側からするとめっちゃプレッシャーだしすぐにはそうなれないことがわかっているので辛いんです。早めの復職をするのを期待している上司みたいじゃないですか。こちとら心と体ファースト党です。
親が私を大切に思い、自立に向けてサポートしてくれようとしているのはわかります。
でも今その伴走いらん。ごめん。
私はどんな時も前向きじゃなきゃいけないのでしょうか？
経済的自立を目指して生きていってくれればそれで良いのでしょうか？
落ち込んで立ち止まるときもあっていいよ、とか
ゆっくりやろうね、まずは元気になってからだね、とか。
そんな言葉がけだったら、すごく嬉しいです。
迷ったり弱っている人にいきなり自立を目標に掲げて「さあ、ガンバロウね！」といったところで誰がついていくのか？自立ハラスメントと呼ばせてほしい。
自立の前に、まずは回復でしょう。
自立って、すごくエネルギーのかかることです。
会社で働くことだって、一人で働くことだって、すごく大変なことなんです。健康あっての仕事なんです。努力がいることなんです。
未来だけ見て、今の自分を見ないように目を背ける。
それって今の自分を受け入れられない・認められない気持ちからきていると思います。
元々、特に父は未来ばかり気にして、すぐに焦ってしまう心配性なタイプでした。だから、余計に苦しいのだと思います。
理想通りにいかない自分を受け止めることができたら、もっと幸せになれる気がします。
とはいえ、私も理想を自分や人に抱きがちですがね。今修行中です。
親の心配フィルターは厚くて崩せそうにないので、これからは親には決定したことだけを伝えようと思います。
私の決断の過程を知らせると、心配ばかりして胃腸を壊してしまいそうだし、「こうすればズッコは幸せに生きていけるヨ」と親プロデュースの謎のライフコンサルが入るので、私の決断が鈍ります。私が困った時だけ力を貸してくれればもうそれで十分です。感謝。
最近母が東京へ遊びに来て、これからの生活の話題になりました。
「ズッコはきちんと、今も未来も考えてるんだね。」
と母に言われましたが、正直未来のことなんて知りません。
ましてや両親が期待しているような経済的自立を第一義的には生きていません。自由に好きなことをするために、お金を稼ぎたいとは思っています。実家もいづらいし。
しかし、そのニュアンスは何度話してもうまく伝わりませんでした。
何度話しても、「ズッコは経済的自立に向かって、前向きだ」「ズッコはきちんと、今も未来も考えてるんだね。」になってしまうのです。今はもう、それでいいです。はい。
他人に期待してはいけない。私と人は違う。Coexistence.
そんなこんなで、自立って言葉は何も悪いことしてませんが、最近嫌いです。
◯ぬ前に「人生楽しかったわぁ。来世も楽しもう！」と思えるように生きていきたい、ただそれだけです。人に迷惑をかけすぎない範囲で。