2回目の鴨葱書店さん
鴨葱書店という本屋さんを知っていますか。京都に今年の5月にできた新しい本屋さんです。
アルバイト先の先輩に、さいとうさん絶対好きだと思う、っていわれたからいったらやっぱり好きでした。なんとなくくやしいけど、このお店と出会えたことに対する感謝が上回りました。
お店はミニサイズで、でも奥に離れの小屋が繋がっていて、そこで谷川俊太郎さんの『幸せについて』の展示をやっているんです。店に入るとすぐ左の棚で木下龍也さんが選んだ歌集のフェアをやっているんです。置いてある小説も学術書もめちゃくちゃタイプでした。好きになるしかない。
一度目は5月5日(前の記事で書き散らかした5月4日の翌日だからいまだに覚えている)、山階基さんと穂村弘さんの歌集を買って、るんるんで帰りました。
そして二度目。三条でふと思ったのです。今月、鴨葱書店さん行ってなくない? て。鴨葱書店さんがあるのは東九条。九引く三で六条ぶん、歩いてお店に向かわせるだけの引力をあの本屋さんは持ち合わせているのです。おそろしいちから。
お店に入った瞬間、出会ってしまいました。引力の正体に。
堀静香さんの『みじかい曲』。はじめて名前を聞く方でしたが、表紙の薄い紙とドーナツの絵に惹かれてページを開きました。
わたしは、しまった、と思いました。本当は友達へ誕生日プレゼントを選んでいる途中でした。短歌が好きな子なので、すてきな歌集があるといいな、というのも鴨葱書店さんへ行った理由ではありました。でも、この歌集はずっと手元にあってほしい、と思ってしまったのです。
2冊買う?どうする?と悩みましたが、いや、彼女は海外にいるのだから、あまり大きな本を送っても迷惑かもしれない、と思い直し、帰国した暁にはぜひ読んで貰おうと決めて、自分のものにすることにしました。友達には文庫本で、彼女が旅立ってしまってから出版された話題のエッセイをプレゼントすることにしました。(届く前に彼女がこれを読まないことを祈ってます)
あまりに言葉遣いも世界観もすきで、枕元に置いて読みました。
鴨葱書店さんでお会計をしたとき、3000円以上買うと貰えるフリーペーパーを渡されました。「あっ、この前ももらったからいりません、、、」とは言えずに受け取ってしまってから、でもそれで読者がひとり減ってしまったさもしれない、と後悔。変にまた来ましたアピールしたいわけじゃないし、どうすればよかったのかぐるぐるしながら、いま持っている歌集を読み終わったらまた行きたいな、と思っています。というか、また行きたいな、と思ってしまう前に読み終わりたい。