『パスト ライブス/再会』が2冠を達成したインディペンデント・スピリット賞って!?
アカデミー賞授賞式まで2週間を切り、映画賞レースもまさに終盤戦。
そんな中、日本では4月5日に公開される『パスト ライブス/再会』(傑作です。後日レビュー予定です!)がインディペンデント・スピリット賞で作品賞・監督賞の二冠を達成しました。
メンバーシップの方で受賞予想をしていたのですが、アカデミー賞に比べてインディペンデント・スピリット賞について知らない方も多いと思うので、解説をしながら振り返ってみたいと思います。
インディペンデント・スピリット賞とは?
正式名称は 'The Film Independent Spirit Awards'(略称は'Spirit Awards')で、創立は1984年で運営は'Film Independent'という非営利団体が行っています。
授賞式は、通常米アカデミー賞授賞式前に行われ、今年からYouTubeでライブ中継されています。
ちょっと移行するのが遅めかな?とは思いますが、YouTubeで中継するあたりインディペンデントっぽいですね。
動画を見るとわかるのですが、ドレスアップしているひとももちろんいるのですが、かなりカジュアルな雰囲気。シアターじゃないしね。
応募条件(2024年開催分)
インディペンデント・スピリット賞にノミネートされるにはいくつか条件があります。
70分以上
予算が三千万ドル以下
指定の映画祭での上映、年内にアメリカでの上映が1週間以上、または有料配信サービスでの上映
アメリカで制作されていること(国際映画賞、ドキュメンタリー映画賞を除く)
大きいのは「2」ですね。
カテゴリー
ドキュメンタリー映画賞
国際映画賞
作品賞
第一回作品賞(監督デビュー作品)
第一回脚本賞(脚本家デビュー作品)
脚本賞
ジョン・カサヴェテス賞(予算100万ドル以下作品対象)
監督賞
撮影賞
主演俳優賞
助演俳優賞
ブレイクスルー俳優賞
デビュー作品に対する賞があるのが特徴ですかね。
予想の答え合わせ
×【作品賞】パスト ライブス/再会
『アメリカン・フィクション』を予想していたのですがハズレ。素直に鑑賞済みですごく良かった『パスト ライブス/再会』にすればよかった。笑
○【監督賞】セリーヌ・ソン(パスト ライブス/再会)
『アメリカン・フィクション』がいないので、ライバルなしと予想して当たり。
×【主演俳優賞】ジェフリー・ライト(アメリカン・フィクション)
ここはアカデミー賞から漏れてしまったグレタ・リー(パスト ライブス/再会)を予想したのですがハズレ。ジェフリー・ライトと迷ったのですが。
推しが多い部門でした。
○【助演俳優賞】ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(The Holdovers)
…もう負けはないですよ。
×【脚本賞】パスト ライブス/再会
フロントランナーの『アメリカン・フィクション』かと思いましたが、これも外れ。
×【撮影賞】The Holdovers
作品賞に入っている'We Grown Now'を予想するも外れ!
撮影賞は観ずに予想するの無理っ
×【編集賞】How to Blow Up a Pipeline
これも'We Grown Now'を予想しましたが、いや観てないしな。
○【外国映画賞】落下の解剖学
『落下の解剖学』を鑑賞済みのひとが国際映画賞(外国語映画賞)にこれを選ばない理由ないです。
○【ドキュメンタリー映画賞】Four Daughters
未見だけれどもアカデミー賞に唯一引っかかってるということで選んだところ当たり。
本日の一曲
2023年に公開された映画の最推しは『異人たち』なのですが、アカデミー賞に候補入りすることができず、せめてインディペンデント・スピリット賞での受賞を期待していたのですが、それも叶いませんでした。
もう後半くらいからずっと泣きっぱなし。
山田太一さん原作だし、日本でヒットして欲しいなぁ、ということで印象的に流れる懐かしのペット・ショップ・ボーイズをどうぞ。