第30回全米映画俳優組合賞で涙を飲んだ俳優たち
昨日第30回全米映画俳優組合賞(SAG:サッグ)が発表されました。
批評家賞のノミネート、受賞状況を見ると少し驚きの部分が少しありましたが、オスカーウォッチャーとしては俄然面白くなってきました。
先日のゴールデングローブ賞しかり、アフリカ系やアジア系、アメリカ以外の国の会員を増やしたことにより、多様性を重視したノミネーションになることが多いですが、SAGは昔のアカデミー賞のようなラインナップだな〜というのが率直な印象です。
今日は「誰が落ちたのか」という面で主にノミネーションを見ていきたいと思います。
主演男優賞
以上がノミネートされたみなさんです。
批評家賞などでのノミネート数トップ10に入りながら、候補を逃した方は以下の通りです。
個人的には『ラスティン〜』は全然面白くなかった(きっぱり)ので、アンドリュー・スコットが入って欲しかったですが、アイルランド人なのでしょうがないかな、という感じです。
正直コールマン・ドミンゴより演技はレオ様のほうが断然良かったですが、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の勢いが大分落ちてきたのでしょうがないかも。受賞済みですしね。
主演女優賞
アメリカ人強し!まぁ組合賞に加盟してるのは(主に)アメリカ人なのでしょうがないのですが…。
正直この中からアメリカ人であるグレタ・リーが落ちたのは解せないですね。多様性とは…。
リリー・グラッドストーンが本命中の本命なので、ほかはいいかという感じなのかもしれませんが、主演女優賞は白すぎる感じです。
助演男優賞
これまでの傾向とかなり違ったのが助演男優賞です。
何よりウィレム・デフォーが入ったこと。
賞レースがはじまるまでは、彼のノミネートはもちろん受賞も期待されていましたが、いざ蓋を開けてみるとマーク・ラファロ一色の評価だったのにSAGでは漏れてしまいました。
こういうときベテランは強いですね。
マーク・ラファロもベテランだし、スターパワーもあるのにな…。
そして賞レースで善戦してたチャールズ・メルトンも候補落ち。
'May December'チームが基本的に完全に無視されている感じです。
これはNetflix作品であることと、それを覆す評価を得られなかったからかと思います。Aリストスターじゃない俳優たちは配信系映画会社に恨みがあるのかも…。
助演女優賞
競ったときのメリル・ストリープ、ジュディ・デンチ、キャシー・ベイツは強い!という印象がありますが、ペネロペ・クルスもその域に達した感があります。
あとアネット・ベニング、ジョディ・フォスターはやっぱり尊敬しているひとが多いのだろうなという印象。
逆に快走してたのに漏れたのはレイチェル・マクアダムス。
彼女は前評判全然だったのに、賞レースが進むにつれ頭角を現してきた感じなので、まぁしょうがないかなという感じ。
ジュリアン・ムーアもNetflix外しの憂き目に遭った感じだけど、アカデミー賞ではわからない。
逆にロザムンド・パイクとアメリカ・フェレーラの候補入りの可能性はほぼなくなったと見ていいと思います。
アンサンブル演技賞
SAGのアンサンブル演技賞はほぼ作品賞なので、作品賞のノミネートトップ10と比べていきます。
とはいえ「アンサンブル演技賞」なので、一人芝居っぽい映画などは外されることがほとんどです。アンサンブルしてないし。あとアニメーションも当たり前ですが入らない。
この外れた作品を見ると、外国映画の'The Zone of Interest'と『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はともかく、ほかの作品は解せない感じですね。
'May December'はNetflix外しか。
『パスト ライブス/再会』はグレタ・リー、『哀れなるものたち』はエマ・ストーンの独壇場っぽい感じだけど、'The Holdovers'が外れたのはちょっと理解できないですね。
インディペンデント作品ってSAGではあまり評価されないんでしたっけ?
本日の一曲
最多ノミネートの『オッペンハイマー』からと思いましたが、歌曲賞にノミネートされそうもないので、次点の『バービー』より。
めっちゃジムでかかってる印象があります。