ようやく全米脚本家組合賞(WGA)が発表/賞レース脚本賞を振り返る
アカデミー賞授賞式が終わったことにより、2023年度の賞レースがすべて終わったかと思いきや、実は重要な前哨戦である全米脚本家組合賞の発表がされていませんでした。
その理由はもちろんWGAのストライキによる影響です。
全米脚本家組合賞は、アカデミー賞にも影響が大きく、由緒ある賞なのですが、やはり「前哨戦」という位置づけが強いことから、今回はエントリーをしなかった作品が少なくありませんでした。
未エントリー作品
海外作品
エントリーをしなかった作品としては、まず海外作品があります。
これは単純にエントリーの手続きが面倒だったんでしょうね。ただ『落下の解剖学』は受賞の可能性あったので、エントリーしてもよかったように思いますが…。
アニメーション
アニメーション作品もエントリーしていない作品がありました。まぁアニー賞ありますし、受賞の可能性はほぼないですからね。
エントリーの手間を考えると当然という気はします。
その他
その他のエントリーしなかった作品は次のとおり。
理由は海外作品/アニメーションと同じで、エントリーしても受賞の可能性が低く、その割に手間が大きいと考えたからでしょう。
賞レース受賞ランキング
WGAを除く賞レースの結果はどうだったのか、ランキングで見てみましょう。なお、脚本・脚色はカテゴリー分けしていない賞もあるため、分けていません。
【1位】『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』『オッペンハイマー』
同率で16の賞を獲得していました。
【3位】『パスト ライブス/再会』『アメリカン・フィクション』
この2作品も同率で13の賞を獲得。
【5位】『落下の解剖学』
アカデミー賞で脚本賞を受賞した作品が意外や意外5位。(獲得賞数:10)
外国語だからでしょうかね。(英語も多いのですが…)
【6位】バービー
当初脚本賞の本命と思われていたバービーも6位とあまり振るわず。獲得少数は9でした。
【7位】『哀れなるものたち』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ここでグッと差がついて5つの賞を獲得。どちらもよい作品なのですが、2023年度がいかに豊作の年であったかがわかります。
【9位】『神さま聞いてる? これが私の生きる道?!』『メイ・ディッセンバー ゆれる真実』
健闘したのが『神さま聞いてる? これが私の生きる道?!』ですね。レイチェル・マクアダムスが助演女優賞候補まであと一歩だったのが個人的に残念。(獲得賞数:4)
全然受賞できなかった作品
最後にノミネートはされたものの、全く受賞が出来なかった作品を紹介します。
関心領域
国際映画賞も受賞した作品がなんと脚本部門では無冠。ほんとに豊作だったんですねぇ…。(ノミネート数:9)
異人たち
山田太一さんの小説を原作とした映画化。個人的2023年ベスト(公開は今週末です)だったのに受賞に至らず。今年だったら可能性はかなりあった!(ノミネート数:9)
AIR エア
ベン・アフレックとマット・デイモンのタッグの佳作。これもすごくよかったのに…。(ノミネート数:6)
マエストロ:その音楽と愛と
アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた作品も受賞には至らず。(ノミネート数:3)
Saltburn
エメラルド・フェネル監督の2作目ということで、あまり評判にならなかったので面白くないかと思ったらそんなことなかったです。(ノミネート数:2)
アステロイド・シティ
ウェス・アンダーソン監督作品。作風がちょっと飽きが来ている気はする。(ノミネート数:2)
アイアンクロー
これはプッシュしきれなかった作品という感じ。ただプッシュしなかった理由もわからんでもない。(ノミネート数:2)
Origin
こちらは小品すぎましたね。(ノミネート数:2)
本日のドレス:マーゴット・ロビー
本人は何も言わなかったけれど、主演女優賞にノミネートされなかったことが気に食わなかったのか、アカデミー賞ではバービールックを封印。
まぁでもシーズン中ピンクばかり着てたらそりゃ違う色着たくなるのもわからんでもない。ちなベルサーチ。(★★☆)