【カンヌ映画祭2024】パルム・ドールはどの作品に!?/最終予想
フランシス・フォード・コッポラ監督の"Megalopolis"やデヴィッド・クローネンバーグ監督の"The Shrouds"など、巨匠の作品が低評価に終わり、そもそもコンペ部門の作品がどれも微妙な状況が続いていましたが、後半に入りショーン・ベイカー監督の"Anora"など、ようやく星取表で三つ星を超える星を獲る作品が出てきました。
星取表は当てにならないという記事を書きましたが、作品を鑑賞できない現状、いまある情報で予想するしかないのが実際のところです。
では、本日発表されるコンペティション部門各賞の予想をしてみます!
パルム・ドール
All We Imagine as Light
本作品を監督したパヤル・カパディア監督は、インド生まれの38歳。
ドキュメンタリー部門で最高賞を受賞した彼女はわずか3年でカンヌに戻ってきた上、インド映画がコンペ部門に出品されたのは30年振りのこと。
家父長制が強いインドで、3人の女性の希望を描く本作は、昨年『バービー』で世界中を虜にしたグレタ・ガーウィグ審査員長の心を掴むでしょう。
昨年の『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ監督、『TITANE チタン』のジュリア・デュクルノー監督と、近年は女性監督が強い。逆にその点を気にしてしまう可能性はあるかも。
グランプリ
The Seed of the Sacred Fig
モハマド・ラスロフ監督は、本作の出品をイラン国内から圧力を受けた上、「国家安全保障に反する共謀罪」で新たに8年の実刑判決を受けています。
映画製作により2度の服役を経験し、2017年にパスポートを剥奪されている彼がどうやってカンヌ入りしたのか、そのストーリーが映画になりそうな感じです。
監督賞
ジャ・ジャンクー監督(Caught by the Tides)
ジャ・ジャンクー監督は、『罪の手ざわり』で脚本賞受賞済みで、審査員を務めるなど、カンヌとの関係性は深い。
脚本賞
グランド・ツアー
ポルトガルの監督ミゲル・ゴメスによる本作は、日本各地でも撮影されており、アジアもフィーチャーされています。
男優賞
ベン・ウィショー(Limonov: The Ballad)
007でキュートなQちゃんを務めるベン・ウィショーは、コンスタントに良作に出演し、演技的評価も高い。そろそろ認められてもいい頃。
女優賞
デミ・ムーア(The Substance)
ブルース・ウィリスやアシュトン・カッチャーとの結婚などがフィーチャーされることが多いデミ・ムーアですが、ほとんど本人みたいな役で怪演を披露していると話題に。
今年のレッドカーペットで一番輝きを放っていたのが彼女でした。スキャパレリのドレスも似合ってました。
審査員賞
Anora
"All We Imagine as Light"と同じ星の数を獲得したのがショーン・ベイカー監督の最新作。
グランプリに予想した"The Seed of the Sacred Fig"とどちらにするか迷いましたが、コメディ要素もあるようなのでこちらそこの部門に。グランプリが2作品という可能性もありそう。
本日のドレス:ケイト・マッキノン
『バービー』で重要ロールを演じたケイト・マッキノンが着るのはスチュワート・ワイツマン。
パンツルックはいいのだけれど、あまりに普通すぎる。(★☆☆)