アカデミー賞にノミネートされた舞台が原作の映画たち
Amazonプライムのラインナップに『市子』が加わって、Xなどでぼちぼちレビューがまた増えてきているようなのですが、この『市子』が実は舞台を原作とした作品ということを知っているひとは多くないようです。
原作舞台は『川辺市子のために』のタイトルで再演となった舞台で、再演の際には『川辺月子のために』という続編も制作されました。
このあたりのお話はnoteに投稿済みなので上記をご覧いただくとして、実はアカデミー賞にノミネートされた映画も舞台を原作とした作品が少なくありません。
私自身演劇の制作に携わった経験があることもあり、映画ファンには舞台を原作とした映画の舞台鑑賞を強くオススメしているのですが、それは映像化されるくらいですから、原作舞台は素晴らしいものが多いからです。
その知名度から俳優もスターがキャスティングされることが少なくなく、生でスター俳優を観ることが出来るのもアガるポイントのひとつ。
是非舞台鑑賞のきっかけにして欲しく、今回はアカデミー賞の作品賞にノミネートされた作品のうち、舞台を原作とした映画を紹介します。
ムーラン・ルージュ(2001年)
いきなり「舞台の映画化」とは外れ、映画公開後に舞台化(ミュージカル)されたパターンの作品です。
ニコール・キッドマンがアカデミー賞にはじめてノミネートされた作品でもあり、これで「トム・クルーズの嫁」から完全に脱しましたね。
シカゴ(2002年)
米倉涼子さんでもお馴染み『シカゴ』。
ロングランにもなっているブロードウェイ・ミュージカルの映画化ではありますが、ボブ・フォッシーの舞台なので、万人が楽しめる作品かというと正直微妙です。(自分は好きだけど…)
映画はスター俳優が揃っていることもあり、万人にオススメできる面白さ!
ロブ・マーシャル監督で唯一楽しめる作品です。(個人の意見)
ネバーランド(2004年)
裁判に勝ったのになかなか表舞台に完全復活できないジョニー・デップ主演。
ただこの作品で観るべきはケイト・ウィンスレットです。
正直この作品を観るまではケイト・ウィンスレットって結構ぽっちゃりだし、微妙だなと思っていたのですが、演技がうますぎて度肝を抜かれました。
フレディ・ハイモアもどうなるかと思いましたが、最近は『グッド・ドクター 名医の条件』で有名ですね。
フロスト×ニクソン(2008年)
同盟舞台を『アポロ13』などのロン・ハワード監督が映像化。
イギリスの司会者「フロスト」とニクソン大統領がフロストの番組でバチバチやる作品です。
この手の二人が対決する系の作品は舞台で結構多いですね。三谷さんの『笑の大学』とかもそうですね。
戦火の馬(2011年)
小説『戦火の馬』を元に舞台化した『ウォー・ホース 〜戦火の馬〜』に基づく映画。
作品賞にノミネートされたくらいですから、一定の評価は得ているもののスティーブン・スピルバーグ作品としては地味な印象がありますね。
レ・ミゼラブル(2012年)
舞台ファンの中では「レミゼ」の通称で有名な『レ・ミゼラブル』。
映像化は何度かされてますが、このトム・フーパー監督作品がはじめてまともに評価されたという感じですね。
実は歌がうまかったアン・ハサウェイ(スター俳優)が、助演で美味しい役(フォンティーヌ)を演じてオスカーをかっさらうというよくある受賞パターンのひとつ。
ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜(2012年)
舌噛みそうなクヮヴェンジャネ・ウォレスが史上最年少でアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた作品。
その後ウィル・平手打ち・スミスと共演したこれまた舞台の映画化『ANNIE/アニー』に出演をしてましたが、最近見かけないですね…。
ムーンライト(2016年)
これは上演されてない舞台の映画化という珍しいパターンなのですが、『ラ・ラ・ランド』を抑えて、LGBTQを全面に出した映画ではじめての作品賞受賞となった作品。
フェンス(2016年)
原作舞台は1983に発表された"Fences"。
舞台版キャストがそのまま出演し、ヴィオラ・デイヴィスがついにオスカーを受賞した作品。
日本では劇場公開されませんでしたが、わからんでもない。
ファーザー(2020年)
急逝した『マ・レイニーのブラックボトム』のチャドウィック・ボーズマンが受賞するだろうと、授賞式もそれを見越したであろう構成になっていたのに、授賞式はおろか、発表時間に寝てたらしいアンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞した作品。
当時はサプライズすぎて驚きました(会場もかなりざわついてた)が、作品を観て納得。(オリヴィア・コールマンもすごかった)
胸が苦しくなる作品ですが、オススメです。
ウエスト・サイド・ストーリー(2021年)
あの名作をスティーブン・スピルバーグ監督がリメイク。
正直この企画が持ち上がったときに、「スピルバーグやめとけや」と思いましたが、この映画でアリアナ・デボーズが見出されただけで儲けものという感じ。
思い出補正もあって、1961年版のほうが好きですけども。
本日のドレス:シンシア・エリヴォ
これまた舞台(ミュージカル)の映画化『ウィキッド』が控えているシンシア・エリヴォ。
「緑の魔女」だからグリーンなのだと思うのですが、『ウィキッド』コケたらどうするんだろう…。
毎度結構攻めたドレスではあるのですが、ツボを抑えていて自分は好きです。ブランドはルイ・ヴィトン。
★★★