【第96回アカデミー賞】主演男優賞候補の紹介
第96回アカデミー賞特集の三回目です。
今後の連載予定は以下のとおりです!
ブラッドリー・クーパー(マエストロ:その音楽と愛と)
1975年生まれの49歳、アメリカ人。
デビューは1999年の『セックス・アンド・ザ・シティ』。
キャリーと店を抜け出すのに成功するも、彼女の地雷を踏んで変えられてしまうという超チョイ役w
長編映画デビューはその後の 'Wet Hot American Summer'(2001年)。
しばらくパットしないキャリアでしたが、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)で大ブレイク。
続編のヒットによりAリスト入りへ。
すごかったのはその後です。
はじめてアカデミー賞主演男優賞候補になった『世界にひとつのプレイブック』では、同じく候補になったジェニファー・ローレンスにオスカーをもたらします。
そう、この映画ではプロデューサーも務めていました。
翌年も『アメリカン・ハッスル』でノミネートを獲得すると、その翌年も『アメリカン・スナイパー』でもノミネートを獲得し、3年連続のアカデミー賞ノミネートを得ます。
すべて彼のプロデュースによるものです。
そして2018年には監督業にも進出します。そう、『アリー/スター誕生』です。
「スター誕生」はハリウッドでこすられ続けてる作品で、なんと3回めの映画化。しかも主演はレディー・ガガ。
尊敬するイーストウッドからは「やめとけ」と言われたのも関わらずこの映画は興行的にも大成功し、4回めのノミネートを得ます。
その後もプロデューサーを務めた『ジョーカー』『ナイトメア・アリー』が作品賞のノミネートを獲得するなど向かうところ敵なし状態。
そしてこの作品でも監督を兼任。5回めのノミネートです。
しかも作品賞、脚本賞にもクレジットされています。
コールマン・ドミンゴ(ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男)
1969年アメリカ生まれの54歳。
長編映画デビューは1998年の 'Around the Fire'。
映画メインで活動しつつ、テレビでも『ウォーキング・デッド』のスピンオフ『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』などで活躍するなど割とコツコツキャリアを積み上げてきたタイプです。
2023年が彼のブレイク年と言っていいでしょう。
この作品だけでなく、作品賞候補まであと一歩だった『カラーパープル』でも重要な役柄で出演しています。
ここは強調すべきポイントかは微妙なところなのですが、ゲイを公表している俳優としては、アカデミー賞の歴史上2回めのノミネートとなります。
(1回めはイアン・マッケラン)
今回候補まで漕ぎ着けたのは正直Netflix&オバマパワー。
作品と演技は切り離すべきかとは思いますが、ノミネート作品が微妙すぎます。
ポール・ジアマッティ(The Holdoves)
1967年の56歳、アメリカ人。
長編映画デビューは1991年の'Past Midnight'。
自分がはじめて彼を認識したのは『交渉人』の小悪党役ですかね。
ブレイクは2003年の『アメリカン・スプレンダー』と『サイドウェイ』。
どちらもめっちゃ好きな作品ですが、特に『サイドウェイ』は宝石箱のような作品で今でもよく観ます。
翌年の『シンデレラマン』で助演男優賞候補になるも、『サイドウェイ』でアカデミー賞にノミネートされなかったのはアカデミー賞の汚点とすら思います。
その後は助演のキャリアが中心となりますが、2010年の『バーニーズ・バージョン ローマと共に』でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞するなど、演技的評価はずっと高い俳優です。
そして待ちわびたアレクサンダー・ペイン監督作に主演したのが今回です。
キリアン・マーフィーの対抗馬は彼。
華はキリアンに劣るかもしれないけれども、キャリアは圧倒的にポール。
キリアン・マーフィー(オッペンハイマー)
1976年生まれの47歳。アイルランド人。今回唯一の外国人です。
長編映画デビューは 'Sunburn'(1999年)ですが、ダニー・ボイル監督『28日後...』(2002年)の主役に抜擢されブレイク。
有名なのはクリストファー・ノーランのバットマンシリーズのスケアクロウですかね。
映画ファンのファンが多い印象があります。
初ノミネートですし、ファンはかなり嬉しかったのでは?
ノーラン作品はなんと6作目。マイケル・ケインなみのノーランお気に入り俳優です。
現時点での大本命ではありますが、今後も機会はありそうで、それを考えるとポール・ジアマッティにオスカーをという気持ちになります。
ジェフリー・ライト(アメリカン・フィクション)
1965年生まれの58歳。アメリカ人。
長編デビューはハリソン・フォードの『推定無罪』(1999年)。
彼の代表作は『バスキア』でしょう。
バスキアを演じた彼も絶賛を受けますが、それも28年前(1996年)です。
ノミネーション発表後のインタビューで目を潤ませていたのが印象的でした。
バスキアは主演でしたがその後は007のフェリックス・ライターなど助演が中心です。主演作でノミネーション獲得は相当嬉しかったのでしょう。
2023年は『アステロイド・シティ』『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』にも出演しています。
このノミネーションにより彼を再認識した映画人は多いハズ。
今後ノミネーションが増えるような気がします。
本日の一曲
見事レディー・ガガにオスカーをもたらした『アリー/スター誕生』。
その楽曲賞作品 "Shallow"をレディー・ガガと授賞式でパフォーマンスしたブラッドリー・クーパーはめっちゃ肝座ってる!
本職のレディー・ガガとの共演で生放送。
しかも「ブラッドリー・クーパー」としてではなく、役そのままの声での歌唱です。(いわゆるカウボーイボイスでのカントリー)
レディー・ガガは去年の授賞式パフォーマンスもすごく良かったですね。