オスカーレースの監督部門において、最重要である全米監督組合賞(DGA)でクリストファー・ノーランが見事受賞を果たしました。
これによりアカデミー賞の監督賞はほぼ確実と言っていい状況になりました。
まさかデヴィッド・フィンチャーより、クリストファー・ノーランが先にオスカー監督になるとは…。
なぜ確実かというのは、過去のDGAとアカデミー賞の結果を見れば明らかだからです。
DGAとオスカー
では早速過去の受賞者を見てみましょう。
過去10年間でDGAとアカデミー賞監督賞が一致しなかったのは、2019年にポン・ジュノ監督が受賞したときのみです。
さらに過去20年間でも2012年のアン・リー(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)のみ。
(これは酷い話で作品賞を受賞した『アルゴ』のベン・アフレックはノミネートすらされなかった)
作品賞の有力作でもある『オッペンハイマー』の監督であることもあり、もうこれは王手と言っていい状況というのがよくわかると思います。
クリストファー・ノーランとアカデミー賞
日本でも人気のクリストファー・ノーランですが、アカデミー賞の監督賞ノミネートは今回が2回め。初のノミネート(『ダンケルク』)は第90回ですから、6年前と比較的最近。
スコセッシ監督が1988年にはじめてノミネートされてから実際に受賞したのは2006年と20年近い年月を要していることを考えると、ほんとうにタイミングなのだなと思います。
過去監督作のアカデミー賞へのノミネートは以下のとおりです。
2000年の『メメント』からほとんどアカデミー賞の絡んでいる脅威の監督ということがよくわかりますね。
では作品賞は…?
「映画は監督のもの」と言われるくらい、映画における監督の役割はとても大きいもので、正直一致するのが普通です。
これも過去10年を振り返ってみましょう。
ところが、このように過去10年で50%の確率で作品賞と監督賞が一致していません。
『オッペンハイマー』がアカデミー賞を逃す確率は現在のところ低くないと見るのが自然だと思いますが、予想はPGA(全米製作者組合賞)の結果を待つことにいたしましょう…。
本日の一曲
昨年作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』から歌曲賞にノミネートされたサン・ラックスの楽曲。
受賞とはなりませんでしたが、エブエブにおいてサン・ラックスの貢献度はかなり高かったはず。