五月の緑
新緑の5月ですね。
日々一歩一歩夏へと進んでいます。
すくすく育つ梅の実もアク抜きしたフキの色も庭の緑も、透き通るほどにみずみずしく眩しい日差しを欲張るようにたくわえています。
先日、染色家である志村ふくみさんの著書を読んだのですが「緑」という色は単一では出てこないのだそうです。草を煮出しても緑は出てこない。青と黄を掛け合わせて緑を作るのだそうです。
でも藍を染める時、藍甕(あいがめ)につけた糸を引き上げそれが空気に触れた瞬間の色は緑なのだそう。そしてすぐに青へと変わる。
甕から出る瞬間に美しい緑があるそうです。
志村さんはこの一瞬の緑に深い興味を持ち、たどり着いたのがゲーテの色彩論だそうです。ゲーテは闇に1番近い色を青、光に1番近い色を黄、そのふたつが結合した時に緑が現れるといいました。
自然界に満ちている緑が、光と闇の間に生まれたものと考えるとその美しさにも納得がいきます。
新緑の5月。もうあと少しで梅雨へ入ります。
めいいっぱい味わいたいものですね。