□□□とボードゲーム(2.2)〜数学詩・数学俳句・数学短歌
前回の記事はこちら。
ぼちぼちと、数学詩にふれていきます。
JoAnne GrowneyさんのIntersections
前回の記事で、珍ぬが数学詩を知るきっかけみたいなものを書きました。
数学x芸術をかけ合わせてみよう会議「ブリッジズ」で、2011年から数学詩の朗読会(Mathematical Poetry Reading)のイベントを行っていることを知りました。
上が「ブリッジス」の公式サイトの記事(正確には、旧サイトのアーカイブ)です。
この記事で、参加者の何人かを紹介しております。
最初の一人は、朗読会のコーディネートをしているSarah Glaz(サラ・グラズ)さん。
一人飛ばしまして、3番目に紹介されているのがJoAnne Growney(ジョアン・グロウニー)さんです。
面白いのは、SarahさんJoAnneさんも数学者で、ルーマニア語の詩の翻訳をしている共通点があります。
あ、ルーマニアといえばルーマニア語で小説を執筆している日本人がおりますな。
JoAnneさんのサイトはこちら。
サイトのホームページを見ると、2000年代後半でも詩の活動をしているようで、2008年にはSarahさんと共著で、数学詩を収集したアンソロジー「Strange Attractors: Poems of Love and Mathematics」を出版しています。
JoAnneさんは、数学と詩とを結びつける情報を集めたブログ「Intersections -- Poetry with Mathematics(交差点:詩と数学)」を2010年から現在も続けています。
年で平均100記事のペースで更新しているので、1300以上あります。
とてつもない収集力にすんげーの一言。
数学俳句が流行っていたらしい
まったくのニッチな数学詩。
海外には情報を集めた場所(サイト・ブログ)や、朗読会などもあることを知りました。
では、日本はどうよと。
どうも2010年代中ごろに数学俳句がちょっと盛り上がったそうです。
その1つのピークが2016年10月に行われたニコ生放送数学イベント「Math Power」での1コーナーとなります。
数学俳句とは「五七五形式の句型に数学用語を入れてみました」です(
季語は必要ではないので、数学川柳に近いのだが)。
おそらくその火付け役となったのは、横山明日希さんかと。
2012年に「第一回数学川柳&数学俳句」なる公募もあり、第三回まで行われていたようです。
数年経ったわけですが……ええっと、いまどうなんでしょうかね。
数学短歌が流行っているのかも
数学俳句があるなら数学短歌もあります。
おそらくその火付け役となったのは、横山明日希さんかと(2回目)。
2016年にTwitterで「#愛と数学の短歌コンテスト」なるタグを付けて募集。
結果、1300歌以上届いたそうな。
その後、2018年に選歌してまとめた書籍『愛×数学×短歌』(2022年には文庫化して『たった1°のもどかしさ 恋の数学短歌集』)を出版します。
数学短歌は、Xに数学短歌botが存在しています。
中の人は山森扶実香さん。
2018年に『数学セミナー』にて「数学短歌の時間」の連載があり、その投稿者の1人のようです。
上が開始一発目のツイート(2021年2月1日)。
下が現在更新最終のポスト(2023年4月3日)。
ポスト数1700件超(重複ありなので、正確な数は不明)。
数学短歌の大変貴重なアーカイブでございます。
俳句よりも短歌が作りやすいようです。
字数(17vs31)や句数(3vs5)を考えると、まあ、そりゃそうかもですが。
締め
ということで、数学詩のキーパーソン1人と、国内の数学俳句・短歌にふれてみました。
はたして、日本の散文詩や自由詩などの数学詩はどうなっているのか。
ぱっと調べても、いい感じで収集しているサイトやブログなどの情報が見つかりませんでした。
もうちょい時間をかけて探してみますかね。
次回は、もう1人気になる数学詩詩人にふれてみます。
では。