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『Tri-Ominos(トライオミノス)』について長々と書いてみる。(2) 〜 番外編:『ドミノ』の可能性を考えて、1年間書いてみる。

番外編の「三角形ドミノ」第2回になります。
前回は、名称と形状にまつわる内容で書きました。
今回は、『Tri-Ominos』の類型のボードゲームについて書いてみます。

いくつかボードゲームを紹介しますが、全て「BoardGameGeek」からの情報になります。

『Tri-Ominos』は頂点 『Triangular Dominoes』は辺

1965年に販売された『Tri-Ominos』。その80年も前になる1885年に、三角形タイルのボードゲーム『Triangular Dominoes(トライアンギュラードミノ)』が特許取得・販売されます。

この2つのゲームは、大きく異なる点があります。
『Tri-Ominos』は、三角形タイルの3つの頂点に数字(0〜5)が書かれています。『Triangular Dominoes』は三角形タイルの3つの辺に数字(0〜5:実際は点(Pip)で表示)が書かれています。

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上の図は、『Triangular Dominoes』の特許ファイルからの引用です。3つの辺に点(Pip)が表示されて、合計が三角形の中央に書かれています。

両者ともに、タイルの枚数は56枚で1セットになります(数字も0〜5まであります。上の図は、0〜4までの構成です)。

しかし、『Triangular Dominoes』が三角形ドミノの元祖かというと、まだ古いゲームがありました。更に6年前の1879年に『Pleiades(プレアデス)』という2人ゲームが特許申請していました。

『Pleiades』の特徴は、
◆『Triangular Dominoes』と同じ、辺に数字(点)で表示される。
◆数字は1〜6まで
◆タイルの数は36枚(3辺とも異なる数字のタイルはない)
となっています。
「プレアデス」は日本名だと「昴(すばる)」で別名「六連星(むつらぼし)」。数字も6個あるので、名前の由来となったと思われます。

辺に数字を表示するタイプの三角形ドミノの中でも、変わり種を1つあげると、1932年に販売された『Trilos(トリロス)』になります。

タイルに書かれる数字の構成について詳しくは書きませんが、
◆数字(点)は1〜9まで表示される。
◆白と黒の2種類のタイルがあり、ともに12枚ずつある。
◆ジョーカーが1枚ある。
と、変態度が高いです。

BoardGameGeekでは、『Triangular Dominoes』に類似したゲームを、Familyとして「Triangular Dominoes」とカテゴライズしています。
『Tri-Ominos』も「Tringular Dominoes」に含まれています。
一方、名称に「Tri-ominos」を含んだゲームをまとめた「Tri-Ominos」というFamilyカテゴライズもあります。

『Tri-Ominos』の完全版? 『Tri-Ominos Gold』

どうやら『Tri-Ominos』より前に世に出た、三角形ドミノのゲームは辺に数字が表示してあるタイプで、頂点に数字(あるいは色など)が表示されたタイプは『Tri-Ominos』が元祖のようです。

ちょっと休憩して、『Tri-Ominos』のタイルの構成を確認します。

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まず、同じ数字が2個以上あるタイルで、総計36枚(=6×6)あります。

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3つとも異なる数字のタイルは、総計20枚(=10+6+3+1)あります。36枚+20枚=56枚となります。

さて、お気づきかも知れませんが、3つとも異なる数字のタイルはすべて時計回りに数字が大きくなる並びの特徴があります。反時計回りのタイルは1つもありません(偽造品かどうか見極めるポイント、ともいえます)。

『Tri-Ominos』の登場した数年後の1971年に『Hex-O-Gram(ヘックス・オー・グラム)』が発売されます。

数字は1〜5までですが、3つ異なる数字のタイルは、時計回り・反時計回り両方ともあります。

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BoardGameGeekから引用の写真。下にある2つのタイルを見ると「1・2・5」と「5・2・1」の並びになっています。
ちなみに、白いタイルは「ジョーカー」です。

では、『Hex-O-Gram』のように、反時計回りのタイルも入っている『Tri-Ominos』はないのかというと、あります。
2008年に『Tri-Ominos Gold』が発売されます。

反時計回りのタイルが追加されて、総数76枚(=36+20+20枚)の、ある意味完全版といえる構成です。
現在どうなっているかといえば、どうも生産はストップして流通は中古・在庫分の状態っぽいです(一方、本家の『Tri-Ominos』は2015年に40周年を迎えて記念版を発売するほど、息の長いプロダクトになっています)。

なぜあまり売れなかったのかというと、

実際に遊んでみると、ややこしいから

と思われます。
普通の『Tri-Ominos』で遊んでみた実感なのですが、3つ異なる数字のタイルを置こうとしたときに2つの数字の並びが逆だったので考え直す、というケースがしばしば発生しました(その時は、時計回りだけという特徴を伝えなかったこともあったが)。
反時計回りのタイルも入ったら、相当混乱するだろうと推測します。

そんなこともあって、『Tri-Ominos』はあえて全てのタイルは時計回りのみにしたのではないかと推測します。

こんな感じで、第2回目を締めます。

次の回では、『Tri-Ominos』のゲームバリアントを考えたいと思います。
ただ、少しだけ期間をあけて、異なる内容のnoteを1つ2つ挟もうか、とも考えています。

では、また次回。

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