アインシュタインタイルTile(1,1)の配置パターンを愛でる。とにかく愛でてみる。
前回の記事はこちら。
前回やり残した、Tile(1,1)の配置パターンにまいります。
H7・H8も確認
おさらい的ではありますが、Tile(1,1)の場合のH7とH8を見ていきます。
H7、H8は論文「An aperiodic monotile」の18ページにある、「HAT」などのアインシュタインタイルを複数個(H7は7個、H8は8個)組み合わせたユニットになります。
下の図が、Tile(1,1)のH7(左)とH8(右)になります。
H7を120度、240度回転させて重ねると、以下になります。
H8を120度、240度回転させて重ねると、以下になります。
ほぼ、前回と同じような見た目なので、駆け足ですすみました。
では、H7とH8を180度回転させて重ねます。
ということで、120度・240度回転重ねでは、下左図の2つの点対称図形に分かれるヘリコプターとなり、180度回転重ねでは、下右図のまた異なる2つの点対称図形に分かれるヘリコプターとなります。
ちなみに、右の図はもう1つ回転尾翼(青)を追加すると、バットマンマークっぽくなります。
この図形は、周期的に敷き詰めることができます。
「SPECTRES」の配置パターン
「SPECTRES」の配置パターンは、論文「A chiral aperiodic monotile」の6ページ(Figure2.1)、および7ページ(Figure2.2)にあります。
この配置パターンの扱い方について、日本テセレーションデザイン協会代表の荒木義明さんのツイートがあります。
どうやら、いちいちタイル全部裏返してから、配置パターンを用いてどんどん拡大していくようです。
なんで裏返すのでしょうかね?
双方の配置パターンを見比べる
「SPECTRES」の配置パターンですが、これらは先の論文の配置パターンH7とH8とどれくらい似ているのか、確認してみます。
左のパターンはタイル8個の組み合わせなので、H8と同じタイル枚数。
右のパターンはタイル7個の組み合わせなので、H7と同じタイル枚数、となります。
右側の配置パターンをちょっと動かしてみます。
左図が配置パターンです。
水色と黄色のタイル1組は「MYSTIC」とよばれます。
黄色のタイルを一旦外しまして(中図)、水色のタイルを残りのタイルに当てはまるように裏返します(右図)。
H7の配置パターンには裏返したタイルが1枚あるので、このタイルを目印として比較します。
H7を裏返しのタイルに合わせて角度を調整し、2つの配置パターンを並べると、このようになります。
7枚中5枚が一致しました。
異なる箇所を抜き出したのが、以下の図です。
もう1つの「SPECTRES」配置パターンとH8と比べてみると、8枚中6枚が一致し、異なる箇所もまた先の見比べたものと一致します。
一番上にあるタイルを0度とした、それぞれのタイルの向きは以下の図のようになります。
なぜ裏返す?
しかし、「SPECTRE」配置パターンは、いちいち裏返すのか、不思議ですね。
以前の記事「アインシュタインタイル「SPECTRES」を愛でる。とにかく愛でてみる。」で、こんな図を書きました。
「HAT」と「TURTLE」は(回転主翼(黄色)が鏡像の)対の関係になっている図です。
前回の記事「アインシュタインタイル配置パターン「H7」「H8」を愛でる。とにかく愛でてみる。」でも、「HAT」と「TURTLE」が対関係であることを垣間見ました。
「HAT」の非周期的敷き詰めで出てくる裏返しのタイルは、実は対となるタイル「TURTLE」と関係していると思います。
Tile(1,1)は、対となる関係の図形はありませんが、以前の記事「アインシュタインタイルTile(1,1)を分割して愛でる。とにかく愛でてみる。」で、分割次第では、対になる分割ができました。
配置パターンで裏返すのは、「HAT」と「TURTLE」との対関係にある図形に似たもつれをほどくため、かも知れません。
締め
ということで、ざっくり配置パターンを愛でてみました。
論文にドップリ浸からず、浅くサラリと眺めています。
一貫して、本当にたいしたことを書いていません。
とりあえず、ここで一区切りにして落ち着くことにします。
他の記事も書かねば、と若干焦っております。
では。