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NFT知財分析

著作権の事件をみてやはり何処かで一元化して登録する必要があるかな?と思ってたら仮想通貨でも有名なイーサリアム系のNFT を複数の人から教えて貰いました。

Beeple(ビープル)という名前を使うMike Winkelmann(マイク・ウィンケルマン)が作ったデジタル·アニメーションの「Everydays:The First 5000 Days(日常:最初の5000日)」という作品で記録した6900万ドル(約76億円)!という記事を見てNFTすげーと調べます。ただの電子データが魔術のようです。

このウィスコンシン州在住の親父さんのデジタル作品、もうChristie’s(クリスティーズ)のオークションまでされていました。「これは由緒あるオークション会社がデジタル作品だけを販売する初めてのケースとなる」そうです。

そもそもNFT(Non-Fungible Token)とは、主にイーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で構築できる代替不可能なトークンのことです。このNFTの技術がゲーム分野や不動産分野で活用が見込まれてました。知財関連にも後で述べるように使えそうです。

ここに無料だった電子データが昨年一夜にして?高額になる錬金術が産まれます。一例をあげると

LeBron James(レブロン・ジェームズ)選手のダンクシュート動画を20万8000ドル(約2270万円)で購入したユーザーがいて金の匂いがします。というか最近の通貨流通量の半分近くがNBA絡みだそうです。

他にはデジタル作品のひとつである「クロスロード」というタイトルのアニメーションは、11月の大統領選挙で誰が当選したかによってイメージが変わるという画像で66,666.66ドルで売られてました。

有名なDuncan Cock Fosterさんによると、暗号アートの受け入れはビットコインの受け入れと同様の軌跡をたどると予測しています。

NFTの技術的な話

NFTはイーサリアム(ETH)の「ERC721規格」です。
このイーサリアム(ETH)のブロックチェーンを元に発行されたトークンをERCトークンと呼びます。ERCは、Ethereum Request for Commentsの略で、スマートコントラクトの規格のことを指します。

ERCは規格ごとに番号がついていますが、多くのERCトークンは基本的機能が備わった「ERC20」という規格を利用しています。

始まりは2015年11月19日に、開発コミュニティ全体としての利便性を高める目的で、スマートコントラクトの共通規格として「ERC20」が誕生したこと。続いて、このERC20の改善版として、2017年3月5日にERC223が誕生しました。そして2017年9月20日、ERC20を更に別方向に発展させる規格として、今回のNFTでも使われるERC721が誕生しました。

ERC721は、1つ1つが固有識別でき独立した価値を持つというERC20にはない特徴を持っています。それにより、NFTは固有の価値を証明することが可能になり、会員権や不動産の所有権証明や売買が実現するなど、ブロックチェーンの利用シーンを広げることができるとされています。

つまりERC721は、ERC20との後方互換性を保ちつつ、NFT(Non-Fungible Token、代替不可能なトークン)という、全く新しいタイプのトークンを扱えるというところに特色があります。「Fungibility(ファンジビリティ)代替可能性」自体は経済学の言葉です。

特許を調べていたらERC721プログラムの格納庫は下記に有りました。

【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り  掲載日平成30年6月14日、掲載先URL<https://github.com/leohio/EIPs/blob/master/eip-1152.md>

ゲームでのNFT利用の一例

ERC721が開発された2017年にDapperLabsは、暗号通貨を使用した限定版のデジタル猫を購入して繁殖させることができるサイトである「Crypto Kitties(クリプトキティーズ)」を作成しました。

作成者であるRohamGharegozlouさんの「Crypto Kitties(クリプトキティーズ)」でもこのERC721に準拠したNFTを用いています。Crypto Kittiesは、仮想空間上に自分だけのオリジナルの猫を育成するゲームです。2017年11月28日に一般公開されてからわずか2日で、一時イーサリアムネットワークの全トランザクションのうち、およそ13%を逼迫するほどの人気を誇っていたそうです。記事によると

このCrypto Kittiesで取引される各NFTは、猫1匹1匹の情報と紐づいています。ここでいう情報とは、①表現型(Phenotype) ②遺伝型(Genotype)という、それぞれの猫が固有でもつ2種類の「遺伝情報」のことです。①のPhenotypeは猫の外見上に関わってくる遺伝情報であり、②のGenotypeは猫の外見上の形質としては表れていない、その他の遺伝情報として扱われます。
Crypto Kittiesは、イーサリアムネットワーク上で:①猫を販売するか、②猫を交配する、という2つのトランザクションを生成することができる。猫を交配するには2匹以上の猫を所有している必要があります。ここで猫を交配すると、2匹の親猫の遺伝情報が組み合わさり、新たな子猫が誕生します。組み合わせの種類は極めて豊富であり、理論上およそ40億種類の猫を生成することができるそうです。ただし、現在のERC721の特性上、猫の画像など、遺伝情報以外のデータはブロックチェーン外で管理しているようです。

ゲームでの利用は他にも、他のゲームにキャラクターごと移動して使い回せることがメリットです。愛着のあるアイコンをプラットホームで流用することが考えられています。ただし、ポケモンの引き続きのように考えられる強さやステータスが異常に強すぎないようにするなどバッグデータ管理が大変そうです。ユニティやEpic Gamesなどプラットホームのロックオンのひとつとしてはありなので考えているところだと思います。 


このように、電子空間上のデータでも、「固有のデータ」を扱う場合、ERC721は最適であるといえます。そこで他の事例として著作権でネタを考えて大儲けって思ったら既に検討した記事が有りました。



その他の事例:知的財産権・著作物の保護
ユニークな著作物に対してNFTを紐づけることで、著作権の厳密な管理できることが予想されます。ERC721のメタデータのなかに、著作者名、著作物の保管場所、著作権の認証日などのデータを登録することで、権利関係を明確にすることが可能になります。ブロックチェーンの改ざん不可能性を法的根拠として活用できる未来は、すぐそこに来ていると考えてよいでしょう。著作権の管理とは文脈が異なりますが、実際に2017年8月31日より、アメリカのイリノイ州は出生管理に分散型台帳を導入するテストに乗り出しており、国家機関で厳密性の問われる情報管理にブロックチェーンが導入される日は近いでしょう。

https://medium.com/blockchain-research-institute/erc721%E3%81%A8%E3%81%AF-38e80ea2b328

やっぱり私は地味に特許を調べていきます。


特許屋さんらしく特許資料調査

日本特許を対象に全文で「代替不可能トークン(Non-Fungible Token)」を調査してみます。

一番多そうなのが日本電信電話 つまりNTTが日本で3件、その後それを優先権主張する3件の計6件出願しています。最も古そうなのは、


(21)【出願番号】特願2018-197925
(22)【出願日】平成30年10月19日(2018.10.19)

コンテンツ契約方法において、流通対象の権利は、代替不可能なトークン(NFT  :  Non-Fungible Token)化される。NFTは、Ethereumにおけるスマートコントラクトの規格であるERC721に従って、中央集権的な第三者を信頼せずとも、所有者が電子署名を用いて、管理または譲渡等の権利処理がなされる。

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2017年9月20日、ERC20を更に別方向に発展させる規格としてERC721が産まれてから一年後なので早い発明です。

とはいえ、残りの二件の特許は下記のような少しだけ言及したためPCTで実質は1件です。


【0043】[0054] ステートテーブル51A、51Bは、トークン毎に、トークンIDと、ス
テートデータと、消費フラグと、追跡データとを有する。本実施形態では、ステートのキーとしてトークンIDを用いるが、ステートのキーはトークンIDに限定されない。また、トークンは、代替不可能なトークンNon-Fungible Token)であっても、代替可能なトークンFungible Token)であってもよい。



富士通株式会社 富士通総研も数件有りましたが似たような感じです。

 それよりはベンチャーの登録特許が熱いです。

  double jump.tokyo株式会社はPCT出願済みで複数出願済み。

面白い登録特許は樽単位酒の保存状態データ管理にNFTを使っています。

(11)【特許番号】特許第6829927号(P6829927)
(24)【登録日】令和3年1月27日(2021.1.27)
(45)【発行日】令和3年2月17日(2021.2.17)
(54)【発明の名称】樽単位酒の保存状態データ管理及び所有証明管理システム
(51)【国際特許分類】

【請求項5】
前記証明書トークンは、ノンファンジブルトークンNFT)である、
ことを特徴とする請求項4に記載の樽単位酒の保存状態データ管理及び所有証明システム。

個人的に注目しているのが下記の発明

(21)【出願番号】特願2018-246419
(22)【出願日】平成30年12月28日
(11)【特許番号】特許第6640320号
(45)【特許公報発行日】令和2年2月5日(2020.2.5)


【氏名又は名称】日置  玲於奈

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【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り  掲載日平成30年5月29日、掲載先URL<https://research.cryptoeconomicslab.com/t/erc721-1/80> 

ToyCash CEOのLeona Hioki(日置玲於奈)さん、他にもgeomerlin.com代表でもあるみたいです。

記事を探すと

「動かさないトークン」で新ビジネスを創出=BlockChainJam 2019 〜新サービスRyodanで会員制コミュニティを運営、会員権NFTを売買 - 仮想通貨 Watch (impress.co.jp)

 と有りました。ベンチャー頑張れ!

 

NFTそのものではないものもノイズとしては有って
電子チケットでNTT関連会社

ID管理でNFTでさえ無さそうな 株式会社デジタルアシストという会社も 2件

外国企業からの日本出願がこの分野も少ない。唯一に近いのが下記企業。

電子名刺発行管理サーバー装置や在庫管理システムでアラート  イノヴェイション  インコーポレイテッドという会社。他にも

代替不能商品のための自動プロキシピッカーシステムも出願し、
移動ロボット付きピッキングワークステーション

まあこれから山ほど出てくると思いますけど事業にしてナンボ、頑張れ!

まとめ

アメリカのイリノイ州は出生管理に分散型台帳を導入するテストが行われるなどブロックチェーンはあちこちに根付きはじめているようです。中国ではブロックチェーンを使って訴訟の資料管理をしたと数年前に見ました。

イーサリアムのTシャツを羽織った当時は骸骨のように痩せっぽっちなヴィタリックブリテンさんの講演する姿を数年前にも観ていました。その、メモ書きにはERC 223標準規格化の文字もあり、しっかりウォッチしていればと残念だったのは今回書いて気付いたことです。

知財関連にも使えるかもと調べてみたら、 著作権について記載された記述も見つかりましたが世界的な管理機構はまだまだ先の話のようです。

既に取引が行われた事例を見ると絵画が多いです。盛り上がったのが去年なので、トランプ前大統領や北朝鮮の金正恩総書記の裸が多いです。

つまり来年になったら買ったこと自体を後悔しそうな時事ものが多かったです。それ以外にも変わり種?としては最初のTwitterのコメントや、ビットマップで書かれたようなカクカクの画像、

レブロンジェームスのダンクシュートの動画など一品ものというか特定するのが難しそうなものまで、原理的にこのNFTなら管理できるので、用途は広がります。

意匠や商標は検討すると合わないと検討した結果でてきました。量産品の管理はデータの一品一様とはリンクが難しいのでブレークスルーが何か必要です。著作権こそアリだと思っていたのですが上記の通り、既に検討を進めているようなのでどうするかなぁともう少し悩んでみます。

それにしても日本のベンチャーもいち早く出願しているのが好印象なので、投資先の検討に特許というのが先端技術のひとつの方向性としてアリだと思います。

それにしても取引量を見るとNFT、凄いバブルが起こってます。

今年に入って二次関数のように延びています。

仮想通貨メディア「The Block」によると、NFTの週間取引量は、2月21日のピーク時には約1億9640万ドル(約200億円)を突破した。その多くを占めていたのが、先述の「NBA Top Shot」での取引だ。

記事によるとスポーツ、それもバスケットボールなので横展開すると、

既に考えている日本のベンチャー頑張れ!

頑張れば儲かるかな?って山っけをだすと決まって失敗するのでもう少し考えてみます。WIPO グリーンみたいに国をまたぐ施策推進なら夢は広がりますね。(夢のまた夢は言い過ぎ)

追記:知財トップのIBMがやってました。

IPweはAIとブロックチェーンを活用した特許取引プラットフォームを提供しているスタートアップ。単にデータベースを提供するだけでなく、特許の分析や評価(価値や特許消滅の可能性など)などを手掛けている。
IBMとは、過去3年間にわたって協業関係にあり、IBMのブロックチェーンやAIといったプロダクトをサービスに利用してきたという。
IBMはブロックチェーンのソリューションを提供しており、国内では岩手銀行が2020年11月に、電子契約の実証実験で同社のブロックチェーンを利用している。
関連:岩手銀行、IBMブロックチェーンプラットフォームの実証実験開始
プレスリリースによると、今後、NFT化した特許の実証実験を2021年の第2四半期にも開始するとしている。また、第4四半期にはトークン化されたIPの販売を開始できると見込んでいるとのことだ。


やっぱり素人が考えるようなことはやられてますね。NFT化した特許の実証実験を2021年開始と有るので登録特許の流通センターを作るのかな?。また、第4四半期にはトークン化されたIPの販売を開始できると見込んでいるそうなので、しばらくウォッチします。

ベイブルースの伝記には入院中の小さな子のため予告ホームランをかっ飛ばしました。NFT ならお金であのタンクシュートは僕のものと言えるのですが、夢があると見るべきか?!



 


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