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昨年一年間の世界と日本の特許出願


2月26日に特許出願等統計速報(令和2年12月分を掲載しました)が有りました。

https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/syutugan_toukei_sokuho/document/index/202012_sokuho.pdf

みんなコロナ禍で大変だったので、出願件数が見込みより落ちたでしよう?発明者とも話せないのは私だけじゃないでしょ?!とお友達を探します。

特許庁公開の昨年一年間の日本への知財出願をみてみます。

日本の特許・実用新案

今年R2は294,366

昨年R1は313,210
に比べて順調に減ってます。1.88万件減少

意匠は24,633は微増

商標は139,786はほぼ同等

今までの落ち込みより急激です。

特許出願は昨年7月以降は月平均で5%-10%減していました。

それ以前はと見ると6月は平年並み、4,5月の緊急事態宣言下の10%強の減

例年減少しているので、比較のために年平均を載せます。「1-1-1 図 特許出願件数の推移」です。

(備考)特許出願件数は、国内出願件数と特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)のうち国内移行した出願件数(基準日は国内書面の受付日)の合計数である。

特許出願件数の推移

特許行政年次報告書2020本編掲載図表ダウンロードより

2010年からの減少率でみると、100件増えた2017年の0.03%増から

2013年の最大4.2%減まで(1.4万件減)

直近の2019年は1.8%減(5600件減)

今年が6.0%減(1.9万件減)なのでコロナ禍の影響有ります!私だけじゃないでしょ?!

ここからは残念なお知らせばかりです。

商標はほぼ同等です。

意匠に至っては微増ですが増えています。

法改正の効果です。

どうしたみんな、大変だっただろう。もっと絞っても良いんだよ。私だけのんびりしたのがバレそうです。

視線を広く持たねばと世界で大変だったのでPCTに激減を期待します。

昨年一年間のPCT出願件数

3月2日に出たPCTの出願件数です

https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2021/article_0002.html

もっとアカン、逆に増えとる。中国にいたっては16%増加する暴挙です。

ベスト10でほぼ現状維持ではなく減ってるのはドイツと日本だけだ。

PCTトータルでもプラス4%って、コロナどこ行った?

こうなりゃ、やけで、増えてるハズの中国登録を見ます。

2020年度知的財産権審査状況
1.特許
特許出願の登録件数は以下の通り(出願件数は未発表)
発明特許53.0万件(前年45.3万件、17%増)、実用新案特許は237.7万件(前年158.2万件、50%増)、意匠特許は73.2万件(前年55.6万件、32%増)。
特許の不服審判は4.8万件(前年3.7万件、29%増)、無効審判は7千件(前年5千件、34%増)。
なお、PCT出願は7.2万件(前年6.1万件、18%増)を受理、内国内出願6.7万件。

うん、見なかったことにしよう。登録なので昨年以前だしね。

まとめ

なんかコロナ禍だと大騒ぎしてた割には世界は淡々と進みます。

なお先ほどの資料は動画配信もやっててWIPOのタン事務局長はシンガポール出身なのでアジア系のお顔立ちでした。

笑い話のような話ですが、パチモン知財に関わるのに中国がこの局長の座を狙っていましたね。

そのInnovation Perseveres: International Patent Filings via WIPO Continued to Grow in 2020 Despite COVID-19 Pandemic
によると企業でも中国HUAWEIがトップ、中国企業はベスト30に10社もランクイン。
日本は八社でした。
5Gの標準規格のためクアルコムとエリクソンも上位です。というか日本のNTT、NTTドコモ、中国のZTE が同じ文脈です。
韓国のサムスン電子とLGがランクイン

てか、ここでも件数増えとるやないかい。

ラストスパート頑張って、年度ではそこそこまで持ち直すようにします。


ご参考、これからは知財担当向け

英語版のみですが特許庁五局資料がアップデートされていました。

公開までに時間がかかり、パリ条約でき一年外国出願に猶予があるため2018年の出願がやっと整理されていました。

もう太さとか数字の意図とか一度作り直したいですね。

2017年の資料なら情報倍増です。

ワイポには商標も載ってました。マドプロです。

商標は中国よりアメリカの方が多く、実はドイツよりも少ない3位です。

ハーグですが企業ベースです。

ちなみに出願上位大学にもカリフォルニア大学、MIT の次に中国の大学がランクインしていました。日本は止めときます。


このままやると、ぶれるので分析はまたの機会です。




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