いい1on1に必要な「相手に話してもらうための4つのスキル」
みなさん、こんにちは林です。
1on1って難しいですよね。
僕も初めてマネージメントをさせてもらってから10年近く経ちますがいまだに難しいなと感じます。
今まで直接1on1やらせてもらった人数は30人位だと思いますが、ようやく「いい1on1とは何か」とかそのためにどんなことに気をつけるべきなのか、が少しわかってきた気がします。
僕は色んな書籍を読んで試したり、人材系の会社が実施してくれる研修から要素を抽出して自分で頭の中に体系化しました。
でもみんなが各自でこの作業やるのはあまりに効率悪いし、時間かかりすぎるでしょ。。ということで
何本からのnoteにわけて、よい1on1を実施するための必要なスキルやノウハウをまとめます。
かつて日本で最も働きがいのある会社に3年連続で選ばれたVOYAGE GROUPで人事本部長を勤めた世田さんが執筆されたこちらの本を主に参考にしながら、その他市販のコーチング関連の書籍で解説されている内容も併せてご紹介します。
このnoteでは「相手に話してもらうスキル」を解説します。
自分の1on1のやり方ってこれでいいのかなー、、、
習ったことないから自己流でやってるけどこれで正しいのかな、、
という方の参考になればと思います。
それではいってみましょう!
まずは身につけたいスキル全体像から
「話してもらうスキル」は全4つの項目に整理されます。
※要素の整理の仕方は参考図書から私がさらに簡略化していますので完全に一緒ではありません。ご注意ください。
反応する
当たり前のことですが、人が誰かに話をする時に相手の反応がないと話す気を失います。これは仕事のシーンに限った話ではありませんよね。
「この人僕のはなし聞いてるのかな・・・」
「なんか自分の話が受け入れられている気がしない」
と思わせてしまったら相手は気持ちよく話をすることはできません。
下記の3つを意識して相手が話やすい場づくりを心がけてください。
A:しっかりうなずいて反応する
あなたがぶっちょうヅラでほとんど動かずに話をきいていたら もう部下の心が折れることは間違いなしです。 これは仕事のシーンだけではありませんよね。
でもこんな当たり前のことですが、 実は「相手からみて十分に」うなづいている人はまれです。
特にリモートでWeb会議の場合はあなたの動作は伝わりづらいです。 「対面の時にここまでやると大げさかな・・・」というレベルしっかりとうなづく位でちょうどよいです。
これは1on1だけなく、多人数での会議のときも心がけてほしいことです。 会議は音楽のライブとかと一緒ですから、観客と一緒につくりあげるものです。 理由があってミュート・顔出しができない、というケースを除いて、可能な限り話者がノッてくる反応をすることがマナーではないでしょうか。
B:自然な笑顔で
これもリモート時代だからこそ、より注意が必要です。
対面のときと違ってもうお互いの顔を見て話しているわけではありません。
共有された画面を集中して見ているがゆえに しかめっ面になっていたり、 頬杖ついて画面に寄って怖い顔になっているなんてことは結構あります。
対面ならまずありえない姿勢で話をきいてたりするのもリモートならではだと思いますので注意してください。
C:あいづちをうつ
表情+うなづきに加えて適切にあいづちがあると相手はぐっと話やすくなります。 特に凝ったことを意識する必要はありません。
あなたが本当に思ったことを「うそでない」感情で言葉に出すことが重要です。
コーチングを勉強すると、「傾聴」という言葉に出会うはずです。 「とにかく相手の言っていることを理解するために真剣に全身全霊できく」という印象を受けがちです。
しかし大事なのはあなたが深く完全に理解する、でなく「相手に話してもらうため」に傾聴するのである。ということを忘れないでください。
待つ
1)まずじっくりと相手の話は「絶対に」最後まできく
相手の話がしっかりまとまっていないからといって、途中で話をさえぎられたら相手は話す気を失います。
あなたと1on1の対象者の力量が離れていればいるほど、こちらからすると、相手が言っていることの結末がわかる(わかっている気になる)度合いが高まって最後まできくことに忍耐を要します。気をつけください。
2)次に、沈黙をおそれずに相手に考える時間を与えること
そもそも1on1でなぜ相手に話してもらうことを重視するのか、をもう一度思い返すと
「自分の頭で考えること、自分で言葉にすること」
を通じて対象者に気づきを与え、内省力を身につけることで自走力を高めることを目的としています。
ときには相手があなたの質問にパッと答えられず
「なるほど、えーーと、、、」
という場面があるはずです。
その瞬間こそ相手が思考を巡らせ成長している時間だと思い、ぐっとこらえて待ちましょう。苛立ちが表情や声のトーンに出ないよう気をつけましょう。
また、
「この時間は○○さんに考えてもらう時間にしたいから、じっくり考えることに時間使ってもらってもいいからね」
といった声がけが事前にあれば相手も安心して時間を使うことができます。
話を返す
相手が話していることの中で重要そうなポイントや、感情のこもった部分に言葉を返してあげることで相手は話しやすくなります。
カウンセリングの世界では「能動的傾聴」とよばれる手法です。
ここでは2つのテクニックをご紹介します。
まずひとつは「共感の返し」そして、
もうひとつは「整理の返し」です。
具体例を見たほうがわかりやすいと思います。
どうでしょうか。
共感の返しは相手の感情にあわせて返すことで、聞き手として信頼を得ることが出来ます。
対して整理の返しは相手が状況や自分の気持ちを把握しきれていなさそうな時に要約をしながら確認することで、相手に気づきを与える目的で行います。
相手に質問する
質問をする、ということは ”相手に思考の観点を与える” ということです。
普段は考えていないこと、持っていない視点でもあなたが質問することでそれを考え、気づきを得ます。
相手に話してもらうための強力な武器である「質問」を使いこなすためにまずは「具体化質問」をマスターします。
具体化質問では下記の3つを意識します。
・促し(詳細をきく)
・深堀り(より具体的にきく)
・定義(意味合いきく)
悩みや課題はその人の「認識」を変えることをしないと解決しないケースがありますが、人間というのは自分自身の認識が当たり前だと思っていたり、自身の認識に気づけていないものです。
その思い込みともいえる認識を
・どう持っているのか
・どのようにその認識が形成されているか
を確認するために具体化質問を行います。
これも同じく具体的で説明します。
どうでしょうか。
長くなりすぎそうなので省略しますが、
もう少し質問を通じた対話を続けることで、相手の悩みのポイントを明らかにしてくれそうですね。
まとめ
参考図書である「対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術」はコーチングや1on1のテクニックをかなりシュッとまとめた本ですが、その中でもまずは特に優先度が高いな、と思う内容をまとめました。
このnoteの内容を自然に実践できるようにするだけでも大変だと思いますし、それができている人はけして多くないです。
このnoteを読んでいる時点であなたは自分のメンバー(部下)に対して効果的な1on1をしてあげたいと思っています。
その気持ちがあればあとは反復練習でスキルを伸ばせば、あなたはきっとよい1on1ができるようになります!
最後にこのnoteで紹介したテクニックを再度一覧にしておきます。
□しっかりうなずいて反応する
□自然な笑顔
□あいづちをうつ
□話は「絶対に」最後まできく
□相手に考える時間を与える
□共感の返し
□整理の返し
□具体化質問
1on1が終わったあとにこの一覧を眺めて、
どんなことができたか、できなかったか振り返るためのツールとして使ってもらうとより吸収が早くなると思います!
いきなりすべてをまんべんなく意識するのは難易度が高いので
「次の1on1は特にこれに注意してみる」という使い方もいいかもしれません。
今後も【まずはここから】マネージャーの仕事術マガジンに、こうしたテーマの記事をまとめていこうと思います。
悩み多きベンチャー企業のマネージャー達の救いになればという思いで書いてます。いずれ考え方・メソッドをまとめた参考書みたいものがつくれたらいいなーと思っています。
参考になった、という方は今後もお付き合いのほどよろしくお願いします!