パッションが惹き寄せるもの
今週は暑い日が続いたフィレンツェ。
そんな中、木曜日の夜に開催された出版記念パーティ。
「CRAFTING EXCELLENCE・Florence」というフィレンツェの17組のさまざまな職人をまとめたこの本。
メインスポンサーであるフィレンツェ近郊のワイナリー・Tenuta Ruffino Poggio Cascianoで行われたこのパーティ。
宿泊施設とレストランも兼ね備えたワイナリーにこの本に掲載されている職人さん達と関係者が集まりました。
彼女と一番最初に出会ったのは2022年に参加したコルシーニ貴族庭園職人展。
以前、自分も選出してもらった若手の職人・ブロガー向けの参加枠で彼女が選ばれていてブースに来てもらった時にいろいろと話をしました。
その頃はSNSインフルエンサーという感じで新しくいろいろな事を始めている段階でとてもエネルギッシュだったのを覚えています。
話の中で度々出てきたのが「Passione/パッション」という言葉。
出版プロジェクトに際し彼女のパッションが彼らスポンサーを突き動かしこの本が生まれました。
その彼女のパッションを突き動かしたのは自分たち職人の生み出すオブジェクトであったり職人としての生き方だという。
この本は職人本ではあるものの、その職種や作っているものの紹介だけではなくそれぞれの職人のパーソナルな部分が文章にまとめられていてとても面白い作りになっています。
職人仕事というのは長く続けていれば技術的な部分はある程度ついてくるもの。
作業が上手くなって、スピードが速くなってきてそのパフォーマンスがどんなコンディションでもコンスタントに出せるようになってくる。
ただ長くなればなる程に慣れが生まれてきて気を付けないとそれはやがて惰性へとなっていく。
一昔前はそれでも仕事になるのが職人という仕事ではあったのだけれど思考のない惰性の仕事は機械へとどんどん変わってきているのが現状。
そんな中でも職人として求められ続けている人たちが強く持っているのがパッション。
技術だけではなくパッションを持ち合わせていない職人は生き残れない時代が確実に来ていると感じています。
パッションを感じる人には様々なものが惹き寄せられてきます。
人やモノ・コトetc…
今回のこの本はまさにパッションに惹き寄せられたものが形になったのかなと彼らの話を聞いていて感じました。
でもこのパッションやモチベーションを保ち続けるというのは技術を得る以上に難しかったりするんですよね。。。
パッションというのは歳をとったりすると無くなってしまうものではなく意識をしていないと奥の方に仕舞われてしまうもの。
ちょっとしたきっかけでいつでも引っ張り出す事は出来ます。
いろいろな事をあらためて考えるきっかけになったとてもいい夜でした。
-Fin-