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なぜ手仕事?

木象嵌といってもいろいろな製作方法があります。
その中で自分のスタイルは0.7mmほどの突板を何種類か重ねて糸鋸でカットをするというもの。
糸鋸も電動と手動の2種類があって同じ要領で突板を重ねて切るスタイルではレーザーカットもあって今、日本にイタリア木象嵌といって出回っているものはほぼこのレーザーカットによるもの。

それぞれ一長一短はありますが今自分が求めている仕上がりには手動の糸鋸が一番合っているので手作業でカットします。

手動の糸鋸の一番のメリットは細い刃を使えること。
今使っているのは彫金用の糸鋸の刃で4/0というサイズ。
刃の厚みによるキリシロもあまり出ず、より細かいデザインのカットが可能です。
手動のもう一つのメリットは仕上がりの雰囲気。
ここが一番重要で他の手段とは一線を画します。

このデザインは7種類の突板が間に挟んであります。

カットの際にしっかりと垂直が出ていないとこのような断面にはなりません。

カットしたパーツ

これをパズルのように並べ替えて一緒に切った木の種類それぞれで組み合わせを変えて絵を作っていきます。
ここまで細かいデザインだとこの状態から元に戻せるか毎回不安になります。

昔はカトリック信者が精神修行の一環としてやっていたというこの木象嵌。
教会に今でも残る当時の作品は神がかったようなものが多くあります。
そんな作品に近づけるようにもっともっと経験を積んでたくさんのものを残していきたいと思います。

-Fin-

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