【感想】ミュージカル『レ・ミゼラブル』2019大千穐楽@札幌
2019年のレミゼが終了しましたね。
4月に帝劇公演が始まったときは、まだまだ先は長いと思っていたけど、本当にあっという間でした。出演者のみなさま、スタッフやオーケストラのみなさま、ファンのみなさま、おつかれさまでした。
札幌で大千穐楽を観劇したので、感想をメモしておきたいと思います。
劇場について
札幌文化芸術劇場hiraru、初めて行きましたが、とってもよかった!
図書館などの文化施設が集まったビルに入っていて、まだ新しくて綺麗。
札幌駅からは徒歩10分ぐらいで、時計台やテレビ塔、四季劇場の近くです。駅から地下道でも行けると思うのですが、私は迷ったので地上から行きました!
エスカレーターでビルの4Fまでのぼると劇場ロビーがあり、5Fから上が客席になってます。
クロークの他、3・4Fに100円返還式のロッカーもあるので遠征民にも安心だ!!
ロビーや各階のホワイエからは、テレビ塔がよく見えます。
千穐楽の日は天気もよく、青空の下にそびえたつテレビ塔がすごく綺麗だった~。
続いて座席について。
今回はS席・1階後方に座りましたが、前列との間にゆとりがあるし、椅子もすごく腰に優しくて3時間の公演も楽ちんだった~。
ただし、ゆとりがあるぶん舞台までは結構距離があります。後方に座る場合はオペラグラスがあった方がよいかも。
レミゼは照明も暗めな作品なので、オペラグラスなしだと表情の判別が難しかった(視力はコンタクト入れて1.2ぐらい+即効ブルーベリーのサプリ服用)。
ちなみに、帝劇よりもさらに舞台が暗い!と思ったのですが、個人の意見なのでご参考まで。
それから、hitaruは「音響がいい!」と評判ですね。
お恥ずかしながら私はド素人なので、どの辺がどう良いかがわかってないのですが、確かに楽器の音はすごくクリアだな~と感じました。音がこもる感じがしなくて、とっても綺麗だった。
なお、ビルの1・2Fには札幌の有名な珈琲店「森彦」のカフェやレストランが入ってます。劇場ロビーで販売しているスウィーツや飲み物も、このカフェ提供みたい。
せっかくなので1Fのカフェに入ってハンドドリップのコーヒーを飲んでみましたが、とっても美味しかった~~。
なかなか良いお値段がする高級珈琲だったけど、札幌に来た記念になったのでよかったです!
公演について
大千穐楽のキャストはこちらのみなさま(敬称略)。
ジャン・バルジャン:福井晶一
ジャベール:伊礼彼方
ファンテーヌ:濱田めぐみ
エポニーヌ:唯月ふうか
マリウス:三浦宏規
コゼット:生田絵梨花
アンジョルラス:相葉裕樹
テナルディエ:橋本じゅん
マダム・テナルディエ:森公美子
帝劇公演の振り返りと同様、登場人物ごとの感想を書いていきたいと思います。
■ジャン・バルジャン:福井晶一
福井さんは旭川ご出身とのことで、熱がこもってた~~!!
ジャベールと最後に対峙する場面、瀕死のマリウスを医者に連れていかせてくれと懇願するところは、「見ろ、ジャベール 死にかけてる!!」と、なかば叫ぶように伝えていて、感情の高まり・必死さがあふれかえってました。
どんなときでもメロディーに忠実に歌うことは大事なのだろうけど、人間の感情のほとばしりが伝わる表現にも、やっぱり心が動かされます。。
あと、マリウスの手紙を届けにきたエポニーヌを門から送り出すところも胸に残ってます。
駄賃を差し出す手を振り払い去ろうとするエポニーヌを見る福井バルジャンの目!本当に愛に満ちていて、そっと背中を押す手も優しい~~~パパ~~~!!!!!!!!
この場面の印象からか、福井バルジャンは愛の人だなという気がする。
カーテンコールの挨拶では、何度も「札幌で公演ができてうれしい」と仰っていて、やっぱり大切な作品を地元で演じられるというのは、役者さんにとって格別の喜びなんだなあ、と思いました。
■ジャベール:伊礼彼方
安定・安心・大信頼の伊礼ジャベですよ~!!本当に歌がうまい……!
1幕冒頭、ジャベールがバルジャンに仮出獄許可証を渡す場面、伊礼ジャベが許可証を床に落として、福井バルジャンに拾わせたんですよ。
すごく印象的だったけど、わざと落としたんだよね?たまたま落ちてしまった??と思っていたら、カーテンコールで伊礼さんの口から「わざと」だったことが明かされました。
福井バルジャンと対峙していると「屈辱」を味わわされるので、今日はお返しに許可証を床に落としてやった的なことを言っていて、大千穐楽でいきなりそのお返しをやってみちゃうの強すぎないか~?????とびっくりした。
ちなみに、そこで一気に福井バルジャンの感情がブチあがった気配がして、そのあとの芝居は「もう、ね……!!(と言いながら福井さんの顔を見る)」って感じだったそうです。
挨拶では「人を裏切ったり自殺したりする役が多い」と言っていたけど、実際の人柄は明るくておしゃべり好きでサービス精神満点な伊礼さん!
カーテンコールでは、マリウスとコゼットの間に割って入るのが半ば定番になってましたが、大千穐楽では袖から出てくる時点で当然のように2人の間で手を繋いでいて、してやったり、という表情がすごくかわいかった!
■ファンテーヌ:濱田めぐみ
濱めぐさんのファンテーヌ、相変わらず圧巻でした。
「夢やぶれて」の1曲だけでもさまざまな表情を見せてくれて、まるで物語を読んでいるような気になる。
歌、表情、声の全部でファンテーヌの人生や感情を表現しきっていて、これがミュージカルなんだなあ、と改めて感動しました。上手に歌えるだけではダメで、役を深く解釈して歌と演技で表現しきる……って、考えただけで相当難易度高いですよね。本当に役者の方々を尊敬します。
それにしても、濱田ファンテがコゼットを育てていたら、いったいどんな女性に育ったんだろう!!?
濱田ファンテ、母の優しさ、大きくて深い愛はもちろん感じるんですが、一方で波止場で客(バマタボア)と争う姿には猛烈な芯の強さが見え隠れするし……
コゼットが身近にいたら、儚くて無垢な夢見る母になる気もすれば、優しさの中に厳しさと強さを兼ね備えた頼れる母になる気もするし、それによってまたコゼットの姿も変わったんじゃないかな~?と思えて、妄想がつきません。
カーテンコールの挨拶は、「お、これは次回もオーディション参加するのかな!?」と期待させてくれる雰囲気だったので、ぜひぜひ2021年も濱田ファンテを楽しみにしたいです。
■エポニーヌ:唯月ふうか
もともとエポニーヌ自体が大好きで、2019年キャスト3人もそれぞれ魅力的で好きなんですけど、やっっっっぱりふうかエポが一番好き!というか、ふうかちゃんが好き!と思った札幌でした。
マリウスに対するエポニーヌのふるまいや感情の表し方は演じるキャストによって違いがあって、私にはふうかエポの表現が一番しっくりくるんだと思います。
ふうかエポは、等身大の女の子だな~~って感じなんですよね。表情もくるくる変わるし。
「その髪好きだわ」とか「好きなの?私を」とか、冗談っぽくカマをかけてマリウスから反応を引き出そうとしてみたり、でもまったくうまくいかずに傷ついたり、マリウスのためにコゼットの家を探してあげたり、それで「君のおかげだよ」なんて急に手を握られると嬉しくてはにかむように小さく笑ったり、コゼットに会いに行ったマリウスを悲しくて仕方ないって顔で見つめたり……
書いてるだけでふうかエポの顔と小さくて折れそうに細いシルエットが浮かんできて、泣けるーーーーー!!!!健気!!
とにかくふうかエポは健気なんです!!!!!
マリウスを庇って撃たれてから亡くなるまでの場面も、本当に泣けるんだ~~
痛いだろうに苦しいだろうに、必死に笑顔を作ってマリウスを励ます姿。最後の最後までマリウスのことを想って、弱弱しくも力のこもった目と声で「これでいいの」と言い聞かせるのも、抱きしめてくるマリウスの腕を掴む小さい手も、汚れているけれど真っ白で綺麗な肌も、あーーーー悲しい~~~~~
ふうかエポ、生きて幸せになる権利のある女の子だよーーーー!!!!
もちろん、かわいさや健気さだけじゃなく、エポニーヌらしく度胸があって負けん気が強そうでもあります。でも、ふうかちゃん演じるエポニーヌを観ていると、「苦しい生活の中にあっても、マリウスを愛する気持ちが彼女を強くしているんだな」と感じるのです。逆境や貧困への怒りではなく、愛が原動力になっているエポニーヌだと思う。
だとすると、やっぱりマリウスの命を救って、彼の腕の中で亡くなれたのは、エポニーヌにとっては幸せな最期だったのかもしれないな……
ふうかちゃんは札幌出身なので、福井さん同様カーテンコールでも札幌で公演ができる喜びを話していました。
途中、涙で喋れなくなりそうだったのか、突然「ああっ!」と声を上げて両手を顔の前で広げる(伝わりますかね……)ってことが2回ぐらいあって、どうしたどうした!?!とびっくりしました。
まわりのキャストさんたちも驚いて笑っていたけど、本当に愛らしくてかわいくて、たまらなかったです。
■マリウス:三浦宏規
「カフェソング」、めちゃくちゃに感情がこもっていて、とってもとってもよかった~~~!!!!!!!!
一言一言を大事に丁寧に、気持ちを注ぎ込むように歌っていて、マリウスの苦しみや後悔や懺悔やらで乱れきった感情が伝わり、悲しいような苦しいような……、本当に胸が締め付けられました。
その後のコゼットとの場面もよかった~。
悲しみで冷え切った暗い顔でうつむくマリウスが、コゼットの励ましで徐々に顔を上げ、心が解けていく様子がわかって、辛い経験から人間が再生していく様子がはっきりと伝わってくる。
ところで、エポニーヌ好きとしては、「マリウス、お前ってやつは~~!!!!!!!!!」と思うことが多いのですが、大千穐楽の三浦マリウスにもやられました笑
エポニーヌの恋心なんてまったく気づいていないだろうと思うものの、いや、もしかしたら何かしら感じているのか……?好意を持たれていることには勘付きつつも全然気にせず自由に振舞っている感じもする……いや、さすがにそれは……と思ってしまうほど、三浦マリウスはエポニーヌへの声のかけ方や触れ方、お願いの仕方が絶妙……!!!しかも、狙ってやってるわけじゃなさそうなところも、また絶妙……
こっちの気持ちなんかお構いなしで、無邪気に自由に、自分の気持ちの向くまま、まっすぐ革命やコゼットに夢中になっているところが、エポニーヌは大好きだったのかもしれない……いつまでも笑って、好きなことを楽しくやっていてくれれば、エポニーヌは幸せだったのかもしれない……命をかけて、好きな人を守ったんだね………エポニーヌーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
さて、エポニーヌが亡くなる場面からの三浦マリウスは、本当に「マリウス、お前ってやつは~~!!!!!!!!!」って感じです(????
腕の中で命を落としていくエポを抱きしめている間、「これでいいの」と微笑む彼女とは反対に、三浦マリウスは現実を受け止めきれない様子。エポを引き戻そうとするかのように、必死に身体にすがり、手を握る。まるで、駄々っ子と母みたい。
嗚咽が漏れるほど泣いて、仲間たちがエポニーヌの亡骸を運んでいっても、ガブローシュからエポニーヌの帽子を手渡されても、俯いて現実から目を背けているようでした。
そこから砦での戦いの間も、自暴自棄というか、ふて腐れてやけになったような荒んだ闘争心を感じさせて、「マリウスー!お前さんを守って、エポは死んだんだぞーー!!!!ふて腐れてる場合かーーー!!!!」と、エポニーヌ贔屓の私は心中で叫びました。
ただ、それより前の「ABCカフェ~民衆の歌」あたり、革命に向けて盛り上がる仲間から少し離れて、三浦マリウスはテーブルに置かれた紙の束を持ち上げ、なんとも言えない表情で見つめていたのです。
そのとき、とーーーっても複雑な顔をしていて、革命と恋のどちらを取るべきか悩むというよりも、本当に革命が正しい道なのか考えているような雰囲気すらしている気がした。
それがあったから、エポニーヌが革命で犠牲になったとき、あれほど荒れたのかな、とも思えたし、カフェソングが一層沁みたのかな、とも感じた。
カーテンコールでは晴れ晴れした顔で手を振っている姿と、ふうかちゃんが涙で喋れなくなっている間じーっと見守ってあげていたのが印象的だった~。
あと、最後は仲良しの相葉くんに肩を抱かれ、うれしそうに手を振っていました。
帝劇でのプレビュー公演・三浦マリウスの初日、スタンディングオベーションの客席を、感極まった顔で目を離せないとでもいうように見上げていた三浦くん。あのときも、相葉くんが隣で肩を抱いて支えてあげていたなあ、と思い出し、なんだか感慨深かったです。
■コゼット:生田絵梨花
相変わらず本当にかわいい〜〜〜!!!
レミゼの合間に双騎出陣に出演した三浦くんもハードスケジュールでしたが、ライブ含め乃木坂の活動があった生ちゃんも相当大変だっただろうなあと思います。
でも、いつ見ても一部の隙もなくかわいくて、すごいなあ……
テナルディエたち強盗団が来る場面で、マリウスとエポニーヌを門の外に逃したあと、一瞬コゼットとエポニーヌが格子を挟んで向かい合うじゃないですか。
そのとき、コゼットがエポニーヌの正体?に気づいているか、という点、演じるキャストによって違う印象を受けます。
大千穐楽の生田コゼットとふうかエポは、一瞬目を合わせてじっと互いの目を見つめたように見えた。
そこでコゼットがエポに気づいたかどうかはわからなかったけど、きっとエポニーヌがマリウスを想っていることには、気づいたんじゃないかな〜という気がした。
あの瞬間、「マリウスを守る」という共通目的のために手を組んだ女子たちの、言葉がなくてもわかるコミュニケーションって感じで、ニヤリとしました。
挨拶では「コゼットは愛を受け取るだけじゃなく、それを周りにも渡せる人」的なことを話していましたが、その言葉の通り、生田コゼットは本当に純粋無垢で愛に溢れた女の子だと感じます。
■アンジョルラス:相葉裕樹
いきなり外見の話で申し訳ないのですが、本当〜〜〜〜〜〜に、脚が長くてスタイルがめっっっっっっっちゃくちゃいい!!!!!!!!!圧倒されるレベルで、立ち姿が本当に美しい。
ただそこにいるだけで、カリスマだ……とわかっちゃう、説得力ありすぎる見た目なんですよね。顔も本当に綺麗だしね……
もちろん、相葉アンジョのかっこよさは外見だけじゃなくて、ABCカフェでの自信に満ちた態度やスマートな振る舞い、瞳の輝きなんかも、リーーーダーーーーーー!!!!!!って感じで、とってもかっこいいです。
以前の感想でも書きましたが、この人なら輝く場所に連れて行ってくれるんじゃないか?!と希望を持たせてくれるアンジョだな〜〜
とはいえ、近寄りがたい雰囲気はなく、どちらかというと身近にいるお兄さんのような、「この人に褒められたい!」みたいな気持ちになっちゃう。
相葉アンジョに「よくやった!」とか言われたいもんなあ。
■テナルディエ:橋本じゅん
帝劇の1回しか観れなかった橋本テナルディエ、大千穐楽で久しぶりに観劇できてうれしかった。
帝劇のときは、なんとなく声が出ていないような印象を受けたのですが、札幌ではまったく問題なしでした〜〜
橋本テナは「男の魅力……!!!」って感じ。
本当に腹が立つ悪党なのにおかしいなあって思うんですが、瞳に力があるからなのかなあ??ギラギラしていて野生的で、このテナルディエならどんな環境でも生き残るわ……!!!と納得できます。
■マダム・テナルディエ:森公美子
相変わらずの大迫力!!!!
相葉アンジョとは違う意味で、立ち姿に圧倒的な説得力がある。
とにかく、モリクミさんは存在そのものがマダム・テナルディエなのですが、とはいえやっぱり歌やお芝居の実力あってのものですよね。
いつ観ても期待を裏切らず「これぞマダム・テナルディエ!!!」と思わせてくれるのって、やはりすごいことだと思います。
長年演じているから、きっとある程度力を抜いても観客が満足できるレベルになると思うんだけど、毎回「血管切れるのでは??!!!」と心配になる勢いで全力投球しているので、本当に観客としてもありがたいし、うれしいです。
大千穐楽では、マリウスとコゼットが出会う場面で、コゼットより先にマリウスにぶつかりそうになったらしく、挨拶で「話が変わってしまうところだった……!」と言っていて、笑ってしまった!
それを聞いて三浦くんも爆笑していて、マリウスとマダム・テナルディエの「運命の出逢い」も、ちょっとだけ見てみたくなりました!!
最後に
4月から始まった『レ・ミゼラブル』2019年ツアー、本当に本当に素晴らしかったです。
いつ観ても、どの組み合わせで観ても、毎回新しい気づきがあって、歌とお芝居にも感動しました。
レミゼは2021年の上演も決まっていますね。今回のキャストの中には、今年で最後な雰囲気を出している方もいたので、寂しさと次なる出逢いへの期待でいっぱいです。
でも、まだしばらくは余韻に浸っていようと思います。
本当に本当におつかれさまでした!!!!
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