備蓄と収納
今回は備蓄と収納について我が家の体験談を交えてのお話です。
万一に備えて備蓄をしておられるご家庭も多くなってきたようですが、皆様どのような備蓄をされているでしょうか?
「何に備えての備蓄か」によってどんな備蓄が必要か、そして食料品や消耗品の場合、想定日数は何日分(×人数)か。
これにより、目安となる備蓄量が変わってきますよね。
・災害に備えて
・パンデミックに備えて
・その他(シェルター内備蓄など)
「災害」に備えての備蓄の場合、立地条件などにもよりますが、想定する備蓄日数は比較的短い場合が多いのではないかと思います。
一方「パンデミック」に備える場合は、「災害備蓄」と比較すると、少し長めの備蓄をされている方が多いかもしれません。
また、核シェルターの場合は、少なくとも2週間分の飲食料・消耗品などの備蓄となるでしょうから、単純に「備蓄」と言っても様々です。
例えば食料備蓄の場合、2〜3日分程度の備蓄であれば、それほど問題にはならないでしょうが、想定日数が長ければ長いほど、「賞味期限」の問題が出て参ります。国や自治体でも「備蓄食料などの賞味期限」が課題となっているように、賞味期限が切れる前に何らかの形で活用・消費しなければならず、個人で長期日数の備蓄をする場合、その管理が難易度を引き上げているように感じております。
仮に4人家族で2週間分を備蓄する場合、56日分という事になりますから、想像を超える量を買いそろえ、食料品は賞味期限が来ますから、その前に消費→(消費前に)補充購入する必要があります。
全ての備蓄食料・飲料水などを「長期保存用」とするのも高コストになりますし、ある程度バリエーションも必要です。実際問題、平時(非常時でない時)に備蓄品を食べるか?と言うと、きちんと決めておかない限りなかなか備蓄品を食べようとはならず「気がついた時には賞味期限切れで処分した経験がある」という話もよく耳にします。
そのような事から、備蓄そのものが長続きせず、必要量を確保できていないケースも多いのではないかと想像しております。
ところで、「ローリングストック」という言葉を聞いた事はあるでしょうか?(自然と身につけておられる方もいらっしゃるのではないかと思いますが)
特別な保存用のものではなく、日常使っているものを常に多め(備蓄に必要な日数分)にキープしておく方法です。
この方法はストックしているものを日付順に並べ、日付の古いものから順に使用(消費)していき、同時に購入補充し、常に一定量のストックを保つ方法です。
住宅設計の際、可能であれば、後方入れ前方出しの収納計画など、ひと工夫する事で管理がとても楽になります。(補充のため購入するものを収納部後方から入れ、使うものは前方から出せる収納計画)
オープンラックなどでも、同じようにローリングが可能です。
※何よりもルールを決めておく事が大切です。
ローリングストックと長期保存食品などを併用することで、長めの想定日数でも意外とうまくローテーションを組めるものです。
いずれにしても一気にまとめて消費するのではなく、計画的に消費→同時補充(先行発注)をおこない習慣化することをお勧めいたします。
我が家では逆パターンのものも発生しました。
本来、長期保存用(長期備蓄ローテーショングループ)として保存していた5年保存用の「ようかん」ですが、備蓄消費としておやつ代わりに食べたところ、家族全員「おいしい」と意外と評判が良く、この度「短期備蓄ローテーショングループ」入りする事になりました。笑
ひとつの目安として参考にしていただければと思いますが、
例えば、備蓄量が2日分までなら「ローリングストックのみ」として、それ以上ならローテーショングループを2〜3グループに分け、ローテーションサイクルを変えたものを用意し(収納棚にわかりやすく表示し)、「備蓄食デー」(3食)や「備蓄食回」(1回)を設定するなど工夫をしたスケジュールで調整入替しながら管理していく事で(補充の発注も忘れずに)安定的な運用が可能になると思います。
※大人は多少辛抱して食べられたとしても、子供達がきちんと食べてくれるものを備蓄品として選びたいですね。
新型コロナウィルスで人類は苦い経験をする事になりましたが、改めて「備え」に対してきちんと考えておくべきことも同時に学びました。今回の新型コロナウィルスだけでなく、パンデミックを引きおこす可能性のあるものや台風に地震など脅威は尽きません。
「喉元過ぎれば備えに対する意識も薄らぐ」のが常です。
既に忘れた方も多いかと思いますが、新型コロナウィルスが発生した2020年、世界的流行(パンデミック)が起こりはじめた当初、人々は外出を控え、トイレットペーパーやティッシュがコンビニやスーパーの店頭から姿を消した時期がありました。「充分に在庫があるので買いだめはしないでください」というニュースが流れたほど、人々(一部の)が一気に買い溜めしようとした結果、このような事が発生してしまいました。
多くの人が普段からきちんとした「備え」をおこない、緩やかな消費をすることにより、このような事は防げたのではないかと思います。
「超大型でゆっくり進む台風」や「猛烈な台風」が来るとなると、その度に家電店から懐中電灯が無くなる。ということも毎回繰り返しているような気がしています。
平時だからこそ、多くの品の中から適正価格で選んで購入できるので、今のタイミングで「備え」に対して、更に深掘りして考えていくきっかけのひとつにしていただければ嬉しく思います。
よろしければ、ウチはこうしているという情報も頂戴できれば、今後の「備蓄研究」に役立てて参ります。
ウサギ店長