新種「センジュナマコ」
ニューフェイス 第3回
今回は、太平洋の深海を棲家とする「センジュナマコ」(Scotoplanes globosa/Sea Pig)の新種です。
ハワイとメキシコ間の広大な海域で深海調査が行われ、珍しい生き物がたくさん発見されました。
水深4000〜6000m、太陽光が届かない暗黒で高水圧の海底に、5500種以上の深海生物が生息。90%は「未知の生物」だそうです。とりわけ奇妙で目立ったのが「センジュナマコ」の一種でした。
ちなみに、和名は千手観音に由来しているそうです。
頭には、シカのように大きなツノをはやし、五対の短い足でチョコチョコと海底を歩行。口の周りの数多い触手で、海底に積もった有機物を器用に吸い込みます。
その動作がとてもユーモラスで、ネット動画で話題となりました。ぜひYouTubeなどでご覧ください。
ちなみに、ナマコはヒトデやウニと同じ棘皮動物で、危険を察知するとネバネバの糸を放出したり、肛門から内臓を吐きだします。
捕獲された深海の「センジュナマコ」の”種”は調査中で、まだ名前なし。早く決めてあげたいですね。
PS-1:海洋記録映画『沈黙の世界』が、カンヌ映画祭でグラン・プリを獲得したのは1956年のこと。監督のクストーは、カリプソ号で地中海や印度洋、ペルシャ湾を航海。当時としては驚異的な、水深75mの撮影に成功しています。
PS-2:水圧は10mもぐるごとに1気圧ずつ増え、水深6500mの深海では約651気圧、1平方cmに約650kgの力がかかります。小指の先に相撲取りが4人乗るほどの圧力です。
また水温は 2~4℃と寒く、太陽光が届かない「暗黒の世界」です。
かいのどうぶつえん 園長
貝は「割らない」「塗らない」「削らない」
第3回 新種「センジュナマコ」
★身体・頭:ウミウサギガイ ★ツノ:ヤカドツノガイ/マドガイ
★足:ヤカドツノガイ
★触覚:ヤカドツノガイ/ウメノハナガイ ★海底:ホタテガイ
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